子供の方が、フリンする。フリン効果 | 九段下・渋谷・池袋・新宿・品川・上野・秋葉原★心療内科ゆうメンタルクリニック

子供の方が、フリンする。フリン効果

こんばんは。ゆうきゆうです。

あなたは「サラダ菜」という野菜をご存じでしょうか。
レタスの仲間で、文字通りサラダになる野菜です。

この名前、どう思いますか?

僕は信じられません。


だって、品種の名前が、「食べられる前提」なんですよ?

「お前はサラダになって人間に喰われる運命なんだ」

というのを、名前からして決定されているんですよ?

「小松菜」や「ほうれん草」や「シソ」という名前とは、もう根本的に違うわけです。かわいそう。


たとえるなら、ブタの名前を、

「トンカツ豚」

とつけるようなものです。
かわいそう! ブタさんがかわいそうです!
でも、あったら食べてみたいですけど。


他にも人間でたとえるなら、

「鈴木 公務員になって一生安泰太郎」とか、
「山田 叶姉妹みたいにグラマーでセレブになる子」とか、
「佐藤 起業してTOB繰り返して株で大もうけで親にラクさせてくれる次郎」

とか名付けるようなものではないでしょうか。

決めないで! 私の人生を決めないで!


サラダ菜をもくもく食べながら、そんなことを思いました。

どんだけムダの多い人生なのか。

そんなこんなで、「ゆうき 今後もミトコンドリアのようにひっそり生きていく三郎」が、今夜もセクシー心理学の世界をお届けいたします。



◆ 前回のあらすじ。

○ 今の自分が少し老いてきているのでは…?と心配する人ほど、「若い世代がダメになっている」と攻撃する。

○ しかし数千年前のピラミッドにも「最近の若いモンは…」というラクガキ
があるように、その考えは、はるか昔から繰り返されてきた、変わらぬ心理。




そして、実はこの話には続きがあります。



僕は、「三国志」や「信長の野望」みたいな、歴史シミュレーションゲームが、大好きです。
ヒマさえあれば、サルのようにやっています。

(プレイ日記は、
  http://ameblo.jp/yukiyu/day-20060407.html
  http://ameblo.jp/yukiyu/entry-10015998395.html など参照)


そして、ですね。

やればたいてい、どんな大名ではじめても、天下統一することができます。

いえ、これはぜんぜん自慢するようなことではなくて。
たぶん誰がやったとしても、天下統一することができるはずです。

ドラクエをやれば、時間さえかければ、誰でも魔王を倒せるような、そんな感じです。


しかしこれ、おかしいと思いませんでしょうか。

たとえば我々がタイムスリップして、三国志や信長の野望の時代の、どこかの大名になったとします。

このとき、ゲームのように天下を取れるものなのでしょうか?


「取れるわけないよ」
「そんなに甘くないんじゃない?」
「ゲームったって、そんなに忠実じゃないんだし」
「現実の敵は、コンピューターより、頭いいんじゃない?」


そんな意見が、たくさんたくさん出ることでしょう。


しかし!

実はそれは、「可能」なのです。



ここで、ある心理効果をお教えしましょう。

それこそが、「フリン効果」です。


◆ 頭の良さを、集計したら。

調査を行ったのは、ニュージーランドの心理学者であるフリン(1987)。

とりあえず、名前がすごいです。
スルーしたくてもできません。

本人は「フリン先生」で、奥さんは「フリンさんちの奥さん」ですから。

なんていうか、大変です。
ていうかこんなことをいちいち思う自分が、一番大変。

とにかく彼は、1930年以降、世界各地のあらゆる場所でおこなわれた「知能テスト」の結果を集計しました。

ヨーロッパ・アメリカ・アジアなど、もちろん日本も含めて、あらゆる国の知能テスト、すべてを検証したのです。

そして、その結果。

彼は、

「世代が後になるにつれて、ほぼ例外なく知能指数(IQ)が上がっている」

ことを発見したのです。

すなわち、
「今、20歳の人があるテストを解いた場合よりも、今、10歳の人が20歳になったときに解いた場合の方が、ずっと成績が良かった」

というわけです。

特に30年の年代差があると、IQは5~25ほどの上昇があったそうです。

これこそが、「フリン効果」なのです。


◆ 本当の意味での、頭の良さ。

もちろんIQといっても、さらに細かく分かれます。

具体的には、「計算力」や「一般教養」に関しては、世代の差はほとんどありませんでした。
差があったのは、「学習能力」や「問題解決能力」だそうです。


分かりやすく言うなら、

「8×5= なに? 」

というような単純な計算問題は、年代差はほとんどなかったのにたいして、


「1⇒1⇒2⇒4⇒7⇒13⇒24 という数列の、次に来る数は?」

というような、少し複雑な問題は、年代があとになるにつれて、解ける率が上がったわけです。

そしてこのような能力は、知能においてもっとも重要な要素と言われています。
まさしく「本当の意味で頭がいい人」とされるわけです。

すなわち誤解を恐れず言うなら、

「人間はあとに生まれるほど、頭が良くなっている」

というわけです。



◆ その理由とは!?

