
あたしも、ばぁちゃん子だったの

両親が共働きで三交代してたから、
月の半分は、ばぁちゃんと過ごした幼少期・・・
一緒にテレビ観たり、
一緒にご飯食べたり、
一緒に畑に行ったり、
一緒に団子作ったり、
一緒に銭湯に行ったり、
そんな、ばぁちゃんも数年前から認知が進み
施設に入ってる・・・

お盆に帰省した時、
『最初で最後になるかも・・・』と
家族4人で逢いに行ったの

『多分、ゆき達のことは分からんと思う』って
親は言うケド、そんな訳ないって思ってた。
あたしも弟もばぁちゃんに育ててもらったし
一緒に過ごした時間はとても長くて、
数えきれないたくさんの思い出もあって・・・
ばぁちゃんが覚えてない訳ないぢゃんって・・・

心のどこかに自信と期待があった。
『ばぁちゃん、来たよー』って
勢いよく開けた扉の向こうには
ベッドに横になったばぁちゃん。
想像以上にやせ細り小っちゃくなって
まるで・・・別人。
逢わずにいた時の長さを感じた

美味しそうにスイカ

ケラケラ笑うばぁちゃん。
時折見せる笑顔はあたしの知ってるばぁちゃん。
『ばぁちゃん、分かる??』
・・・・。
その瞬間、あたしの淡い期待は覆された。
『兄ちゃんも、姉ちゃんも分からんたい、
ごめんねぇ・・・』
目にはうっすら涙が浮かんでた

言葉にならないくらい
悲しかった・・・。
ばぁちゃんが覚えてなかったことに対してぢゃなく
こうなる前に逢いに行ってあげられなかった自分が
とても悲しかった・・・。
誤るのはあたしの方だよ
ごめんね、ばぁちゃん。
トイレの神様に重ねて思う・・・。
ばぁちゃんにとってあたしは良い孫だった??
まだまだばぁちゃん孝行出来てないよ・・・。
ちゃんとありがとうも伝えてないよ・・・。
お正月にまた逢いに行くその時まで・・・。
それからも・・・ずっとずっと長生きしてね
