お願い、認知して。 認知欲求 | 九段下・渋谷・池袋・新宿・品川・上野・秋葉原★心療内科ゆうメンタルクリニック

お願い、認知して。 認知欲求

こんば○○。
ゆうきゆうです。


………。



最初の「こんば○○」という言葉を見て、○○に「すと」が入ると思ったあなたは、バスト検定1級(略称「バス検」)です。
誇れる資格ではないので、履歴書に書いてはいけません。

人として戻れないところまで来ていることを重々感じつつも、今夜もメルマガからセクシー心理学の世界を反動的にマジメにお送りいたします。


◆ 最近の子供の心理テスト。

では、こんなクイズから。

最近、よく小学生のニュースが飛び込んできます。


子供が殺される。
子供が殺す。
または、色々な事件に巻き込まれる。

これにたいして、あなたはどう感じますか?

A「最近は物騒だ…」

B「最近の子供は危機管理能力がない」

C「最近の子供は恐ろしい」

D「まぁ、特に感じることはないかな」


選んでから、続きを読んでくださいね。


◆ その言葉を、知っていますか。


突然ですが、あなたは「確信犯」という言葉をご存じでしょうか。


たとえば、部長が「こっちに来て」と言う際に、ちょっといやらしい手つきをした場合。
OLさんたちは、こんな風に言うかもしれません。

「部長、あの手つき、セクハラだって分かっててやってるよね。確信犯だよ」

このように、「確信犯」という言葉は、

「悪いことだと分かっているのに、気づかないフリをしてあえてやる」

という意味で使ったりします。

しかしそもそもは、
「悪いことではあるが、本人が何らかの思想によって、正しいと確信して犯罪を起こす」
という意味だそうです。

たとえば、

「イスラムの教えに従って、テロを起こす」
「社会のためになると思って殺人をする」

などが、本来の「確信犯」なのです。

マンガ「デスノート」の主人公は、犯罪のない世界を作ることが正義と信じて殺人をしましたが、これも本来の意味での「確信犯」です。

すなわち、

「悪いことだと知りつつ犯罪を犯す」のが、よく使われる確信犯の意味。

「いいことだと信じ込んで犯罪を犯す」のが、本来の確信犯の意味。


ですので、実際にネット上で、

「あの人、絶対に確信犯だよね」

というように、よく使われるほうの使い方をすると、ほぼ必ずと言っていいほど、

「その確信犯の使い方は誤用です!」

というツッコミが入ります。
たとえばブログだとしたら、もう音速でコメントが入ります。

タイムパトロールみたいに、組織化されてるんじゃないか、というレベルです。
もう、確信犯の指摘を本職としている人たち、みたいな。


じゃあ、その誤用された意味での確信犯と言いたいときは、何て言えばいいの?

と思いますよね。

それに関しては、「故意犯」と言うのがいいそうです。


………なんでしょうか。この言葉は。


「あの人、絶対に故意犯だよね」


なんか、ものすごく違和感あります。
ぜんぜん日本語として浸透してません。

一歩間違えると、恋の犯罪者みたいです。恋犯。ほんわかです。

ルパン三世の映画「カリオストロの城」で、銭形警部が、

「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」

というセリフを言ったことがありますが、これも100%、恋犯です。

まぁ、そもそも銭形警部ってこんなキザなこと言わないんじゃないか、という気はするんですが。

話を元に戻しまして。

実際に確信犯という言葉が、「本来の意味」で使われることって、どのくらいあるのでしょうか。

今の日本で、現実的に、ほとんどないはずです。

それにこの「二つの意味」を知ってしまうと、確信犯という言葉をそうそう使えなくなります。
だってどっちの使い方をしても、別の方を知っている人に「違うよ!」と言われるわけですし。

さすがに、注釈をつけながら使うのも面倒です。

ですので個人的に、もう、
「確信犯は、誤用とされている、現在一般的に使われている言葉として使っていい!」と思います。


「部長ったら、体操するフリして、私のお尻触ってきたのよ。確信犯よね」

この使い方でいいんです! うん!


というか、たとえがセクシー系しか思いつかずに申し訳ありません。


そして、たとえ「それは誤用です!」というツッコミが来たとしても、防御は万全です。

「いえ! うちの部長は、
『体操しながらお尻を触るのが、本人の信念上、正しいことだと思っている人』なんです!」

とでも言い張ればいいのではないでしょうか。
別に論理的に矛盾はありません。

部長はさらに遠い存在になりますけど。


◆ 言葉の変化は許せない?

