「この感情を、いま、この人に、伝えたい」
そう思った時にそれが出来ないと、私はすごくもどかしくなって苛立つ。何かを諦めたような気分になる。
こんなのは完全な我儘だし身勝手だってわかってる。だって、相手は私の話を聞きたくないかもしれないし、もしかしたら今ではなくて後で聞きたいかもしれないから。
でも、私は「感情」には鮮度があると思う。その瞬間に思ったこと、感じたこと、考えたことは、その時伝えたい人に伝えられないと意味がないし、あとから話したところで当時の高ぶった感情は消えて、全くつまらない話になってしまう。
所詮、嬉しい気持ちも苦しい気持ちも結局は一過性のもので、消えて無くなってしまえばどうしようもないけれど、その脆い感情が生きてるうちに言葉にして伝えてこそ、私たちが人間であるひとつの意味だと思う。
それなのに、私はよく話しそびれたり聞いてもらえなかったりして感情を殺して腐らせてしまう。そうして死んだ感情から出来た言葉や話題がどんどん溜まっていって、結局外に出せず心の中のゴミ箱行きになる。悲しいよね。生きているうちに話せていれば心が軽くなったのに、周りが背を向けて、自分も諦めちゃうから鮮やかだった感情は死んじゃうんだ。
みんなそうだと思う。話すのを躊躇ったり、後回しにしたり、空気を読んだりしちゃう。それってやっぱり勿体ない。だから私は何かを犠牲にしても、嬉しさ、楽しさ、安心感、辛さ、苦しさ、怖さ、不安、そんな単純な気持ちや感情をその場で言葉にして話して伝えたい。寿命が来る前に真っ先に誰かに聞いてもらいたいんだ。
感情は、生きていると思う。