初恋リセットAS(143) | 跡地~想い出のブログ

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2011年5月から2012年9月までの想い出です

恋愛小説『初恋リセット』




「ごめんなさい・・」

俺の腕の中で、あきねの小さな声が聞こえた

「なんで、謝るの?」

「もう好きになってます・・・」

「・・・」

「ごめんなさい・・も、もう、好きになってますから・・・」

あきねの身体が悲しいくらい震え始めた

俺はなにも言わず、そっとあきねを包み込んだ

「はぁ・・・はぁ・・・」

自分の感情を言葉にしたせいだろうか、あきねが小さな溜息を何度も繰り返す

俺はあきねが泣き止むのを、ただ静かに待っていた

真夜中の街

人通りはほとんどない

時折、車が俺たちの横を、寂しそうに通り過ぎていくだけだ

上からあきねを見つめた

俺の胸に顔を押し当てて、まだあきねは泣いていた

あきねの肩にそっと手を当てて、少しだけあきねを引き離した

泣いている顔を見られたくないのか、あきねは強く目を瞑ったままだった

俺は少ししゃがんで、あきねに目線を合わせた

「こっち見てよ」

「だって・・だって・・・」

そっとあきねの唇に、自分の唇を被せた

あきねの腕が俺の首に絡まってきた

「・・ん・・・・ん・・・・・」

泣き声のような、少し高いあきねの声が漏れる

初めて触れ合った唇

そして、初めて通い合った心

俺がゆっくり唇を離すと、いっぱい泣いてしまったあきね

ありのままのあきねがそこにいた




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[登場人物]