グロム JC75 aRacerフルコンセッティング その2 | ウッ・・・

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その1の続き?です?!

 

その1をかなり適当に書いたのですがコメントを頂きましたので、もう少し詳しく書こうと思います。

グロム用の唯一のフルコンであるaRcaerのECUを使った私なりのセッティングの流れをまとめます。

(フルコン/サブコンはセッティングをミスると最悪エンジンを破損させるので、よく分からない方はプロショップにまかせましょう。ちなみにプロショップといわれるお店でもよくわかって無い場合が多いので要注意です)

 

この内容はエンジンの仕様が純正に近い状態となります。

ボアアップしていたりインジェクターを変えている場合は下記の内容+インジェクターの容量の設定等が必要になります。

 

必要なものはa Racer ECUとO2センサーユニットのAF1もしくはAF2、Bluetoothを搭載したスマホかパソコンです。

aRacer ECUには様々なオプションが設定されていますが最低限必要なのはO2センサーユニットのみで可能です。

 

①車体へインストール

②PCかスマホに専用アプリをインストールし、グロム用の標準マップのダウンロード、書き込みし初期設定

(スマホ用アプリは有料です、PCアプリのみでも可能です。)

③AT(オートチューン)で実走を繰り返しベースマップを更新

④ATで作ったベースマップのおかしな場所をPCで補正

⑤最後にクローズドループ(自動補正機能)をオンにして完了

(CLをオンにした状態で走行し、大幅に補正されるような箇所は燃料調整します。またエンジンの仕様によっては点火タイミング等も変更します。)

 

こんな感じでしょうか。

冬用のマップを作れば暖かい季節も安心して走れます(多少燃費が落ちますが)。

マメな人は季節ごとにマップを作っても良いかもしれません、私はめんどくさがりなので冬に合わせて通しますw

 

①車体へインストール

 

これは説明するほどのことではないのですがサブコンより簡単です。

サブコンはカプラーオンモデル以外はハーネスの加工が必要ですが、フルコンは純正ECUと交換するだけです。

グロムの場合純正ECUよりaRacer ECUのほうが本体サイズが大きいため、純正の位置には固定できません。

私はタンクとフレームの間に固定しています。

ECU本体以外にO2センサーのユニット、bluetooth通信用のBLINK固定が必要です。

 

初期マップの書き込み

 

ECUの交換後はマップが入っていないためエンジンをかけることができません。

スマホもしくはPCと接続しECUに書き込みします。

これはPC版ですがアプリ起動→メニューの「ツール」→QuickBurnでマップのダウンローダーを起動します。

こんな感じで予め数種類のマップが選べるようになっているので、エンジンの仕様に近いものをダウンロードし、ECUへ接続し転送します。

スマホ版も同様にメニューからQuickBurnを選択しダウンロード、転送という形です。

 

ボアアップされていてインジェクターを大容量のモノに交換されている場合、、インジェクターの実容量を計測し設定する必要があります。

ここではノーマル基準のの説明になるので省きます。

 

マップを転送するとエンジンをかけることができますが、その前にTPSのリセットをしましょう。

PC版はツールからTPSリセット、スマホ版はメニューのキャリブレーションから一番最後にTPS Learnがあります。
 

 

これでエンジン始動の準備ができましたのでまずはISCの調整をします。

アイドリング時のエアの流量ですが、冷間時と暖気後では数値が違うので気を付けてください。

エンジン始動後暖気します、油温計を付けている場合は80度以上になるまでしっかり温めましょう。

ほとんどの方がケースのドレンボルトから温度を取っていると思われますが、この場合オイルギャラリー内の温度と比べると-5~10度低く表示されるようです。

 

油温計が無い場合はスマホアプリを起動して「T_eng」の項目から確認できます。

これはシリンダーに取り付けてある温度センサーの温度なので実際の油温より高く表示されると思われます。

また、この純正温度計の場合は夏場と冬場で表示されている温度に対しての油温が異なるので注意してください。

 

エンジンの温度が低いと燃焼効率が下がり数値が左右されるので、温度依存の項目を調整するときは必ずエンジンが温まっている状態で調整してください。

 

スマホアプリの下に8個の項目が表示されていますが、ここにISCの項目が無い場合は下に隠れています。

項目をスワイプしISCの項目が表示されたら長押しした状態でスワイプすると並び替えできますので、任意の項目を表示させましょう。

私は表示させてる項目は以下になります。

 

・T_Eng エンジン温度

・AFR ターゲット空燃比

・AFR_WBO2_CAL 現在の空燃比

・Fuel_CL クローズドループ補正値

・SA Spark Angle 点火時期(BTDCの角度)

・ISC_Air_Flow アイドリング時の空気の流量

・Cyl1_injector_Period インジェクターの使用率

・TPS_Persent スロットル開度

 

ISCの調整はスロットルボディの右側についてるスクリューで調整します。

標準値は全閉から2回転戻しです。

ここをいじるとISC_Air_Flowの数値が変わります。

aRacer推奨値は20前後とのことなのですが、グロムはここを調整するとアイドリング回転数が変わります。

推奨値まで上げるとアイドリングが高くなりすぎるため、私は標準値の2回転戻しにしています。

この場合ISC_Air_Flowの数値は0.2くらいでしたw

今のところ不具合はなさそうなのでこのままにしています。

ビッグスロットルボディに変更されている方は調整したほうが良いと思われます。

ISCの調整をするとTPSがずれる場合があるので、上記のTPSリセットを再度実行してください。

 

これで走れる状態になりました。

 

ATを使用してマップの作成

ATこそaRacer ECUに変更する最大のメリットではないでしょうか?

