「後の人」は万葉集の編者の(家持)、「追同」は(唱和)。
ひさかたの雨も降らぬか雨障み君にたぐひてこの日暮らさむ(巻4 520)
雨でも降ってくれないかなあ(そうしたら)雨に降り込められるのを口実にあなたのおそばで今日の一日を過ごしたい
「たぐ(比・類・副)ふ」は(いっしょにいる、並ぶ、連れ立つ)。
「後の人」は万葉集の編者の(家持)、「追同」は(唱和)。
ひさかたの雨も降らぬか雨障み君にたぐひてこの日暮らさむ(巻4 520)
雨でも降ってくれないかなあ(そうしたら)雨に降り込められるのを口実にあなたのおそばで今日の一日を過ごしたい
「たぐ(比・類・副)ふ」は(いっしょにいる、並ぶ、連れ立つ)。
大伴女郎が歌一首 今城王が母なり。今城王は後に大原真人の氏を賜はる
脚注によると「大伴女郎」は後に旅人の妻となり筑紫で他界した女性らしい。
雨障み常する君はひさかたの昨夜(きぞ)の夜の雨に懲りにけむかも(巻4 519)
雨を嫌って家に籠るのを常とするあなたのことだから昨夜の雨に懲りてしまわれたのではありませんか
「雨障(あまつつ)み」は「雨障(あまさは)り」とも言う、(雨に降られて、家に閉じこもること)。「ひさかたの」は(天・雨・空・月・星・光など)天空に関係する語の枕詞。「けむ」は(過去推量)の助動詞。
石川郎女(いらつめ)は「大伴安麻呂」の妻、「坂上郎女」の母。「大刀自(おほとじ)」の「大」は接頭語、「刀自」は(宮廷に仕える女性の称号、天皇に仕える女性のうち妃の下位の夫人)。
春日野の山辺の道を恐りなく通ひし君が見えぬころかも(巻4 518)
春日野の山沿いの(神の)道を恐れることなく通って来たあなたがこの頃はお見えになりませんね
大納言兼大将軍大伴卿(まへつきみ)は、「大伴旅人」の父である「大伴安麻呂」
神木にも手は触るといふをうつたへに人妻といへば触れぬものかも(巻4 517)
神の降臨する木にも手は触れるというのに殊更に人妻というだけで触れてはいけないのだろうか
「うつたへに」は打消や反語表現を伴ってそれを強める、(殊更に、まるっきり、むやみに)。
我が持てる三相(みつあひ)に搓(よ)れる糸もちて付けてましもの今ぞ悔しき(巻4 516)
私の持っている三本搓りの強い糸でしっかり紐を付けておけば良かったのに、今となっては残念です
脚注によれば、当時は双子糸(二相)が普通だったそうです。「まし」は(反実仮想)。前歌の諧謔(からかい)に諧謔で答えた歌。