同窓会に行きたくないという人は
意外と多いかもしれません。

学生のころは、思い通りにいかない
こともたくさんあったし
今だったらもっとうまく立ち回れるし
いい言葉がでていたはずなのに
不器用で、思い出すのもはずかしい。

ひどいいじめを受けていて
二度と関わりたくない。

色々な理由はあるでしょうが
楽しい思い出ばかりじゃあないはずです。


その依頼者は同窓会に出席するのを
楽しみにしていました。

同じクラスのLINEグループに
入れてもらって、もうすぐ
同窓会があるのだということでした。


依頼内容は、居酒屋にいく練習。

これまで、居酒屋で飲んだことが
なかったそうです。

よく意味が分からないまま
お店の前で待ち合わせをしました。

とりあえず、席に着き
注文はタブレットでするお店でした。

そこで、詳しくお話を聞いてみました。

これまで、同窓会に出席したことがない
まず最初に飲み物を頼むと思うけれど
それはビールにしないといけないのか。

自分はお酒が飲めないけれど
そこは違うものを頼んだらダメか。

次の飲み物はいつ頼むのか。

鍋を食べたことがないので
どうやって作ればいいのか。

自分でお皿に入れるのか。



なるほど

 

 

 

同窓会どころか
飲みの席に出席したことも
なさそうでした。

とてもおとなしそうな方でしたが
今回声がかかったことを
とてもよろこんでいて
人見知りというわけでもないようです。

その日はノンアルコールビールが
あるので試してみましょうと
注文の仕方を練習し
料理を少し頼み
これまでの生活について
お話を聞きつつ食事。

次回にお鍋を注文して
再度練習をするお約束になりました。


2回目は違うお店に集合し
「同窓会で料理の注文をすることは
ほとんどないですよ」といいながら
お鍋の作り方から練習。

お鍋も気の利く人が作るから
作り方は知らなくてもいいと
伝えましたが
とても熱心に取り組まれて
覚えておきたいとのこと。

この先の同窓会のために
1杯目の飲み物、2杯目の飲み物
何を注文するのかを決め
鍋料理や取り分け料理のマナー、
宴会でのマナーも伝え
本番では楽しんでくださいと
お話しました。


人それぞれ、生きにくい部分があって
この方も学生時代つらい思いも
されてきたのだと思います。

それでも卒業20年近くたって
初めて呼ばれた同窓会に
出席したいと思われた。

周りから浮かないように
嫌な思いをさせないようにと
同窓会の練習を思い立った。

この方の同窓会がうまくいくことを
心から願いました。