人気アイドル集団、AKB48の前田敦子(20)が25日、さいたまスーパーアリーナで行われた3夜連続の最終公演でAKBからの卒業を電撃発表した。卒業は前田自らの決断で、「20歳の夢に向かって歩き出さなければと思いました」と泣きながら独り立ちを報告。卒業時期や今後については未定という。この日は6月6日に「AKB48 27thシングル選抜総選挙」の開催も発表。前田不在の“戦国総選挙”となる可能性もありそうだ。

 国民的アイドルグループの“不動のエース”が自ら卒業を決断した。

 アンコールのMCで、前田は突然、マイクを握り「14歳のとき、AKB48のオーディションを受けたのは人生で初めての大きな決断でした。そして、きょうここで2回目の大きな決断をさせてください」と切り出した。

 震える肩を高橋みなみ(20)に支えられながら、前田の口から飛び出した言葉は、「私、前田敦子はAKB48を卒業します」-。その瞬間2万5000人のファンから悲鳴と驚きがとどろいた。

 続けて、AKBの初期メンバーとしてずっと目指してきた東京ドーム公演が決まったことを振り返り、「夢が叶ったと、とても感動しました。でも、それとともに20歳の夢に向かって歩き出さなければと改めて思うことができました」と胸の内を吐露。「不安でいっぱいです。でも、たくさんいる後輩のためにも私が卒業して、歩き出さなければいけないと、そう思いました」と葛藤の末の決断だったことを明かし、25秒間にわたる深いお辞儀で支えてくれたファンに感謝した。

 メンバーも知らなかった電撃発表。唯一、昨年食事をした際に打ち明けられたという高橋は「敦子は一時の感情で言っているわけではないことを分かってほしい。たくさん考えた上での決断です」と前田の気持ちを代弁。「本当は辞めてほしくない」と本音を漏らしつつも、最後は「たくさんのいろんなものを背負ってきた敦子を温かく見送ってほしい。涙で終わるわけにはいきません」と音頭を取り、「会いたかった」を涙で大合唱だ。

 卒業時期など詳細は決まっていないが、最後はエースの卒業にふさわしく、念願の東京ドーム公演(開催時期未定)で華々しく送り出す可能性もありそう。

 前田は昨年6月公開の初主演映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」など女優としても活躍。同月、「Flower」でソロデビューも果たしており、今後どんな道を進むのかも目が離せない。

 また、前田の突然の卒業に伴い、注目されるのが6月6日に東京・日本武道館で行われる「選抜総選挙」の行方。5月23日に発売される通算26枚目のシングル「真夏のSounds good!」についた投票券の最多獲得者が、27枚目のシングルのセンターポジションを手に入れる。

 第1、3回とセンターを勝ち取った前田が参加となれば、ぶっちぎりの1位が予想されるが、もし不在となれば一転、大混戦は必至。第2回覇者の大島優子(23)が返り咲くのか、それとも思わぬ伏兵が現れるか、本命が消えた総選挙もガ然盛り上がるに違いない。