ストレス水理論 | 九段下・渋谷・池袋・新宿・品川・上野・秋葉原★心療内科ゆうメンタルクリニック

ストレス水理論

今回もメルマガ から、セクシー心理学の世界をお届けいたします。


◆ 悪口の、正体とは。


よくブログなどを見ていると、時にコメントなどで、ものすごい悪口を書かれ
ているものを目にします。

この、コメントでの悪口や批判。
これって心理学的には、どんなことなんでしょうか。

今回はそんな話をお届けします。




◆ 人間に、器の差なんてない。


人間のストレスというものは、どんどんたまっていきます。

よく「器が大きい人」「器が小さい人」と言いますが、実は人間の器なんて、
そんなに差はないと思います。

みんながみんな、同じ大きさの器を持っているのです。

そしてそこに、日々、ストレスという名前の水が、少しずつ少しずつたまって
いきます。
ストレスがない人なんて、存在しません。

以前に「人間は、どんな感覚でも慣れる」ということをお話ししました。

いかに大金持ちであっても、どんなカンペキな異性とつきあった人であっても、
その喜びには飽きが来ます。
そして同時に、我々と同じだけのストレスを、日々感じるようになってくるのです。

さて、ここからがポイント。

実は人間の差というのは、たった一つ。

その水を、常に外に出しているか、いないか。
それだけの違いしかないのです。

それができている人は、器の容量に、余裕ができます。

ですので、たとえば突発的なストレスも、受け入れることができます。
他の人が話した悩みなども、同じように受け入れることができます。

これを一般的に「器が大きい」と言いますが、そういう意味で正しくは、「器
の空きが大きい」だけなのです。



◆ 水を出すなら、たまらない。


繰り返しになりますが、人間の差というのは「器の空きの差」だけ。
そしてそれは、=「水を普段から出しているかいないか」というだけ。


この「水を出す」というのは、本当に簡単です。

単に「気持ちを言葉にして表現する」だけでいいのです。

これこそが最良な、水を出す方法です。

たとえば僕自身、この「メルマガを発行する」ことや「連載で原稿を書く」こ
とが、自分自身確かに「水を出す」ことにつながっていると思います。

毎日感じている、ツッコミたい気持ち。
言いたくてたまらない想い。

それをこうして形にして、あなたがこうして読んでくださっていることが、何
よりも強い喜びになっています。

実際に僕はよく「ストレスたまってなさそう」と言われるんですが、だとした
ら、それが原因です。
ストレスがたまらないタチというより、単に水を出し続けられる環境があるか
ら、なのです。

まぁたいてい、「ていうか何も考えてなさそう」という言葉が続くんですが。



◆ そのための方法とは?


でも、僕はたまたまこのセクシー業があるからうまく水が回っているだけで。

実際、それができない人も、結構多くいるのではないでしょうか。

たとえば上司に怒られ、職場でそのグチを言うこともできない。
そして友達に電話しても、なかなか伝わらない…。

こういう人が、精神科の門をよく叩きます。

とにかく「出す」しか、方法はないのです。



◆ 水=便である。


ここで、言い方があまり綺麗ではなくて恐縮なんですが。

「気持ちがたまった状態」というのは、「便秘」と同じ。

当然ですが、便が出ればスッキリします。
便が出ないと、イライラします。

心の水も、それと同じ。
たまればたまるほど、どんどん、よどんできます。

このときに便を出す方法は、2種類あります。

たとえば一つは、食物繊維をたくさん取ったり、お腹を誰かがゆっくりマッサー
ジしてあげること。

現実で言うなら、普段のストレスの中に小さな喜びを見つけたり、根気よく誰
かが話を聞いてあげたりすることです。

しかし実際に、それは困難です。

もう一つの方法。
それこそが、「下剤をかけること」。

強い刺激をすることで、心の中をはき出させることですね。


◆ 気持ちをハードに出す方法。


では、具体的に何が下剤になるのでしょうか?

その答えはシンプル。

相手のモヤモヤした気持ちと「反発」することを、相手に告げることです。

たとえるなら、相手が「北に行きたい」と思っている場合に、「南だよ!」と
言うこと。

するとモヤモヤしていた人は、「違うって! 北だよ!」と、それをきっかけ
にして、気持ちを出すことができるはずです。

人間にとって、何よりも作りやすい意見は「反論」です。

これは、先ほどの「マッサージ」などの数倍の威力・即効性を持って、相手の
気持ちを引き出すことになるはずです。



◆ 曲解してでも、出したいです。


特にこの傾向は、モヤモヤが強まっている人ほど、さらに強まります。

お腹に便がたまっていない人は、胃腸に余裕があるため、ある程度の食べ物は
受け入れることができます。

しかし便がたまっている場合、ほんのちょっとした刺激でも、下剤として作用
することがあります。

よく相手の意見を曲解して怒る人がいますが、それもズバリこの理由なのでは
ないかと考えます。



◆ ブログでは、便を出す。


ですので。
僕は、ブログにおける批判コメントなども、それと同じではないかと思います。

たとえば、すごく単純な話。

ある女性が、「男はバカだ」と取れるようなことを書いたとしましょう。

おそらく男性から、かなりの批判コメントが寄せられるはずです。

内容は、こんな感じになるでしょう。

「バカだというお前は何様だ!」
「そうやって男をひとくくりにするな!」

これを書く人は、おそらく普段から、女性に対してストレスをためてきた可能
性があります。

本当は、女性に何かを言い返したい!

