四字熟語テストはなぜ当たる? 心理テストの意義
こんばんは。ゆうきゆうです。
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ウラ話はこちら から。
◆ 突然の四字熟語。
最近、同僚の女医さんに、こんな心理テストを教えてもらいました。
「四字熟語」を、「3つ」思い浮かべてください。
何でも構いません。
ちなみに漢字が4つつながったのが四字熟語です。
「マルシア」や「NASA」みたいなのは、漢字でないからダメです。
とにかく「3つ」です。
3つ、思い浮かべましたか?
思い浮かべたら、スクロールを。
いいですか?
それは、1番目から順に、
「あなたの人生観」
「あなたの恋愛観」
「死ぬ直前に、あなたの人生を振り返った感想」
です。
ちなみに僕は、
「弱肉強食」
「孤軍奮闘」
「朝三暮四」
でした。
1番目はなかなか分かりやすい。
無意識にハードな人生を考えてしまうのでしょうか。
恋愛的に、一人なんですか。戦ってるんですか。
3番目はなかなか含蓄ぶかい答えだと思います。
何を選んでも変わらなかったなぁ…。みたいに死ぬんでしょうか。
あーブルー。
あなたの答えはいかがでしたか?
◆ なぜ、この心理テストは有名なの?
しかしこのテスト、心理学的・精神医学的に、明確な根拠が分かりません。
何で「最初が人生観」、「次が恋愛観」なんでしょうか。
しかし、この四字熟語の心理テスト。
実際にネットで検索してみると、かなり多くの方が知っているようです。
それだけ流行しているからには、やはり「理由」があるはず。
それはいったいなぜなのでしょうか?
今回は、それについて考えてみましょう。
◆ 心理テストは、何のため?
実は心理テストは、「正解をピタリと当てるため」に、やっているのではないのです。
なぜなら心自体、明確な答えがないものだからです。
これは「占い」も同じこと。
たとえば占いが「なぜ当たっているの? どうしてそれが正しいと言えるの?」
ということを明確に説明できるわけではありませんよね。
「四柱推命に基づいて」とか「中国での研究に基づいて」とか「細木数子が言っていたから」と言われると、
そのネームバリューから微妙に納得してしまいますが、
それらがどうして正しいかの明確な根拠はありません。
しかし人は占いを求め、そして心理テストをついやってしまいます。
この理由はシンプル。
それを「肴(サカナ)」にしているだけなのです。
実際に、「あなたはどんな人ですか?」と言われて、ハッキリと答えられる人はいません。
誰もが「自分ってどんな人間なんだろう」という不安を常に抱えています。
人が仕事や恋愛にチャレンジしたがるのも、ある意味「自分の評価」を無意識に知りたいからです。
逆にずっと家にいる専業主婦などが退屈に感じることもありますが、それは「自分を知る手がかりがない」から。
そうです。
占いや心理テストが、実際に当たっているかどうかは問題ではありません。
それを通して、「そういえば、こんな面もあるかなぁ…」というように、自分
自身のことに思いをはせ、考え、気づくことが重要なのです。
◆ ただ、心理テストは遊ぶため。
心理テストは、一瞬で正解を出す電卓ではありません。
もしそれが一人でやるテストなら、それは自分自身の心との「遊び場」。
一緒に遊ぶことで、「自分自身」という存在について、色々な面が分かってくる。
そして何より、それが自分にとって安らぎ、楽しい。
それこそが、こういう心理テストの役割なのです。
◆ 基本的に皮肉である。
では、この「四字熟語の心理テスト」は、どうでしょうか。
実際に四字熟語は、ほとんどが、中国の故事が由来です。
そして、総じてやや皮肉っぽく、マイナスの意味をよく含んでいます。
八方美人
孤軍奮闘
五里霧中
七転八倒
などですね。
実際に中国の故事は、ほぼすべてが
「思い上がるな。自分を戒めろ」
という教訓で構成されていることが多いもの。
ちょっと皮肉っぽいのは当然かもしれません。
また人は、プラスの思考よりも、マイナスの思考の方が、すぐに浮かびやすいもの。
ですのでなおさら、「3つ」で浮かぶ四字熟語は、マイナスなものが多いのではないでしょうか。
さらに「それが人生観! 恋愛観! 最後の思い出!」と言われたらどうでしょう。
そもそもの思考がマイナスのことが多いため、より「当たってる!」と感じるのではないでしょうか。
さらに心理学には「バーナム効果」というものがあります。
あいまいなことを言われると、人はつい無意識に自分の状況を重ね合わせて、
「あ、当たってる…」と思ってしまうものです。
特に四字熟語なんて、そもそもあいまいなもの。
逆に、『楽天大変』『阪神残念』など、一部の人の一部の状況のみを限定して表現するような四字熟語があったとしても、おそらくその言葉が永遠に残ることはないでしょう。
あいまいで、多くの人が気持ちを重ねられるからこそ、四字熟語として成立しているわけです。
たとえば「孤軍奮闘」という言葉を聞いて、
「俺は今までに孤軍奮闘だったことは、一度もなかったよ!」
なんて言える人が、果たしているでしょうか。
おそらく誰もが、それに当てはまる経験が、どこかにあるはずです。
◆ 強いて根拠をあげるなら。
もちろん「人生観」や「恋愛観」という決めつけに、根拠が完全にないとは言えません。
たとえば心理学では「マズローの欲求段階理論」というものがありますが、
それによると、人は「まず自分の生命を一番に考え」、
そして「そのあとに人との結びつきを考える」と言われています。
すなわち、最初が「人生観」、次に思いつくのが「恋愛観」というのも、ある意味納得できます。
また齋藤孝先生でもない限り、四字熟語がすぐにポンポン思いつく人はいないはず。
2個で出し切ってしまったあとに、3番目を考えるのは、結構大変なはずです。
すなわち、「人生で色々と出し切った、最後のときの思い」と、通じるものがあるのでは…と考えられないこともないかもしれません。
◆ 四字熟語は、心理テスト合格?
