Facebook投稿記事より64ーハリー・ウィンストンが宝石部門をスウォッチに売却 | 蓮華 with にゃんこ達

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専ら、マーケットや国内外の政治経済ネタが多くなってしまいました。
母と愛しい我が子達を護りつつ日々闘う中で思う事をアップしていきます。

http://www.bloomberg.com/news/2013-01-14/swatch-buys-harry-winston-watch-brand-for-1-billion.html

ハリー・ウィンストンが宝石部門をスウォッチに売却したという記事。金額は7億5000万ドル+負債が2億5000万ドルなので、合計10億ドルとの事。これは、EBITDAの23倍です。かなりお高いです。
元々ハリー・ウィンストンはこの宝石事業を2004年と2006年に2.94億ドルで買収していたそう。

宝石という高級部門を売却した後、同社は利益率の高い鉱山事業に特化する予定で、同部門はドミニオン・ダイヤモンド・コーポレーションという名称に改められるそうです。スウォッチも、ドミニオン社とはダイヤモンドの調達で連携するとの事。また、ダイヤモンド研磨事業では両社でJV設立検討するとしています。

ハリー・ウィンストンがRio Tintoと共同で4割所有しているダイヤモンド鉱山、カナダのDiavik鉱山については、Rio Tintoから持ち分を取得する事も検討中とか。昨年既にBHPビリトンからEkati鉱山も取得していますから、昨年から噂があったのは、やはり着々と布石を打ってきていたからな訳で。

以下は、添付記事とは別のリサーチですが、スイス時計産業は引き続き好調です。特に単価の高い時計、輸出値で200フラン(小売で5万円)以上の時計が売れているそうです。200~500フラン(小売で5万円~13万円)が10%増ですが、何と100万円以上がさらに21.5%のプラスだったとの事。

地域としては、米国と香港向けが強く、欧州や中国も一時落ちていたのが復調傾向、意外にもシンガポールは最下位と聞きます。

スイスで実施されたアンケート、10名以上の従業員がいる280社対象の調査によれば、企業の発展の為に、どんな職種が今後5年間に必要かという問いに対し、
①精密機械工(マイクロメカニシアン)、②組立工、③文字盤製造工、④外装仕上げ工(彫刻装飾などを含む)、⑤精密技術の設計・製造工
という結果で、具体的に5年間で約3200人の、『即戦力となる』職工が必要とされていたそうです。

その内2000名は、各社内で訓練中で補充可能、残り1200名を補うのが外部公的機関の仕事だそうで、日本では専門の大学や高校を出ても直ぐに役立たず、社内で2~3年は職工としての教育を施す必要があるというのが常識ですが、徒弟制度本場のスイスでは、社内で育つのが4分の1で、後は、即戦力になる学校出身者、もしくは資格保持者らしいです。何にしても今後既に10%近くの人員増が計画されている安定成長業種な訳ですね。

そんな中で好調なスウォッチ側も、同社のスケールメリットを活かした戦略で、EBITDA23倍も充分見合うと非常に強気で、株価もまずまず好感しているようです。

スウォッチは、既にジャケ・ドローという機械式時計の名門を傘下に持っているんですが、それでもハリー・ウィンストンと聞くと・・・銀座にユニクロが出来た時のような微妙な違和感を感じてしまうのは私だけですかね?