今日午後1時から稲毛海浜公園内にある稲毛記念館で、千葉市公園等活用事業者選定委員会が開催されました。審議内容は、稲毛海浜公園施設リニューアル整備・運営事業に係る事業評価です。
 稲毛海浜公園リニューアル事業が始まって7年となり、同事業の評価が行われました。評価項目について、事業者による自己評価と千葉市による評価案が示されました。評価資料は回収のため、メモをできるだけしたつもりです。

 ある委員からは花の美術館リニューアルについて「当初からと三陽メディアの時(どちらも指定管理)は周辺からも愛されてきた。周辺住民を考えた時に、行おうとしている事業がどうなのか。アートとのコラボは良いと思うが夜間料金が高く、造花を入れているので、市民は造花になってしまったのではないかと思ってしまう。リピーターが来ないのではないか。心が安らぐと思え、2時間過ごしたいと思えるようにすること。少し力みすぎでないか。料金は横浜イングリッシュガーデンは700円で入園できる(花の時期によって料金変動)。公共空間なのでまた来ようと思えるようにしてほしい」との質問や意見が出されました。
 他の委員は「資金調達ができていないことについて事業者としてどう考えているのか」との質問が出され、取締役社長は「事業者が行う整備35.7億円のうち、温浴施設が一番コストがかかる。当初は20億だが、資材高騰などの影響で相当な事業費になる。連合体を組んでいたフォーカスが離脱した。エアレースの滑走路の整備を検討していたが、事業が延びた関係で離脱」と答えました。
 もう一人の委員は「利用者数の減少傾向についてどう考えているのか」との質問。取締役社長は「事業進捗の遅れ、公園整備が途中であるのと、プールは天候に左右される。雨だけで1日7~8千人違ってくる。左右されないのは花の美術館で、アーティストやコンテンツを持ってくるものではなく、イベントを育てていき来園者を増やしたい」と答えました。

 他の予定があり、途中で会場をあとにしましたが、リニューアル事業に対し厳しい評価をされていると感じます。以下、評価の内容ですが、委員の指摘にあるように周辺住民が来たいと思えるものになるのか、60歳代・70歳代の利用者数の減少傾向は花の美術館の休館の影響が大きいと思います。前庭と後庭は無料で入れてバラなどの生花を見ることはできますが、入館料の値上げは、さらなるこの世代の利用者数の減少を招くような気がします。特に周辺住民のみなさんが公園に足を向けなくなる可能性もあります。

【施設整備】
●事業者による自己評価:C(進捗はあるものの提案通りでない)

 理由は公園施設の予想以上の老朽化とリニューアルの遅れ
●市の評価:C
▶評価する点ーコンセプトにもとづき整備が行われ、夜間の利用が増えた
▶留意すべき点ー新型コロナの影響で事業の遅れがある

【運営管理】
●事業者による自己評価:B(魅力的な運営と創意工夫による管理)

 イベント開催と地域活性化企画に取り組んだ
●市の評価:B
▶留意すべき点
・プールで児童の骨折事故が発生
・ナイトプール、ウッドデッキのイベントの音量
・海星庵にある日本庭園の池の管理水準低下
・一部の連合体構成員において積極的な関与が確認できない

【利用者数】
●事業者による自己評価:A(利用者数が大幅に増加している)

 夕方から夜にかけての公園滞在者の増加
●市の評価:B
▶留意すべき点
・令和3年度から公園利用者数(合計)が減少傾向、今後の推移を注視
・60歳代、70歳代の利用者数の減少傾向
・すべての年代が過ごせる空間づくりやサービスの検討、工夫が必要

【利用者満足度】
●事業者による評価:B(利用者満足度が高い)

 楽しませてくれる。一方で「治安が悪い」とあり、対策を進める
●市の評価:B
▶留意すべき点
・アンケート回答数が十分とは言えず、広く聴取できたとは言い難い
・アンケート内容と実施方法の改善・工夫を
・プールはアンケートで「大変満足」「満足」が40%で高いとは言えない

【市の財政効果】
●事業者による自己評価:C

・提案事業が遅れていて市の歳入となる使用料の増加を達成できていない
・イベント開催数を増加させ、魅力の発信で市の歳入増につなげたい
●市の評価:C
▶評価する点
・維持管理費の削減に努め、委託料7.2億円削減
▶留意する点
・令和4年度から花の美術館の休館、市民サービスを伴わない削減だった
・施設整備の遅れが起因で市の使用料が今年度時点で約3千万円に留まる
・市民サービスの低下が懸念される

【今後に向けて】
●事業者

・経営層の刷新を行い、計画を着実に進める体制を整えた。魅力ある公園づくりをめざしたい
●千葉市
・利用者数の増加、一定の効果が得られ幅広い世代に親しまれる公園に変化しつつある
・一部の事業で整備に相当な時間を要していて市民サービスの低下を招いていることを深く認識し、早急な対応が望まれる
・施設整備を早期に実施、明確な目標設定を行い、サービス向上や透明性のある運営に努めてほしい
・プール事業の収益を広く市民サービスを提供する取り組みに還元をしてほしい
・公園全体の良好な環境の創出につなげ、利用者増、収益増の好循環を生み出す取り組みを期待したい