初恋リセットAS(57) | 跡地~想い出のブログ

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2011年5月から2012年9月までの想い出です

恋愛小説『初恋リセット』




「実は昨日営業会議をやったんだが・・」

「それで?」

「これ以上、営業を続けるのは効率が悪いという結果が出てな・・」

「それで?」

「なにか他のサービスを売るとき、ついでにクライアントに見せるくらいしか、これからはできない」

山田社長は少しバツが悪そうにそう言った

「ありがとうございました」

「・・・」

「社長からは最初から目標販売本数は10本だって伺ってました。今9本ですから、ほぼ予定通りですよね」

「まぁ、そうなんだが・・」

「僕が文句を言える筋合いじゃないです」

俺がそう言うと、しばらく時間をおいて山田社長が言った

「川田君、大人になったな」

「社長のおかげですよ」

これは本音だった

「ただ、悪い話ばかりでもない」

「え?」

「川田君の実力はこれでよくわかった。君に別に頼みたい仕事がある。受けてくれるか?」

「まぁ、話の内容によりますけど」

「そ、それはそうだな」

俺がもっと喜ぶと思ったんだろう

山田社長は少しがっかりしたように返事をした

「システム開発の細かい内容は水崎さんに伝えてある。それを聞いてから返事をしてくれ」

「わかりました」

俺はそう言って、あっさりと電話を切った

(仕事で今、ゆいさんに会いたくないなぁ・・まぁ、贅沢も言ってらんないけど)

そんなことをぼんやり考えているとき、携帯の着信音が鳴った

及川だ

そのとき、俺の顔は笑っていた

本心がこう言っている

俺が仕事がしたい相手は山田社長じゃない

こいつだ!


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[登場人物]