腎移植後、夫の試練は続きました。
免疫抑制剤の副作用ではありませんが、夫は心筋症という深刻な状態に陥ってしまいました。

薬の影響で骨髄抑制による貧血がひどかったのですが、ヘモグロビンの数値が10台に安定してきた頃のことです。
貧血に慣れている夫でしたが、動くと動悸がし、心臓がある左側を下にして寝られないと訴えてきました。
ヘモグロビンが10もあるのに心拍数が異常に上がるのはおかしいと感じ、先生に相談しました。

先生はいぶかしげな顔をしながらも、検査をしてくれることになりました。
心エコーの結果、心臓の動きが悪いことが判明し、心臓カテーテル検査が決まりました。
動脈硬化が進んで軽い梗塞が起きているのではないかと考え、ステントを入れれば解決するだろうと思っていました。

しかし、意外にも異常は見つかりませんでした。
結果を告げられた時、思わず「異常なしって、それは心筋症ということですか?」と口にしてしまいました。
ドクターの「そうです」という言葉に力が抜けそうになりました。
さらに、先生は組織を採取したいので、もう一度心臓カテーテル検査をさせてほしいと言われました。

夫は感染しやすい状態で、初回の心臓カテーテル検査でも高熱を出していました。そのため、夫は再検査を拒否。心筋症のタイプは不明ですが、夫はこの爆弾を抱えながら日々を過ごすことになりました。