男と女、どっちが美しい? | 九段下・渋谷・池袋・新宿・品川・上野・秋葉原★心療内科ゆうメンタルクリニック

男と女、どっちが美しい?

こんばんは。ゆうきゆうです。

ある広告のコピーに、こんなのがありました。

「接吻たい」。



………。

せっぷんたい?

いったいどこの方言でしょうか。
そう思っていたら、「くちづけたい」と読み仮名が振ってありました。

絶対に読めるわけがないと思った今日この頃、みなさまいかがお過ごしですたい。


さて前回は、ちょっぴり重い話になってしまったので、今回は軽めなモノをお届けいたします。

アラビアンナイトから「男と女、どっちが美しい?」というお話。

どうかゆっくりとお楽しみくださいね。


◆ 子供のできない、王様。

ある国に、王様がいました。
その王は、おじいさんになっても、なぜか子供に恵まれませんでした。

彼は毎夜のごとく、4人の妃と、数十人の側女たちと交わっていましたが、それでもなぜか子供はできなかったのです。

まぁ、この話から普通に考えれば、原因は夫側ですね。

そこで彼は、占い師にお告げを求めました。
すると、こんな答えが返ってきました。

「しばらくガマンしなさい」


恐ろしいほどシンプルな答えです。
そういうのをガマンするだけで子供ができるなら、今頃僕は1000人の子宝に恵まれていそうです。

日本中がゆうきゆう。
たぶん瞬時に他の国に占領されます。

しかし、占い師の予言は当たっていました。

しばらくのガマンの後に王が妃と交わったところ、なんと本当に男の子が生まれたのです。

すばらしいです。

作家である阿刀田高の考えによると、
「数日休むことで精子の濃度が高まったと考えられる」そうです。

ただまぁ、今までずっと生まれなかったわけですので、単にガマンしているあいだに、妃の誰かがこっそり浮気をした可能性も0ではないと思うのですが。
この発想はネガティブすぎでしょうか。

