このまま岩井くん家に泊まることにしました
きっと、もうこれが最後だなー…と思いながら
目を閉じている岩井くんの顔を見ていました
最後に、岩井くんに言葉のプレゼントをしたいな
と思いました
私は人と別れるときなるべく、その人の喜ぶ事を言ってあげたいなと思います
思い出して嬉しくなるような言葉
岩井くんが思い出して嬉しくなるような言葉ってなんだろう??
「岩井くん寝たー??」
「寝てないよ」
「聞いていい?
岩井くんってこれからやりたいことがあるって言ってたけどどういう風にしていくの?」
私たちはこれまでお互いの夢とかやってみたいことを語りあってました
岩井くんは目立ちたがり屋で、何か自分発信できるようなことをやりたいと言い少しづつ始めてるようでした
「今までけっこうフラフラしてたからな
もう31だし家も買っちゃったからあまりムチャはできないと思ってて笑
今やっと仕事も落ち着いたからこれからやりたいことをできる範囲で、俺に何ができるか考えていこうと思ってる」
とけっこう堅実な答えが返ってきました
「そっか^ ^
そもそもなんで目立ちたいの??笑」
「前も言ったと思うけどさ
俺、中学の頃まであんまり目立たなかったんだよ
勉強も部活も顔もイマイチでな 笑
だから全然女の子にモテないし、そもそも喋れない 笑」
「うん、うん笑」
「多分その頃の劣等感ってのがいまだあって何かで見返したいって言うか
男友達からもやっぱすげーなお前って言われたいしっていう 笑」
「そっか笑」
岩井くんを見つめて言いました
「そのままで超カッコいいのになぁ」
「わー恥ずかしい
」


顔を背ける岩井くん
「そのままで、じゅーぶん岩井くんはカッコいいよー
完璧!」


そういうと岩井くんは私に軽くチュッとキスをしました
別にすごいことができなくても、地味でも、変わらなくても存在そのものに価値がある
岩井くんは岩井くんのままでいればそれだけで完璧なのに
そんな気持ちで伝えました
この言葉が少しでも岩井くんの中に残って、なんとなく思い出した時に自信になってくれたらなぁ
そうなれば私たちが出会った意味があると思う
そしてそのまま眠りにつき、
(私は全く寝れませんでしたが 笑)
朝になりました