個人でセッティングするためにはこれ以上のツールは無いと感じます。

ノウハウのあるショップでセッティングしたほうが良いだの、O2センサーの精度が市販品とショップノダイノでは精度が違うだの、言う人がいますが自動車業界に身を置いていた自分としては怪しいショップもたくさんいますよw

この話は長くなりそうなのでATの話に戻りましょうw

 

aRacerのATはオンにすると装着されているO2センサーからリアルタイムで空燃比を読み取り、走行中の燃料の濃い薄いを判断し、設定したターゲット空燃比に近づくようにマップを書き換える機能です。

 

マップの書き換えはリアルタイムですぐにというわけでなく、ATオン→走行して補正→ATオフで補正されたマップの保存、エンジンオフ、その後10秒以上経過してからエンジンオンで書き換えが完了します。

ATをオンにし同じ条件(気温、走行ルート、スロットル開度等)で走行することによりATの精度を高めていきます。

 

まずはターゲット空燃比を設定します。

ATの設定はPCでもスマホでもできますが、スマホでやるほうが楽ちんです。

 

 

3番のターゲット空燃比を開きます。

 

 

個々の数値を設定します。

出力優先なら12-13、燃費も考えるなら13-14くらいでしょうか?

 

グロムの純正ECUは常用回転域でクローズドループ制御が働き、理論空燃比(14.7)に強制的に変更されます。

ループ制御されるだけでなく、マップ全体も少し補正されるようです。

サブコンだとコレがやっかいで、ループ制御を解除しないと補正したところで元に戻されてしまいますよね。

aRacereはそんな面倒なモノがないので全域自分の好みの空燃比に近づけることができます。

ターゲット空燃比の設定が終わったら12番のATを開きます。

 

 

 

ATをオンにする前に動作条件が3個あるので確認します。

オンオフ切り替えボタンの下に「malf」「T_Eng」「WBO2」の3項目あります。

 

・Malf 故障コードです。

何も問題なければ水色になっています。問題がある場合はメニューのMalf. Codeより確認して問題を解決してください。

 

・T_Eng エンジンの温度です。

aRacerの空冷エンジン推奨値は80度以上なので、それ以上まで暖気してください。

 

・WBO2 ワイドバンドO2センサーが使用可能かどうかです。

O2センサーはただ接続すればすぐ使えるというのではなく、動作温度があり、低温ではうまく働きません。

O2センサーに使用されているジルコニア素子は300度以上になると酸素濃度の変化で電気を発生します、この電圧の差で酸素濃度を検知しています。

センサーにはヒーター機能がありイグニッションオンで自動で温めてくれるのですが、これが結構電気を食います。

2年使った標準バッテリーで、11v以下まで下がりますw

基本的にはイグニッションオンでヒーターが作動しセンサーが温まった状態でエンジンをかけるのがベターのようですが、そんなことしていたらバッテリーの電圧が下がり、ECUとのBT接続も切断されてしまいます。

 

なので私はこれを無視して普通にエンジンをかけています。

他社のO2センサーをつけていたときは、ヒーターが作動し使用可能になるまで1分弱かかっておりました。

どっちみちエンジンかけてATの動作する80度以上まで暖気運転すると勝手に排気でセンサーも温まります。

という考えでふつうにエンジンかけていますが、これをしないとセンサーが壊れるという意見をチラホラ聞きます。

しかし車に乗るときってそんなの意識してエンジンかけますかね?知らずにすぐかける人がほとんどですよねw

aRacer AF1 O2センサーユニットに付属のO2センサーは謎メーカー製で、他の人のブログ等を見てるとよく壊れています。

ですのでそれを使わず、ボッシュのセンサーを使っています。

グロムで4000km、他車で15000kmくらい走っていますが壊れていません。

真似される場合は自己責任でお願いしますw

 

上記の3個の項目に問題なければ赤色表示から水色に変わりATがオンにできます。

オンにするタイミングは暖気運転が終わった状態でエンジンを切らずに、アイドリングのときにオンにしてください。

でないと、スロットル開度0、エンジン回転数が0の状態の空燃比を読み取っておかしなことになります。

クローズドループもオフにしてください。

 

結構長くなったのでATセッティング辺は次回へ続きます・・・!