実際にアラビアンナイトでは、浮気の話は数限りなくありますので、決して不自然な話ではないと思います。

まぁ、いずれにしても、王はやっと男の子を授かったわけです。
彼は王子を、カマル・アル・ザマンと名付けました。

一言で言えば「月」くらいな意味です。
夜神月とはまったく関係ありません。前回の話を引きずっていてすみません。


さて、ここからが問題。

この王子、ものすごく美形でした。
当然、たくさんの女たちにモテます。

しかし成人しても、いっこうに妻をめとろうとはしませんでした。

王が理由を聞くも、「女は嫌いです」の一点張り。

それ以上、何も言おうとはしませんでした。


………。
うん。まぁ。

お父さんは好色なのに、息子は女嫌い。

微妙に、さっきの自分の説を裏付けるような気もするのですが。

それでも強引に、理由付けしてみます。

心理学では「エディプス・コンプレックス」というものがあります。
一言で言えば、「男の子は、父親に反発する」というもの。

あなたが男性なら、少しは思い当たることもあるのではないでしょうか。

そのため、たくさんの妃を持つ父親にたいする反発心があったため、そういう性格になった…と考えることもできます。はい。

「このコは俺に似てないなぁ…?」

そんな奥様の万が一の事態の言い訳には、エディプス・コンプレックス。
便利な理論です。

◆ 女魔神は、それを見つける。

いずれにしても、彼は父親の再三のすすめにも従わず、決して結婚しようとは思いません。

しかたなく父親は彼を反省させようと、塔の中に幽閉してしまいました。

そして。
そんな王子を、マイムナーという女の魔神が見つけました。

女の魔神ですから、女魔神でしょうか。微妙にセクシーです。おんなまじん。

彼女は王子を見て、言いました。

「うぁー、イイ男!」

彼女は王子の美しさに見とれ、王子が寝静まるたびに、その顔を見るために通いました。

そんなときです。

マイムナーは、友人である魔神、ダーナッシュと会いました。

「ねぇねぇ、聞いて! すごいイイ男、見つけちゃったの!」

するとダーナッシュも、ほぼ同時に言います。

「いやいや、聞いてくれよ! すごい美女、見つけたんだよ!」

「…え?」

「…は?」

話を聞くと、魔神ダーナッシュも、隣の国で、同じように美しい女を見つけていました。
彼女の名前は、ブドゥル姫。

彼女も、ものすごく美しいのにもかかわらず、大の男嫌いで、決して結婚しようとはしなかったのです。まさに、女版・カマル王子です。

「いや、うちのカマル王子の方が美しい!」
「いやいや! ブドゥル姫の方が綺麗だってば!」

いくら言い合っても、決して決着はつきません。

ある意味、当然といえば当然です。
そもそも男と女で比較すること自体ムリがありますし、何より単なる話だけでは比べようがありません。

ぜんぜん関係ないんですが、ある友人が、

「女の『かわいい』は一段階増しの法則」というものを提唱していました。

「私の友達にかわいいコがいてね」と言われたら、それは「普通のコ」である。
「私の友達にすごくかわいいコがいてね」と言われたら、それは「かわいいコ」である。

それが、彼の主張です。
女性の思う「かわいい女性」と、男性の感じる「かわいい女性」の好みは結構違うようです。うん。

同じように、男性にとって「あいつはイイ男だ」という人も、女性にとっては、「えー…?」ということも、結構多いようです。

ある意味、人間にとって同性はライバル。
本当にかわいい・かっこいい同性の場合、悔しくて認めることはできません。

逆に「あ、この人には負けない」と思う相手だからこそ、その安心感から、「かわいい」と認めることもできるのかもしれません。

ちなみに自分は、男性の同僚・女性の同僚ともに「ミトコンドリア」だと言われていますが、これはどれだけの安心感からかは分かりません。


うん。恐ろしいほど関係ない話を挿入してしまいました。
申し訳ありません。

いずれにしても、いくら話してもラチが開かないため、マイムナーは言いました。

「よし! じゃあ、二人並べて、比べてみましょう!」

「望むところだ!」


魔神は、ブドゥル姫が寝ている間にこっそりと彼女を運びます。
そして、やはり眠っているカマル王子の隣に寝かせました。

さりげなく拉致監禁ですが、アラビアンナイトの世界ですので、細かいツッコミをする人はいません。

そして魔神たちは、二人の顔を見比べました。

「………」

しかし。

目の前にして比べても、やはり決着はつきません。


普通なら、ここで「引き分けだな」で済むはずです。

しかし、魔神というのは、ものすごく負けず嫌いなのでしょうか。

マイムナーはこんな提案をしたのです。

「じゃあ、片方ずつ、順番に起こしましょう。そして、寝ている相手のことを見させて、どちらの方が惚れるかを見るの。より惚れちゃった方が負けっていうのはどう?」

「…面白そうだな。いいだろう」



さぁっ!
この直後に起こった、恐るべき展開とは!?


そうっ! あなたの期待こそが、ズバリ正解です。

夜に寝ている美男・美女を前にして、人間はいかなる行動を取るのか!?

そしてこの物語に隠されたメッセージとは!?


次号、「御徒町と神田のあいだに」をお待ちください!


(つづく)





そして今回のクイズです。

じく しん ぱい さま ぼう でなし ながれ のす ●●


さて、●●にハマるのは何でしょうか。



うん。


はい。
いつもながらすごくシンプルです。答えは。

ヒント。
すべての言葉は、左に何かがつきます。


はい。

ここまで言えば、おかわりになる方も多いかもしれません。



いちじく(イチジク)

にしん(魚の)

さんぱい(参拝)

よんさま(ヨン様)

ごぼう(野菜)

ろくでなし(どうしようもない人)

しちながれ(質流れ)

はちのす(蜂の巣)



もう、お分かりですね。数字です。

すなわち最後は、9ですので、

「きゅうさい(救済)」とか「くじら(鯨)」とか、ハマる言葉なら、何でもOKです。はい。

ちなみに「6」でものすごく苦しみました。
「ぽんぎ」とかにしたら、一発でバレるでしょうし。

ていうか途中で「ヨン様」が出てる時点で、クイズとして成り立っているのか分かりません。

考えてくださったみなさま、本当にありがとうございました。




そして次回の先取りです。


まず、先に目を覚ますのは、カマル王子です。
彼は横に寝ている姫を見て、驚きました。

「…な、なんだ、この女は!?」


夜中に突然起きたら、隣に見たこともない女性がいる。

この驚きは、子供には分かりません。
経験した大人でないと分からないことですよね。

僕は経験したことがないので分かりません。


いずれにしても、王子は慌てます。
しかし彼女を見ているうちに、つい生唾を飲み込んでしまいました。

「な、なんて…。なんて美しいんだ…」

うん。
女嫌いだったはずなのに。

心理学では「反動形成」というものがあります。

ものすごい攻撃心を持った人間が、それを隠すために不自然なほど敬語で話したり。
好きな人に、つい「あんたなんか嫌い!」と言ってしまったり。

ある方向の気持ちが強すぎるときに、あえて反対の行動を取ってしまうことを言います。

よく「俺は絶対に浮気しない!」「浮気するヤツなんて最低だ!」と、誰も聞いていないのに主張をする人がいますが、これも結構、それに近いと思います。


この王子の「女嫌い」というのも、それと同じ心理なのかもしれません。

そう考えると、この王子は、ある意味お父さんにそっくりです。
うん、一安心。

そして…!
そんな王子が、ついしてしまった行動とは…?


さらに、そのあとに姫がした行動とは…?

ある意味、予想外な方向に話が進みます。

その答えは次号をお待ちください!

ここまで遊びに来てくださって、本当にありがとうございました。


(完)

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