初恋リセットAS(139) | 跡地~想い出のブログ

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2011年5月から2012年9月までの想い出です

恋愛小説『初恋リセット』





「来た来た」

ファミレスであきねの目の前に、かきあげうどんとまぐろ丼のセットメニューが並んだ

「結構、食べるんだね」

「うん、だっておなかすいたもん」

「さっき、ちょっとって言わなかったっけ?」

「ここまで歩いてくる間におなかすいたの!」

「そうなんだ」

俺が可笑しくなって、くすくす笑うと、あきねも照れたように笑った

(あれ?少し反応が変わったな。素直に笑い返すようになってる・・)

そんなあきねの小さな変化が、かわいくてたまらなかった

食事が済んで壁の時計を見ると、もう夜中の1時を回っていた

「みちあき、明日学校大丈夫なの?」

「明日はばっくれる」

「大丈夫?受験生なんでしょ?」

「いい、俺が決めたからいいんだ。今の俺にこの時間より大切な時間はない!」

そう言うと、あきねが少し心配そうな顔をした

「言っとくけど、あたしたち、ただの友だちだからね」

「はいはい」

俺はわざと、仕方ないな~、という感じでおどけてみせた

「でもホントは、俺あきねにすっげ~感謝してる」

「なんで?」

「前に事務所であきねに『元気ないね』って言われたじゃん?」

「う、うん」

「格好悪い話だけど、俺フラれたばっかで」

「そ、そうなんだ・・・」

「でも、あきねの歌聴いて、一気に元気になった・・」

「・・・」

そう言うとあきねは、うれしそうに笑っていた

でもしばらくして、なにか思い返したように俺を睨んでくる

「お前さぁ、次から次へと女、取っ換えてんじゃね~の?」

「それは違うんだな」

「そうなの?」

「うん、俺はその人が初めて。生まれて初めて好きになった人」

「そ、そうなんだ」

「すごく心の優しい人で、大好きだったんだ。でも、今振り返ると恋愛感情じゃなかったのかもしれない・・」

「なんで?」

「好きって、どういうことか、やっとわかった気がするから」

俺はそう言って、あきねの目を見つめた

「あ、あの、何度も聞いて悪いんだけど。そ、その、あたしたち友だちだよね?」

「うん、そうだよ」

「そ、それならいいんだけど・・」




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