初恋リセットAS(77) | 跡地~想い出のブログ

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2011年5月から2012年9月までの想い出です

恋愛小説『初恋リセット』




「ゆいさん、聞いて」

今なら言葉がすんなり、ゆいさんに入っていく気がした

いつのまにか、そんな空気になっていた

「俺はゆいさんに感謝しているんだ」

そう話す俺の顔をゆいさんが不安な顔で見つめる

ゆいさんの不安も、自分の不安も今ならわかる気がした

この関係を繋げていくのも、ここで終わらせるのも自分次第のような気がした

「前にゆいさんに言ったじゃない?ゆいさんを守れるくらい強くなりたいって」

「うん」

「あの言葉に嘘はないんだよ」

「ホント?」

「うん、ホント。俺、アフィリエイトシステムを開発してたときさ」

「・・・」

「寂しさに押しつぶされそうだったんだ」

「・・・」

「そんなとき、毎晩ゆいさんメールくれて。うれしくて何度も何度も読み返したよ」

「そうなの?」

「うん、あのゆいさんの優しさがあったから、俺は最後までやれたんだよ」

「・・・」

「じゃなかったら、途中でダメになってたと思う」

俺は言葉をひとつひとつ噛みしめるように言った

「俺が好きなのは、そんなゆいさんなんだ・・」

「うん・・・」

「ねぇ、ゆいさん」

「ん?」

「セックスって気持ちいいね」

「え?」

俺がそう言うと、ゆいさんは少し慌てたような顔をした

「気持ちいいよね?」

「・・・う、うん」

「俺、気持ちよすぎて、ずっとおかしくなってた。それがゆいさんを愛することだって、勘違いしちゃってたよ」

「・・・」

「ゆいさんは、違うの?」

「え?」

「俺は今ゆいさんがセックスできるたったひとりの男だよね?」

「・・・」

「でも、それだけ?俺ってそれだけなの?」

「ち、違うわよ」

「じゃ、ゆいさんは俺のどこが好き?どんなとこが好き?」

ゆいさんを責めるつもりはなかった

でも、もうここを避けて先には進めないこともわかってた

俺は静かにゆいさんの答えを待っていた



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[登場人物]