馬と女とバレンタイン。~ゴディバの由来 | 九段下・渋谷・池袋・新宿・品川・上野・秋葉原★心療内科ゆうメンタルクリニック

馬と女とバレンタイン。~ゴディバの由来

まずはニュース。
徳間書店から、

「 たったひと言で心をつかむ心理術―仕事も恋愛もみんなOK! 

という書籍が発売されました!


○ 相手を怒らせたときに発するひと言。

○ アドレスを聞いたのに、連絡を忘れていた相手に伝えるひと言。

○ 浮気をされたときに、心理学的に理想的なひと言。


などなどのテーマがあります!

興味ある方は、ぜひぜひ見てみてくださいね。

⇒ http://sinri.net//book/new200701.htm

です!
とにかく青をモチーフとした表紙が綺麗です。


◆ ゴディバの由来、知ってますか。

まもなく、バレンタインです。

バレンタインで配られるチョコレートといえば、定番のブランドが、
「GODIVA」こと「ゴディバ」。

ではあなたは、このブランド名の由来が何かご存じでしょうか。

それは、おそろしくセクシーな話だったのです。


◆ ゴダイヴァ夫人の大冒険。

イギリスのある街に、レオフリックという領主がいました。
彼は重税を課し、市民を苦しめていました。

その彼の妻こそが、ゴダイヴァ夫人。


彼女は市民たちの苦しみを見かねて、夫である彼に言いました。

「あなた! 重税を課すのはやめてください!」

しかし彼は、その言葉を聞き入れません。

「やかましい! 仕事に口を出すな!」

でも、彼女はあきらめません。
何度も何度も何度も頼みました。

するとレオフリックは疲れたのか、こう言いました。

「お前が全裸のまま馬に乗り、この街を一周したら、聞き入れてやろう」


すごい。
自分の妻に言う言葉とは思えません。

しかしこれ、心理学的には「条件つき賛成話法」と言い、理にはかなっています。


「あなたが大金持ちになったら、つきあうわ」
「試験に合格したら、このプレゼントを買ってあげよう」

今まで「絶対にダメだ」と言っていた人がこのように言えば、ある意味、譲歩している形になります。

これにたいして、
「いや、大金持ちにならなくても、つきあってよ!」
なんて言えないもの。

「相手が譲歩したのなら、こっちも妥協しないと…」

と思って、つい「じゃあ、それで」とOKしたくなります。

しかしまぁ、たいていの場合、その「条件」は、無理なことが多いもの。

それができなければ、「だったらしかたないね」というように、自然な形で断ることができます。

また、その達成までには時間がかかっていることも多いでしょうから、そのあいだに相手の情熱が冷めていることもあるでしょう。

いずれにしても、断り方としては、かなりウマイ内容なのです。


ただ、一点だけ。

ときどき、本当に実行してしまう人間がいる、という事態をのぞいては。


◆ 彼女の決断とは。

そう。
それを聞いたゴダイヴァは、考え抜いたあとに、こう言いました。

「………分かりました。やりましょう」


ちなみに僕が読んだ資料のうち一冊に、

「当時のつつましやかな貴婦人には、これは不可能に近いことであった」

と書いてありましたが、いや、現在でも十分に不可能なことだと思います。

「私、やったことあるよ」という方はぜひメールを。


いずれにしても、これを聞いた夫は、
「いやいやいやいやいや! そんな、えーーーーー!」
みたいな心境だったのではないでしょうか。

ここらへん、どう分析していいのか分かりませんが。

夫が究極のM属性(パートナーが見られることで喜びを感じる、等)でない限り、踏んだり蹴ったりだと思うんですよ。

恥ずかしく悲しい上に、税まで安くなっちゃう、みたいな。

とはいえ彼も、一度言ったことをくつがえすことはできませんでした。


◆ 女の悲劇。そして、トムの悲劇。

そして決行当日。

「領主夫人が、自分たちのために、あえて恥に耐えてくださる」

そのウワサを聞いた市民達は、

「せめて自分たちは、その姿を見ないでさしあげよう」

と決めました。

そのため、全員が窓や扉を閉め、家の中にこもりました。


そして誰もいない街を、夫人は約束通りの姿になり、一人で馬に乗り、進んでいきました。


しかし。

たった一人だけ、それをのぞき見してしまった男がいました。

その男の名を「トム」と言います。