さらにここからが重要。

フリンによると、100年前に「上位10%に入る知能の高い人」であっても、
現在で言うなら、「下位5%に入る知能の低い人」になる可能性があるそうです。

言ってみるなら、昔の大天才である、ダ・ビンチや諸葛亮孔明などが現在に生まれたとしても、そこらへんにゴロゴロしているレベルだということなのです。

では、このIQの差はなぜ生まれるのでしょうか。

もちろん正確な原因は分かっていませんが、一つは「情報」ではないかと考えられています。

我々は普段から、コンピューターやケータイを使っています。
その結果、あらゆる情報を知り、たくさんの知識やパターンを無意識に得ています。

またテレビでは、色々なクイズ番組や、世界各地の情報番組などをしています。

さらに「本の種類」なども豊富。

たとえば数十年前の参考書というと、とてもマジメに固く書いたものばかりでした。

しかしここ最近になり、たとえば「ゴロ合わせ」や「分かりやすく経済を学ぶ本」など、さまざまな「学びやすいもの」も出てきました。

これらに日常的に接しているため、頭がいつのまにか鍛えられており、またたいていのクイズなども「あ、どこかで見た」となっているため、比較的早く解くことができるわけです。


また、「栄養」などの面もあるでしょう。

たとえば数十年前と今では、日本人の体格は大きく違います。

これはもちろん、栄養の差。
栄養が良ければ脳の発達も良くなる可能性はあるはずです。


何にしても、遺伝子がそう早く進化するということは、ほとんど考えられません。

そう考えると、やはり環境的な要因によって、生まれた後に鍛えられた、と考えるのが一番ではないでしょうか。


すなわち!

三国志や信長の野望の時代に、今の我々がタイムスリップしたとするなら、天下統一できる可能性は、十分にあるというわけです。

そんな妄想に浸りつつも、職場では最下層の自分ですが。

いったい下克上はいつ起こるのか。

-----------------------------------
◆ 今回のまとめ。
-----------------------------------

○ 人間は、自分より下の世代がダメになったと判断するが、それは若さへの羨望によるもの。

○ それどころか、世代があとになるにつれて、頭はどんどん良くなっている!


これを悲しい事実と取るか、嬉しい事実と取るかは、あなた次第です。

個人的には、今までのほとんどの全人類より、自分たちの方が頭がいい、というのは非常に嬉しく思えます。

また、いつかできる(かもしれない)自分の子供や孫が、自分より頭が良くなる、というのは、とても楽しみです。

頼むからパパを越えて。


◆ さいごに。

人間の行動には、必ず「理由」があります。

「若いヤツはダメだ」
「最近の子は勉強ができない」


悪口を言うのは、無意識に嫉妬があるから。

マイナスな気持ちがあるからこそ、あえて悪口を言い、バランスを取ろうとしているわけです。


そしてこれは、恋愛でも同じです。

「カレはこんなところがダメで…!」
「あいつはここが最悪なんだ…!」
「本当にあの人って最低…!」


そんな風に悪口を思ってしまうのは、実は心の底で、その相手のことを重要に感じているから。
離れられない気持ちや、自分の方が下なのでは?という劣等感を感じているからこそ、何度も自分に言い聞かせようとしているわけです。

本当にどうでもいいのなら、悪口すら思いつきません。


もしあなたが相手の悪口を思うのなら、もう一度考えてみてください。

あなたは、本当はその相手のことが好きなんです。
大切に思っているんです。

いつか関係が壊れてしまったときに、後悔しても遅いんですよ。


(完)




セクシーな心理学で満載のサイトはこちらです! ⇒ http://sinri.net/


セクシー心理学GOLDでは、
「後悔しない考え方」を扱ってます。
過去のバックナンバープレゼントもありますので、ぜひぜひご覧くださいね。
⇒ http://sinri.net/gold.htm

電車の中でもセクシーに! 携帯サイトはこちら!
⇒ http://fp-japan.com/sx/



【書籍情報】

「5秒で好かれる心理術」
「ゆうき式 逆転発想勉強術」
「他人のこころをつかむ心理テクニック」(PHP研究所)