一般質問の報告の続き、新湾岸道路についてです。この間、新湾岸道路に関するパネル展や対話形式の説明会(オープンハウス)が実施されてきました。説明では渋滞解消や経済発展を掲げていますが、どのような効果があるのかも明確なものは示されておらず、日本共産党千葉市議団としては議会の質問で、これだけ物価高騰が市民生活に影響している中で、市民生活と福祉を向上、水道・下水道の老朽化対策こそ優先すべきと求め、道路建設に反対の立場を表明してきました。
今議会も代表質問や一般質問で取り上げましたので、ご報告します。以下、主な質問と答弁の概要です。
【佐々木ゆうき】
市民要望アンケートでは新湾岸道路について「ご存じですか?」と回答を求めたところ、4割以上の方が「知らない」と回答しています。まだ、新湾岸道路のことが知られていないことについて千葉市としてどう評価していますか。
【建設局長】
新湾岸道路は、本市にとって、湾岸地域における交通容量不足を解消させ、市内の渋滞緩和や物流の効率化による経済の活性化が期待されるほか、災害時における複数ルートの確保による防災力の強化が図られるなど、将来の社会基盤を構築する上で、必要不可欠な道路であることから、より多くの方々に理解を深めていただくことが重要と考えています。
これまで、「ニューズレターの発行」、「ユーチューブ動画の配信」、「特設ホームページの開設」「オープンハウス形式による説明会」により、情報発信を行ってきましたが、今後は、加えて「広報チラシのポスティング」や「地域イベントを活用したパネル展」を行うことで、さらに多くの方々への周知に努めていきます。
【佐々木ゆうき】
新湾岸道路有識者委員会の委員長は、ニューズレター「未来をつなぐ新湾岸道路プロジェクト創刊号」で、「新湾岸道路の計画についてご心配される方もおられるかと思います。計画の内容のみならず、計画がどのように決まったのかという点も気になるところです。『いつの間にか決まっていた』、 『どのような根拠で判断されたのか分からない』、 『市民の意見に耳を傾けてもらえない』、といった批判があるとしたら、安心できる計画とは言えません」と述べています。
これまでは概略ルートが示されていないことから個別の説明をしていませんでしたが、町内自治会や市民団体、環境団体など、新湾岸道路に関する懇談等の要請が千葉市にあった場合には応じる姿勢はありますか。
【建設局長】
先月、国から示された概略ルート案や構造案について、オー プンハウス形式による説明会や個別ヒアリングを国と連携して行い、地域の皆様や町内自治会など様々な方から、あらためて意見を伺うこととしています。
【佐々木ゆうき】
5月28日に開催された第2回新湾岸道路有識者委員会の資料によれば、事業費は精査中としながらも、「高架構造を主体とする道路」約1兆円、「地下構造を主体とする道路」約2兆円、国道357号や国道16号を拡幅し、一部新設道道路を整備する「現道対策+一部バイパス整備」約5千億円の3案が示されました。「新たな道路の整備をしない案」についても掲載されていますが、交通渋滞解消など「目標を達成することは困難」としています。これは全くの対象外で、比較検討にならないということでしょうか。
【建設局長】
概略ルート案を比較検討するための、評価基準として提示されているものと認識しています。
【佐々木ゆうき】
「目標達成は困難」としている時点で、新湾岸道路を整備する優位性を強調するものであって、新湾岸道路建設に反対する意見は取り入れないということではないのか。
【建設局長】
「計画検討にあたっては、地域の皆様などから御意見をいただきながら進めていく」と伺っています。 本市としましては、皆様からの様々な御意見を踏まえたうえで、本市にとって、より整備効果の高い計画となる よう、国に働きかけていきます。
【佐々木ゆうき】
本当に、この新湾岸道路が必要なのか。事業費の精査をしていないとは言え、1兆円、2兆円規模の大規模事業であり、相当な年月を要する事業にほかなりません。先日、新湾岸道路と美浜区のまちづくりを考える会という住民団体が結成されました。
今後も、この新湾岸道路が本当に必要なのかも含めて、ただしていきたいと思います。