このことから、英語圏では、のぞき見をする人のことを、
「ピーピング・トム(のぞき屋トム)」と呼ぶようになったのです。

日本語で言うなら「出歯亀」ですね。
出っ歯の「池田亀太郎」という男が、のぞきの常習犯だったことからこう呼ばれたと言われています。

どっちの男も、こんな形で後世まで語り継がれることが悲しすぎます。

最近ではときどき「タ○ロする」という言い方が使われていることがありますが、この言葉も同じ路線をたどるのでしょうか。

話を戻します。

そして、何と。
このトムという男の目は、神の罰で潰れてしまい、目が見えなくなってしまったそうです。

いや、なんていうか、ちょっぴりトムがかわいそう。

ちなみにギリシャ神話では、女神の入浴をのぞいた罰で動物に変えられてしまう男のエピソードがあります。

確かにのぞきは悪いことだと思うんですが、なんていうかどちらも罰が激しすぎです。

◆ 自分の分析では。

しかしこの話、やや伝説的な色合いが強いようです。

そりゃそうですね。

一人の男の目が、罰で潰れてしまうなんて、非現実的すぎます。

もし現実の世界だったら、街の男ほぼ全員の目が潰れるはずです。

見たのはトムだけなんて、そんなバカな。
男が見ないわけがありません。

でも本当に街の男みんなの目が見えなくなったら、果たして重税のときとどっちがマシだったのか。かなり微妙です。

◆ それは、状況のせい? 性格のせい?

いずれにしても、とにかく夫人の行動によって税金は軽くなり、みんな大喜び。

この話から、みんなの幸福のために自分を犠牲にしたゴダイヴァ夫人の名前は語り継がれ、そしてあのチョコレートのブランドとして使われた……というわけです。


ちなみにやや余談になりますが。

心理学的には、人は誰かの行動を、

「状況よりも、性格や内面のせいにして判断しやすい」

ということが分かっています。


たとえばクイズの司会者は、さまざまなクイズの答えを話します。

これはもちろん、

「番組上、クイズの答えを知っているから(状況)」

なのですが、それでも人は、

「あの人は頭がいいからだ(性格や内面)」

と考えてしまうものなのです。

同じように、このゴダイヴァ夫人。

「夫との約束で、市民のために、しかたなく(状況)」

だったわけですが。やはり人は、

「実はそういうのが好きだったのでは?(性格や内面)」

と、つい考えてしまうものです。
すなわち市民たちもそう考えてしまう危険があります。


事実、もしここまで読んだあなたが、ゴダイヴァ夫人のことを、

「夫に言われたからって、そこまでやる? ってことは…!」

と思うのなら、すでにその思考をしている可能性があります。

というわけで、ゴダイヴァ夫人のその後を考えると、なんだか微妙に涙を禁じ得ません。


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◆ 今回の結論
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○ 条件つき賛成話法は有効ですが、時に本当にそれをやっちゃう人がいるから注意しましょう。

○ どんな理由で行動をしても、時に性格のせいにされることもあるので注意しましょう。



そして、そのときの状況を示した名画がこちら。

ゴディバ夫人


美しいです。

というか、これを描いた人の目は潰れないのか、と。

見ただけで潰れたわけですから、さらに絵にまでして多くの人に見せた作画者さんは
かなり危険なことに。


◆ さいごに。

というわけで、ゴダイヴァ夫人の話、いかがでしたでしょうか。

今後、あなたがGODIVAのチョコを買ったりもらったりした場合に、裸で馬に乗る女性の姿を思い描いてくださったら、それに勝る喜びはありません。


ゴダイヴァ夫人がもし男だったらここまでの伝説にはならなかったんだろうなぁ、と思いつつも、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。


メルマガから遊びに来てくださった方も、本当にありがとうございました。そんなあなたが大好きです。

それでは、今後ともよろしくお願いいたします。



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