リコリスの花芽形成時期については葉が枯れた4月下旬以降に始まるという研究結果が出ているのですが、ネリネについても同じだろうかと文献を探していたがなかなかみつからなかった .

 

先日東京農大の今西英雄博士の書かれた農文協発行「球根類の開花調節」を見ていてネリネに関する記事を見つけた。

大変興味深い記事であるのでここに記しておきます

 

それによるとネリネの花芽分芽時期は定まっておらず、一定枚数の葉を形成する毎に茎頂が花芽になる習性がある。この枚数は種或いは品種によって異なるが多くの場合は、5〜7枚である。

茎頂が花芽になると最上位葉の脇部に新しい成長点を生じて仮軸分枝する。(図16-1)

普通1年間に分化する枚数もほぼこれに類似しており、約1年に1回花芽が形成される事になる。

 

花芽分化開始後の花器の形成および発育の速度は遅く、1年後に

雄蕊形成期〜花被形成期に達し、2年後にやっと開花する。

したがって、開花可能に大きさに発育した鱗茎では、どの時期においても内部に発育の異なる花序を1〜2個備えている。

 

以上の様にリコリスとはだいぶ異なった生育過程を示す様です。

ネリネの原生土壌は殆ど窒素分のない(1%程)砂礫、岩石だと言われます。肥料は殆どいらないと言われる所以ですが、リン酸、カリ中心の肥料は休眠期を除く年間を通じて少しずつ与える必要がある様です。