一般質問の報告の続き、稲毛海浜公園リニューアル事業についてです。稲毛海浜公園リニューアルが進められて7年が経ちました。公園に訪れる方が令和3年度以降、減少傾向にあります。今年3月14日に千葉市公園等活用事業者選定委員会が開催され、私も傍聴しましたが、管理許可を受けて施設などのリニューアルを実施しているワールドパークの代表取締役は「イベントを誘致したり、育てていく」と発言しています。集客や収益に目が向けられ、賑わいがつくられる一方で、周辺地域に悪影響があってはならないと思います。
日本共産党千葉市議団が市民のみなさんにご協力いただいている市民要望アンケートには、「ボタニカミュージアムは改悪で、以前のほうが良かった」「治安が悪くなった」などの意見も書かれています。こうした声を真摯に受け止めることが必要です。
以下、主な質問と答弁です。
【佐々木ゆうき】
リニューアル事業者であるワールドパーク連合体はイベントを増やす提案をしていますが、先日行われた平井大のビーチライブでは多くの来場者で賑わった一方、渋滞や違法駐車、ごみの散乱、来場者の大声による会話、通信環境の不具合などの問題があり、警備も不足していたことが浮き彫りになりました。地域住民に配慮した形とは言えなかった点についてはワールドパークとどのように改善していく姿勢なのか。7月5日・6日にも音楽フェスが予定されています。同じようなことが繰り返されてはならないと考えますが、どうですか。
【都市局長】
いなげの浜で開催された音楽ライブでは、2日間で約3万5,000人と、過去2回を大幅に上回る来場者があり、公園周辺において迷惑駐車やごみのポイ捨て、通信障害が発生しました。
このような状況を踏まえ、本市から公園のリニューアル事業を担う民間事業者およびイベント関係者に対し、原因を分析するとともに、今後同様の問題が発生しないよう求めたところです。なお、7月上旬に開催予定の音楽イベントは、今回の音楽ライブよりも規模も小さく、前回も大きな問題は発生していませんが、今回の状況にも留意して関係者と調整を進めていきます。
【佐々木ゆうき】
次に、花の美術館が、世界で活躍するフラワーアーティストの全面プロデュースにより、芸術性を高めたボタニカミュージアムとして、3月29日にリニューアルオープンしました。
以前のような教養施設から集客施設へと変貌したように感じます。市民が望んだリニューアルなのかが問われます。リニューアル特別価格として昼間の時間帯は大人600円、子ども300円、事業者が提案する入館料は大人1,000円、子ども500円であり、指定管理者が運営していた時よりも大幅に料金が改定されたことになります。そこで伺います。
リニューアルオープンまでの間、千葉市と事業者でどのような検討が行われてきたのか、時系列で示していただきたい。リニューアルはすべて行われていませんが、いつまでに完全リニューアルオープンをするスケジュールなのか、事業者から提案は示されていますか。
【都市局長】
令和4年4月から令和5年12月まで、吊り天井の落下対策や空調設備などの改修工事を実施しました。そのような中、令和5年度に、民間事業者が花とデジタル技術を融合させた展示に向けた検討を開始し、昨年秋ごろからは、世界で活躍するフラワーアーティストのプロデュースにより、芸術性を高めた植物の展示方法とすることについて本市と協議・調整を進め、本年3月29日にボタニカミュージアムとしてオープンしたところです。
なお、未開設となっているアトリウム棟の2階部分については、民間事業者が整備内容やスケジュールの検討を重ねているところです。
【佐々木ゆうき】
3月29日のリニューアルオープンでメディアにも取り上げられ、来館者は4万人を超えて好調のようですが、入館料が大幅に改定されたことによって、今後、入館者の見込みがどのようになるのか、特に60代、70代の入館について市は分析していますか。
【都市局長】
ボタニカミュージアムの民間事業者による初年度の来館者数は、年間8万3,000人を目標としています。
オープン後の2か月で4万人以上の方が来館するなど順調に推移しているところですが、今後は利用が落ち着いていくものと考えています。
なお、来館者に対してアンケート調査を実施しているところであり、今後のミュージアム運営に生かせるよう、高齢者層を含めた幅広いデータの収集と分析について、民間事業者に働きかけていきます。
【佐々木ゆうき】
6月13日に公開された稲毛海浜公園リニューアル整備・運営事業 実施状況・事業評価報告書で、市は「60、70歳代の利用者数が減少傾向となっており、全ての年代が快適に過ごせる空間作りやサービスの検討や工夫が必要」と指摘されています。この世代の声が現状で吸い上げられていないのは問題であり、周辺住民も含めて声を聴くべきです。