一日中、私を食べて。  徒然草・第69段 | 九段下・渋谷・池袋・新宿・品川・上野・秋葉原★心療内科ゆうメンタルクリニック

一日中、私を食べて。  徒然草・第69段

ゆうきゆうです。

まずはちょっとしたニュースです。

12月3日(日)、今年最後のオフが開催です!
時間は午後2時から、場所は銀座。

今回は「心理学パーティ」です。

内容は、

・ゆうきゆうプロデュース「予想GUYのクリスマス」
・バントからホームランまで クリスマスに使える心理学テクニック講座
・ゆうきゆうなんでも質問箱
・心理実験を兼ねたゲーム

などの予定です。
今回の費用は、講義を聴いて、お食事もして、4500円。

クリスマスに向けて、または天然微生物であるゆうきゆうを観察するつもりで
気軽に来てください。

興味のある方は、ここからコピペしてお送りください。

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● オフに際しての意気込み
● ユウに質問したいこと
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宛先は、

off-off@sinri.net

まで「★クリオフ」とタイトルしてメールくださいね。
クリオネではありませんのでご注意下さい。

あなたの参加を、心よりお待ちしております。

では、今夜もメルマガからセクシー心理学の世界をお届けいたします。


◆ アレが大好きな、お坊さん。

あなたは「徒然草」という古典をご存じでしょうか。

これに「NO」と答える人はいないはず。
14世紀ごろに吉田兼好によって書かれた随筆です。

あなたも、古典の授業で読んだことがあるのではないでしょうか。

その中でも、僕がもっとも心に残っている話をお届けします。


それこそが、徒然草・第69段の話。

昔あるところに、「盛親僧都(じょうしんそうづ)」というお坊さんがいました。

盛親僧都。

「お盛んな親」でしょうか。
すぐにでも弟か妹ができそうです。

すべてをセクシー変換してしまう自分の頭脳が憎らしいですが、瞬時に話を戻します。

この盛親僧都は、ある食べ物がもんんんのすごく好きでした。

あなたは、何だと思いますか?






そう。

それこそが、「里芋(サトイモ)」です。

あの、丸っこく、少しねっとりしたイモのことです。
説明いりませんか。いりませんね。

まぁ、「私も好きだよ」という人も、結構いるかもしれません。

しかし彼の「好き」は、そんなレベルではありませんでした。

彼は、「常に」里芋を食べていました。
たとえば、法事や説法のときも、里芋を食べつつ行っていました。

たとえるなら、里芋を食べながら打ち合せやプレゼンをするビジネスマンのようなもの。
里芋を食べながら、診察や手術を行う医者のようなものです。

かなり異様です。

もう、24時間、おはようからおやすみまで、いつでも里芋を食べる状態。

朝だろうが夜だろうが関係ありません。

みんなで食事をする時間も守らず、自分が食べたいと思ったときに食べ、食べ終わったら勝手に帰るわけです。

まさにエンドレス・里芋の日々です。

また、寺の先代から、遺産として三千万円くらいのお金を相続しましたが、それもすべて里芋を買うお金にしてしまいました。

僕はこの話を読んだとき、
「え? 里芋って、そんなにおいしいか?」
と思いました。

いえ、確かに、地味においしい味ではあります。

しかし、そこまで愛するほどの味わいでしょうか。

それ以来、里芋が食卓にあがるたびに、
「あの人(盛親僧都のこと。別に知り合いでも何でもありません)がそんなに言うんだから…」
と思いながら味わってはいますが、いまだに気持ちが分かりません。

醤油をかける、マヨネーズをかける、「これはキャビアだ」と思って食べる、などの工夫もしていますが、やはり結果は変わりませんでした。


◆ それはなぜ、許されたか。

とはいえ。
里芋に関しては、まぁ「人の好みは好きずき」でいいでしょう。

メインはそこではありません。

実は、この話はこう続きます。

「そのお坊さんは、書道・勉強なども大得意で、ビジュアルもかっこよく、エ
ネルギッシュな人物だった。
里芋を異常なほどに食べる、食事のマナーもなっていないなどの変なところも
あったが、それらの長所があったからこそ、嫌われず、許されており、そして
尊敬をされていた。」