いずれにしても、四字熟語は「皮肉っぽく、マイナスのものが多い」。
くわえて「あいまい」。
だからこそ、人はこの心理テストを通して、
「あ、当たってる…」と思ったり、またそれを通して、
「そういえば、そんなこともあったなぁ…」
「そんな人生を望んでいるのかもしれないなぁ…」
なんて風に、自分の心理について思いをはせるわけです。
心理テストとしては、十分な出来ではないでしょうか。
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◆ 今回のまとめ
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○ 心理テストは、「正解どうか」に意味がない。
○ それを通じて、自分の気持ちと「遊び」、少しでも分かった気持ちになることが大切。
◆ さいごに。
というわけで、今回の話は終わりなのですが。
純粋に興味がありまして。マヤ・リオ先生にもこのテストを出してみました。
ユウ「四字熟語を3つ考えてください」
マヤ「天上天下唯我独尊、とか?」
それは八字な上に、なんか違います。
ユウ「いや、3つの『四字熟語』です」
マヤ「なにゆえに?」
ユウ「お願いいたします」
マヤ「………はい………考えたわよ………」
ユウ「さ、最初は何ですか?」
マヤ「『美人薄命』」
このときの衝撃は、どう表現すればいいのでしょうか。
人生観は、美人薄命。
ていうか私は美人だ、と。
言い切られました。とにかく言い切られました。素敵です。
ユウ「…2番目は…?」
マヤ「『虎視眈々』」
ねらってるんですね。
とにかく、ねらってるんですね。
僕はそれ以上突っ込むことができず、最後の言葉を聞きました。
ユウ「あの、最後は」
マヤ「『不老不死』」
あの、「薄命」じゃなかったんですか。
いったいどのくらい生き残るつもりなんですか。
僕は心からそう思いました。
くわえて、自称「日本で一番モテる精神科医」リオ先生にもやってみました。
ユウ「最初の四字熟語は?」
リオ「『自画自賛』」
あぁ。もうホント、先生って恐ろしいほど裏切らない。
気持ちいいほど予想通りです。
自分で自分を誉めてあげる人生。周囲は何も気にしない。最強です。
ユウ「2番目は…?」
リオ「『千差万別』」
あぁ、女性は一人一人、違いますよね。ってウォイ!
本当にこんな恋愛観でいいんでしょうか。
あまりに当たりすぎて怖いです。
ユウ「…さ、最後のは…?」
リオ「『日刊現代』」
それ、スポーツ新聞の名前ですよね。日刊ゲンダイですよね。
お父さんが電車の中で読んでるアレですよね。
最後に振り返った人生が、そんなんで本当にいいんですか。
マヤ・リオ先生の心理に一歩近づいたと同時に、それが数万歩以上の距離にあ
ることをあらためて思い知った、秋の日のユウでした。
みなさまここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)
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そして、今回のウラ話です。
ちなみに心理テストは、学術的なものであっても、やはり根本的には変わりません。
「正解がどう」ではなく、それを通して相手の心理を探っていく、一つの「足場」に過ぎないのです。
実際に有名な心理テストに、ご存じ「ロールシャッハテスト」というものがあります。
しかしこのテストも、たとえばある患者さんにやらせた結果を、3人の分析家に送って判断させたところ、3人とも別な分析をした、ということもあったようです。
「本当かどうか」「真実かどうか」
よりも、とにかくそれを足場にして、相手そのものを見ることが大切。
間違っても、あなたの恋人にこれをやったとして、それこそ恋愛観が「一石二鳥」や「一挙両得」だったからといって、それだけで怒るのはやめてあげましょう。はい。
ちなみにリオ先生の話には続きがあります。
ユウ「色々とありがとうございました」
リオ「あ、あともう一つ思いついたんだが」
ユウ「それはまた、今度という…」
リオ「『井上和香』」
盲点でした。
確かに四字熟語です。
そんなんで良ければ、僕も『小倉優子』とか『熊田曜子』とか言います。
でも、『樹木希林』とかはカンベンしてください。
『上戸彩』とかは三字熟語なので残念です。
そんなことを考えつつ、今日も生きる僕でした。
みなさまここまで遊びに来てくださって、本当にありがとうございました。
今回のご感想、「私の考えた四字熟語はこうだった!」というのがありました
ら、コメントで書いていただければ嬉しいです。
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ご感想などありましたら、わくわくっとお待ちしております!
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今回のコラムには、
http://coolsummer.typepad.com/kotori/2005/09/post_28.html
http://tenukimichi.com/blog/archives/2005/09/
なども参考にさせていただきました。
本当にありがとうございました。
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