ユウの騎馬戦の思い出。マズローの欲求理論 | 九段下・渋谷・池袋・新宿・品川・上野・秋葉原★心療内科ゆうメンタルクリニック

ユウの騎馬戦の思い出。マズローの欲求理論

こんばんは、ゆうきゆうです。

今回もメルマガから。


ユウの思い出編です。
どうかゆっくりお楽しみください。



◆ マズローから始まる、ユウの思い出。


あなたは、「マズローの5段階欲求理論」というものをご存じでしょうか。


人には、
「生理的欲求」「安全欲求」「親和欲求」「認知欲求」「自己実現欲求」


の5つの欲求があり、これが左から順番に満たされていく、というものです。


すなわち、


「親和欲求」(みんなと同じでありたい。一体感を得たい)

が満たされてはじめて、


「認知欲求」(他の人より優れていたい。勝ちたい)


という欲求を追求しようと思える、というわけです。


それをふまえて、今夜は、こんな話を聞いてください。

これは、僕が小学生のときの話です。

そのとき学校で、運動会があったんですよ。


その学校の運動会では、なぜかすべての種目で、勝負を2回しかやらないんです。


ですので、「勝ち」「負け」以上に「引き分け」が高確率で起こるわけです。

たぶん、子供に勝ち負け以上に大切な何かを学んで欲しい、みたいな話だったと思うんですけど。

でも、子供心に、「それは、おかしいだろ」と。

だったら、そもそも運動会なんて、しなければいいのに。

微妙に短絡的な発想ではあったんですが、小学生の僕はそう思いました。

勝負するからには、勝ち負けがあって当然です。

たぶん今から考えると、そのころからSかMか思考みたいなのができあがっていたと思うんですけど、まぁ、それは今はどうでもいいです。

いずれにしても、ある意味すごく負けず嫌いな子供だったわけです。


さて、そんなこんなで、騎馬戦が始まりました。


騎馬戦って、ご存じの方も多いと思うんですけど。
3人で馬を作って、その上に人が乗るんです。

で、馬が崩れて上の人が落ちるか、または上の帽子が取られるかしたら負け、という。


そして馬は、「前」「右後ろ」「左後ろ」の3人がいます。

で、僕は「前の馬」でした。
自分としては、正直、上の人になりたかったんですが。

それって結構体重の軽いコの役目で。
僕は少し大きな子供で、なおかつ今話したように微妙に負けず嫌いだったので、その性格が買われて、前の馬に。


あの騎馬戦って、どう考えても、前の馬が、一番運動量多いんですよ。
体重が一番かかりますし、くわえて他の馬に直接ぶつかるわけで。


SMでたとえるなら、どう考えてもMみたいな場所です。
乗る子がS。


負けず嫌いの性格によって、もっともMの位置に来たわけです。皮肉です。


それはそれとして。

ついに競技が始まりました。


騎馬戦って、進む方向決めるのは前の馬の役目で、他の人は必然的に、それについていくだけになります。


僕はもう、負けてたまるか! 絶対に勝つ! みたいな気持ちで、とにかく前に向かって走っていきました。

たとえこの馬自体が崩れても、僕が倒れることだけは絶対にない!

そんな心意気で、前に向かって、進んでいったのです。


ただ、前へ!
とにかく、前へ!



そして、です。



あの。
これ、本当に信じられないことなんですけど。


気がつくと、僕、一人でした。



後ろ見ると、誰もいなかったんです。


いつの間にか、ひとりぼっちでした。


気がついたのも、相手チームの馬の人に教えてもらったからで。


「お、おい! お前、ひとり!」


という指摘を受けて、


「…は? 何言ってるの? そんなわけが…(後ろ見て)ホントだーー!」


みたいな。

たぶん、その人もビックリしたと思うんですよ。

騎馬戦なのに、なぜか単独でぶつかってくる人間がいる、みたいな。


僕自身も、驚きでした。
まさに驚天動地でした。

だって馬の構造的に、前の人間が抜けて、形を保っていられるわけ、ありませんから。
どう考えても、上の人、落ちると思うんです。


「たとえこの馬自体が崩れても、僕が倒れることだけは絶対にない!」


と最初誓って、確かにそれは当たったわけですが、まさか崩した張本人が自分になるとは思いもしませんでした。


「将を射んとすれば、まず馬を射よ」ということわざがありますが、まさか馬が自ら自滅する戦いって、ことわざにも想定外だったと思います。


僕は、混戦する中、あわてて残りのメンバーを探します。



どこだ!?
どこだ!?



………。



いました。


そのときの衝撃は、未だに記憶から消えません。






○     ○
|\○―</|
∧     ∧ (等幅フォントでご覧ください)




なんか、救急のタンカみたいになりながら。

上の人の手と足を、残りの2人の馬の子が、上下からこう支えてるんです。

上の子が落ちたら負けなので、かろうじて堪えた結果が、これだったと思うんです。
上の子、この体勢がものすごくキツいらしくて(そりゃそうです)、息も絶え絶え。

普段はさわやかでカッコイイ男の子だったんですが、服もヘソが出るくらいまでめくれて、体もよじれた状態。
普段のかっこよさは見る影もなく、なんか本当の病人みたいでした。



………これが、下克上?



僕は歴史で習いたての言葉を思い出しました。

まぁ、おそらく世界中のどんないい男でも、こんな体勢させられたら、絶対に100%カッコ悪く見えると思います。


その子は、僕を見つけると、こう言いました。


「お、おみゃぇ、にぁぁ~」(訳…お前なぁ)


本当に微妙な裏声を出しながら。
その姿を見ると、自分の心が、罪悪感でいっぱいになりました。(←遅いよ)


馬の人たちも、すごく白い目でこちらを見ています。

そのときの、凍りそうな空気。
バナナでクギが打てそうでした。


ユウ「………」

みんな「………」


僕は、かろうじて言いました。


ユウ「………ぼく、どこ持てばいい?」


みんな、返事はしてくれませんでした。


結果的に騎馬戦は「引き分け」に終わったんですけど、
「あぁ、本当にもう、引き分けでいい。みんな仲良くいよう」と思いました。

まさに生まれて初めて、「親和欲求」というものを痛感した自分でした。
もう、「認知欲求」、本当にどうでもいい。

まさにマズローの理論通りの小学生だったと思います。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 今回のまとめ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――

○ マズローの5段階欲求理論によると、人は「親和欲求」が満たされてはじ
めて、「認知欲求」を満たそうとするもの。

○ 人は不安になると、正直、勝ち負けはどうでもよくなる。

○ そんなこんなで、いまの僕がいます。


10年以上たった今でも、あのできごとだけは、鮮明に覚えています。
みんな、元気にしてるかなぁ。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。


(完)




セクシー心理学GOLDでは、「心理学的に最高の受験術」を扱っています。
過去のバックナンバープレゼントもありますので、ぜひぜひご覧くださいね。

⇒ http://sinri.net/gold.htm

電車の中でもセクシーに! 携帯サイトはこちら!

⇒ http://fp-japan.com/sx/

サイトはこちらです! ⇒  http://sinri.net/