前の夫に言われた
「お前の作るめしはまずいんだよ!」
「二度と食うか!」


離婚する1年半くらい前のことだっけ

ご飯を作るのが嫌いになった
ご飯を作るのが嫌で嫌で子供達を連れては外食した

前の夫が「接待」を理由に家でご飯を食べなくなって最初はそれがストレスだったけどそのうちに夕方「今日夕飯いらない」という電話が待ち遠しくなった

夕飯を作らなくていいなら家に帰らなくてもいいんだ
夕飯を作らなくていいならどこで何をして何を食べていてもいいんだ

家に帰るのがいやだった
ご飯を作るのがいやだった

前の夫は外食が多かった
前の夫の実家は「外食産業と同じような味」だった
私は前の夫の口に合う料理が作れなかった

私の実家は薄味だ
食事の塩分とカロリー制限のある父がいた
2種類の味付けをした物をつくるのではなくて
味が無いと食べるのがイヤだという父のために料理が薄味だった
薄い味付けで(父の食事制限からみると濃い味付けだろうが)みんなが食事をしていた
でも、ちゃんと味はしたし、それで私は美味しかった

家を出て料理をすると、男の人は「味がない」という
ないわけないんだけど、なく感じるらしい
前の夫もそうだった
味付けを濃くしよう濃くしようと努力した
調味料のバランスがとれなくて自分で食べても美味しくなかった
はっきり言って確かにまずい

「味がない」「薄い」
家で前の夫に言われたまに実家に帰って料理をすると
「何これしょっぱいね」「なんだよこの味」
と家族に言われた

料理をするのが好きだったのに自信がなくなっていった
料理なんてしたくなかった
料理が大嫌いになった

今の夫はそんな私に料理の楽しさを思い出させてくれた
何を作っても「美味しい」と言ってくれた
「まずい」とか「こんなの食べられない」とか絶対に言わない
好みと違えば「もう少し○○の方が俺は好きだな」っていう言い方をしてくれた
今まで食べたことのない物を私がつくれば「何?これ?へぇ」って
食わず嫌いすることなく興味を持って食べてくれた
だから私はまた料理をすることができるようになったんだ



この家での料理は今まで以上に濃いめに作っている
でも、義父や義母には薄いらしい
義母は最初、薄目に作ろうとしてくれていた
でも、向こうもストレスか最近はどんどん味が濃くなっている

一昨日の夕飯のお鍋
「薄味にしたから」
そう言っていたけどしょっぱくて食べられなかった
昨日のおみそ汁はダシの味も具の味もしなくて本当に「みそ汁」だった
魚の煮物はもう私には醤油のかたまりにしか見えない
そして子供達はそんな料理を普通に食べる
当たり前のように食べる

子供が食べるのを見たくない

自分の味覚で育てられないのがこんなに苦痛だなんて思わなかった

妥協点があるかと最初は思った
少し向こうが薄味 こっちが濃いめ それでいいと思った
義父の嫌いな、私が大好きなごま油を使わないようにすればいいと思った
義父のために和食中心にすればいいと思った

でも
今はそんなことでは妥協点が見あたらない

醤油が減っていくのを見るのが苦痛だ
なんでまだ2月の半ばなのに、もうすぐ今年に入って4本目の醤油がなくなるんだろう?それは普通?使いすぎではなく?醤油ってそんなに早くなくなるものなの?

どうして義母は料理をするのに「酒と醤油」で「砂糖や塩」はほとんど使わないんだろう?だから醤油の味しかしないのに。。。

ご飯が苦痛
料理が苦痛
作ってもらったのを食べるのが苦痛
子供達が食べるのを見ても苦痛

これじゃ前の結婚生活がフラッシュバックして当たり前かもしれない

食生活は基本?
だったら基本が苦痛になったらどうすればいい?

旅行から帰ってから私はおかしい
ちょっとしたことで夫にわめきちらす
泣き叫ぶ

昔、前の夫と離婚する前に
やっぱり精神が不安定になって心療内科に通っていたけど
なんだか今の自分がその頃の自分に近い気がする

引っ越してきたのは間違いだったんだろうか
ご飯の味
それがここまで義両親とかけはなれてるなんて
それがここまで影響するなんて同居するまでは思いもしなかった
同居する前に週に何度も遊びに来てご飯を食べていたけど、その時はここまでかけ離れる日が来るなんて気づかなかった。。。