しかしやはり、「確信犯の本来の使い方」にこだわってしまう人は多いものです。

これ以外にも「誤用されている言葉」は、星の数ほどあります。

「よろしかったでしょうか?」
「さりげにスゴイ」
「ぜんぜんOKです」

これらにたいして違和感を覚える人は多いでしょう。

また他にも、変化する言葉はたくさんあります。

外来語。
流行言葉。
コギャル言葉などなど。


まぁ、個人的には、こういう変化もアリなのではないかと思います。

将来的には、「セクシー言葉」とかが流行しないかな、と考えています。

語尾に必ず「あはん」とつけるという。
もちろん女性限定。

「部長、書類ができましたあはん」
「その発言はおかしいと思いますあはん」
「私、あなたのこと大嫌いあはん」


すばらしい!
日本語はさらにステキに進化した!

こうなったら、たぶん世の中って、もっと住みやすくなると思うんです。

特に、
「お色気なものを見せると、男は怒りにくくなる」
という心理実験もありますので、この言葉遣いが同様の作用をもたらす可能性もあります。


逆に男の言葉は、語尾に「ハニー」とかつけるのはどうでしょう。

「このコピー頼むよハニー」
「今日の仕事は疲れたよハニー」
「警察の陰謀だよハニー」


………。

こちらは微妙です。

いずれにしても個人的には、「言葉の変化」というのは別に悪いことではないと思うんですが、それでも「日本語が乱れてる! けしからん!」と怒る人は多いものです。

これはいったいどうしてなのでしょうか?

「美しい日本語を守るために頑張ってる」のでしょうか?


もちろん、それも少しはあるかと思います。

「正しいのはこう!」という指摘そのものを否定するわけではありません。
それは知識として重要なものではあるでしょう。

しかし本来、言葉というのは、変化をして当然。
たとえば平安時代の言葉は、もちろん今は通用しません。

「美しい日本語を守る!」というのなら、それこそ、

「きよらなるやまとことば、まもれかし!」
なんて風に言わなければいけないはずです。(古語訳は適当です)


「日本語を守る」「伝統を守る」なんてのは、大義名分に過ぎません。


「今の言葉はおかしくなっている!」
「若者は言葉を知らない!」

と怒りながら主張する人は、それを通して、

「自分も含めた(上の)世代は、優れている!」

という快感に浸りたいから、なのです。




◆ 数千年前からの、人の心理。

実は人間は、
「自分の世代は優れていて、自分以降の世代は、どんどん悪くなっている」
と考え、優越感に浸りたくなるもの。

優越感は、心理学では「認知欲求」と言われ、人にとってかなり根源的な欲求です。

そしてこの「年代」というのが、もっとも分かりやすい差なのです。

特に人は年を取るほど、若さあふれる人にたいして、ちょっとした嫉妬を抱いていきます。

「子供のころに戻りたい」という大人はたくさんいても、
「早く老人ホームに入りたい」という子供はほとんど存在しません。

若さへの嫉妬、そして時に劣等感というのは、生物としての宿命なのです。

しかしこの「若い世代はどんどんダメになっている」という思考は、まさにそれを逆転する発想。
その気持ちが強い人ほど、すぐに飛びつきたくなります。

実際、エジプトのピラミッドには、象形文字によるこんなラクガキが残っています。

「最近の若いモンは…」


すなわち人間は、数千年前から、すでにこういう思考をしていたわけです。


繰り返しになりますが、人間は、

「自分より若い世代に嫉妬を抱き、だからこそ反発的に、自分の方が上だと思いたくなる」もの。

よってそのための材料として、「少年犯罪のニュース」や、「乱れた日本語」が使われているだけなのです。



◆ そして回答を。

話が恐ろしく長くなりましたが、最初の心理テスト。

B「最近の子供は危機管理能力がない」
C「最近の子供は恐ろしい」

を選んだ人は、かなりその傾向があります。

特にBは能力的なこだわりが強い可能性が。
Cの人は、性格的に若い人間と通じ合えない、という気持ちを抱えている可能性が大です。

また、

A「最近は物騒だ…」

を選んだ人は、世の中全体にたいして、自分が取り残されているのでは…という不安を感じているかもしれません。

D「まぁ、特に感じることはないかな」

という人は、それらの傾向はあまりありませんが、もう少し何か感想を抱くのもアリかと思います。


どれに転んでも微妙で申し訳ありません。
ちなみに自分は、

E「それはそれとしてバスト」

ですので、どんな選択肢を選んだ方も自分より上ですのでご安心ください。
自分だけは年代を重ねるのに従って、確実に悪化している気がします。


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 今回のまとめ。
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○ 今の自分が少し老いてきているのでは…?と心配する人ほど、「若い世代がダメになっている」と攻撃する。

○ しかしそれは、数千年前から繰り返されてきた、人の変わらぬ心理。



そう。
言ってみれば、「大人が心配する必要なんてない」のです。



いえ、それどころか。

この話には、さらなる続きがあります。


実はある調査では、

「あとの世代に生まれた子供ほど、頭が●くなる」

ことが分かっているのです。


さぁっ!

驚愕の心理学理論、「フリン効果」とはいったい何なのか!?


次回をご期待ください!



(つづく)


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それでは皆さん、おやすみなさい。
あなたが、とても静かでセクシーな夢を見られますように。