………と。

これ、非常に「なるほど」と思います。


実際に心理学では「コーヒーの心理実験」というものがあります。

「エリートの恰好をした人がコーヒーをこぼす」と、
「エリートの恰好をした人が何もしない」

場合に比べて、ずっと好感度が高くなるのです。

スイカやおしるこに塩を入れるように、ちょっとしたマイナスが、全体の甘さ
をより高めるわけです。

すなわち盛親僧都の場合、

「それだけの長所があったからこそ、里芋への執着やマナーの悪さが許されて
いた」

というレベルではなく、

「それだけの長所があり、なおかつ里芋への執着やマナーの悪さがあったから
こそ、より愛されていた」

と考えられるのではないでしょうか。

何よりその特徴がなければ、この徒然草に取り上げられることもなかったでしょうし、自分自身やあなたの記憶にも残ることはないでしょう。


◆ 快楽から逃れる、唯一の方法。

ここで、バビロニアの宗教家であるマニは、こんなことを言いました。

「誘惑を征するもっとも確実な方法は、誘惑に屈することである」。


言い切りました。素敵です。

これを快楽主義や刹那主義と思う人もいるかもしれません。

しかし「無意味なガマンは意味がない」という点は、少しは合意できるのではないでしょうか。

もし、あなた自身に何らかの強い気持ちがあるなら、それをとことん追求してしまうのが一番です。
(もちろん誰かにとって激しく迷惑になる場合はのぞきますが)

それを追求することで多少マイナスにうつる場合もあるでしょう。
でも、気にしてはいけません。


それがあるからこそ、かえってあなたが愛される場合もあるのです。

あなたも気持ちよく、なおかつ愛される。

まさに一石二鳥です。


逆に、自分の気持ちをガマンしたときこそが最悪。

ガマンすることでストレスがたまり、他の行動もうまく行かなくなったりするかもしれません。
また、素直にその行動を追求しようとする人に当たったり可能性もあるでしょう。

その結果、周囲の印象が無意味に悪化することもありえます。


まずは、自分の気持ちを認めること。

「個性」というのは、「自分がもっともやりたいこと」そのものなのです。



◆ お礼として、行動しよう。

ただ、コーヒーの心理実験には続きがあります。

「みすぼらしい恰好をした人がコーヒーをこぼした場合」は、
「みすぼらしい恰好をした人が何もしない場合」

に比べて、好感度が下がりました。


何か自分の好きなことを追求するなら、それと同じだけ、他の人にいい印象を与えることもやらなければなりません。

すなわち、
「まずはとにかく好きなことをする!」

そして、

「これだけ喜びを得たんだから…」と、そのお礼として、

「仕事や義務などに打ち込む!」

ということです。


たとえば自分はゲームやマンガが大好きです。

原稿を書かなければいけないのに、気がつくとゲームなどで数時間を使っていることも、時にあります。

いえ、そんな時間ばっかです。

そして、長い長い時間が過ぎたあと、
「ハッ! そろそろ原稿書かないと!」と我に返ります。

こんなときに、

「原稿を書かないでゲームをしてしまった…。自分への罰として、原稿がんばらないと…」

なんて罪悪感を抱えてしまうと、気持ちがどんどん落ち込んでしまいます。

そこで僕は、こう考えることにしています。

「世の中に、こんなに面白いゲームやマンガを作ってくれた人がいる。
その人たちへのお礼として、僕は、自分のできる、精一杯の原稿を書こう」


そう思うと、とても気持ちがポジティブになってきます。


これは長期的な恋愛でも同じ。

「自分のやりたいことをガマンして、相手に尽くそう」
と考えてはダメ。

まずは自分のしたいことを、先にしてしまうことです。

そして、
「これだけのことをさせてくれたんだから、そのお礼として、相手にこうしてあげよう」
と考えることです。

順番を変えるだけで、気持ちは大きく変わっていきます。


まずは、自分の欲望すべてを認めること。

そしてそれを、とにかく先に実行してしまうことです。


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◆ 今回のまとめ。
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○ やりたいこと、好きなことは、とにかく追求してOK。

○ 周囲に多少マイナスにうつっても、それがゆえにかえって好感度が高まる
可能性もある。

○ そしてそれをできたお礼として、仕事に打ち込むこと。




あなたは、あなたの望むこと、すべてを行動にすればいいんです。

できない言い訳、ダメな理由を考える時間があったら、いかにそれを、迷惑をかけず、うまく実現できる方法を考えた方が、ずっとずっといいんですよ。


どうか、覚えておいてくださいね。



というわけで、徒然草から「里芋好きなお坊さん」のお話。
いかがでしたでしょうか。


ちなみに彼は里芋ですが、自分の好きな食べ物というと…。






甘くて。

精力がついて。

最後に「パイ」がつく、アレです。










はい。

うなぎパイです。



24時間、朝も夜も、仕事中も、いつでもうなぎパイを食べる男。

どう考えても変態です。


たぶんこのマイナスを打破するためには、大統領レベルの業績を残さないとダメなんじゃないかと思いつつも、今夜は筆を置こうと思います。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。


(完)

クリスマスオフ、ご参加お待ちしております。

詳細はこちらにも。⇒ http://sinri.net/event/gin-off.htm