【詩】一筋の涙が流れる | 跡地~想い出のブログ

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2011年5月から2012年9月までの想い出です



希望なんてものが
見当たらないのに
希望なんてものを
探しても仕方ない


誰の心のなかにも
希望なんてありはしない
だからこんな夜は静かに
闇の淵に身を寄せよう


誰かの優しい言葉も
心に響かないなら
誰かの優しい言葉を
受け入れても仕方ない


なにも入らないんだ
心が拒み続ける
だからこんな夜は静かに
闇の淵に身を寄せよう


誰かが「孤独」と呼び
誰かが「絶望」と名付けた
嗚呼 確かに闇の向こう
ぼんやりと「死」が見える


だけど僕は知っている
あそこに行く必要もない
今はただ心のままに
傍で風を感じたいだけ


なにかにすがりたい気持ち
無理に自分を偽る気持ち
そんな嘘が闇のなかで
静かに溶けていく


心が孤独に満たされ
心が絶望になるとき
ふと顔を上げれば
不思議と涙が流れる


一筋の涙が流れる




恋愛小説『初恋リセット』