でも、それができなかった。
そのためにたまった水を、この「下剤」によって、はき出しているのです。

当然ですが、言葉をはき出すのは、「独り言」では、あまり効果はありません。
誰かに見てもらって、伝えて、はじめて「外に出した」という気持ちになれる
のです。

ですのでブロガーや大勢の人に見てもらえるコメントは、水を出す恰好の場所
になるわけです。



◆ 下剤、その2。


他にも、たとえばある人が、
「俺は偉い。まったくみんなバカで困るぜ」と書いたとしましょう。

これもやはり、たくさんの批判コメントが起こるでしょう。

「ハァ? そういうお前が一番バカだろ?」
「本当に頭のいい人間は、そんなこと言いませんよ」

などでしょうか。

これも同じく、上司や先生など、誰か特定の人に、やはりバカにされたり、軽く扱われた可能性がある人ほど、よく反応するでしょう。

その人に言いたくて、言えなかったストレス。
その水を、ここで出しているのです。

繰り返しになりますが、

「何かの意見を言いたい。ストレスをためている」という人にたいして、
それに反発することを言えば、それが刺激になって、その人はその意見を流す
ようになる、ということ。

すべて、結局は下剤なのですね。



◆ それは実は、快感である。


よって、よくブログや掲示板などで批判コメントを書いている人に対して、

「イヤなら見なきゃいい」

という人がいますが、これは、少し的外れではないかと思います。
悪口を書いている人は、心の底では、決して「イヤ」ではありません。

便、いえ水を出した人は、実はちょっとした快感。
書いた後、少しスッキリするものなのです。

特に、「人を攻撃したい! それによって人より優位に立ちたい!」というのは、人の本能。

そして、
「この人がこんなことを書いているから、俺はしかたなく批判するんだ」
というのは、まさにそれを正当化する理由になります。

悪口。批判。怒り。
これはすべて、「快感」なのです。

本当にショックを感じた人は、何も言えなくなるものです。



◆ でもそれは、一時的。


ただ当然ですが、この「下剤」というのは、一時的な処理に過ぎません。
また、出ると言っても、おそらくそこまでの量は出ないはずです。

食物繊維やマッサージ、もしくは普段の生活改善など、根本的に何かを変えな
いと、またエンドレスで水はたまっていくことでしょう。

自分は、その方が下剤以外に、それを出す方法を見つけられることを願わずに
はいられません。



◆ 怒らせたら、開き直れ。


またこれは、普段の生活でも同じこと。

あなたの発言を、側にいる相手が悪意的に取ったり、曲解したりして、怒るこ
ともあるでしょう。

そのときに後悔して、
「そんなつもりじゃなかった」と言っても、何の意味もありません。

こんな場合は、開き直ってしまいましょう。

「あぁ、私の言葉が下剤になって、今、この人はそのことで気持ちよく便を出
せたんだ」と思うことです。

もし今のあなたの言葉がなかったら、相手はさらに便をためて、いつか体や心
が爆発してしまったかもしれません。

それよりは、今出した方が、ずっとずっとイイのです。
そんな風に考えて、「良かったんだ」と思うことが大切です。


そしてその場では、相手の言いたいことは、すべて言わせてしまうこと。

そして最後に「そっか…。ごめんね」と、一言だけ添えればいいのです。
これはある意味、ウォシュレットのように、気持ちを出したあとの相手をソフ
トに洗い流します。

また人にとって、便のような気持ちを見られるということは、とても恥ずかし
いこと。

そして人は、恥ずかしい面を見せてしまった場合、その相手にさらに強く親近
感を抱くことが知られています。


すなわち。

怒らせたあなたの方が、実は関係的には有利なのです。

もし相手があなたのセリフに本当の意味であきれ、消沈したのなら、黙って去
っていくはず。

怒ったということは、それだけあなたに依存しているということ。
ですので、そんなに心配しなくてもいいんですよ。


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◆ 今回のまとめ
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○ 批判や悪口は、実は快感である。

○ あなたがそう言われたからと言って、決して落ち込む必要はない。
  あなたは、その人の役に、ちゃんと立ったのだから。


これこそがセクシーメソッド『怒りのウォシュレット』!
怒ったとしても、便が出たことこそが、何より重要なんですよ。



◆ さいごに。


というわけで、「ストレスは水」理論。いかがでしたでしょうか。

ですので僕自身、メルマガーとして思います。

あなたが今、多くの人に向けて、文を書く立場の人であっても。
いつか誰かに何かを言う立場だとしても。

どうか、覚えておいてください。

もちろん言葉には気をつけるに越したことはないのですが、それでもどうして
も、誰かの心を刺激してしまうこともあるでしょう。

その結果、批判されることだってあるかもしれません。

しかしそれを恐れて、何も言えなくなることほど、悲しいことはありません。

弱い刺激は下剤にもなりませんが、同時にマッサージにもなりえないのです。
とにかく思うことを、素直に言葉にすることです。


もちろん「マッサージ」になるかと思っていた文が予想外に「下剤」になって
しまったということはショックかもしれません。

しかし、どんな形であれ、その人の水をはき出させ、スッキリさせてあげたの
は事実。そう思うと、少しだけ気持ちが楽になりませんか?


あなたの行動には、ちゃんと意味があったんです。

だから、決して後悔しなくていいんですよ。


(完)