私は女性とは話できなかったけど、男性相手だとほぼ緊張すること無く接することができていたので、お店のボーイさんとよく話していた。


ある日、その中でも新しめのボーイさんが私の元に来た。
いつもと変わらない、たわいもない会話をしていた、しかし、後にそれは、私の何回目かの大きな人生の選択の間違いとなる、ターニングポイント的な日だった。

ボーイさんはホントに普通に
「〇〇ちゃん、しゃぶやってるでしょ 笑」
と聞いてきたので、私は当然素直に
「やった事は無いが、興味はある、是非ともやってみたいもんだ」
と答えた。
なんせ
「悪いこといっぱいしたい♥️」
と、本気でお客さんに話してる、天然ぶっ飛びキャラ、そこには「アングラな世界」への好奇心しかなかった。

その日の夕方に、そのボーイさんの家に行った。ほかの誰かと一緒に暮らしているようで、二段ベットがあった。

そこで、初めてのお注射。

血管にシャブを入れた瞬間の事は覚えてる。
もう、この瞬間が忘れられないよね、身体中の組織という組織に、シャブがものすごいスピードで行き渡ってゆく。
そして、私は、圧倒的な「エロス」にほぼ支配された。
でも、なんか発情したのバレるの恥ずかしいと思って、ボーイさんに「具合が悪い」と、いかにもバレバレな嘘を付いて、二段ベットの上に横になりたいと言いながら、コソコソと自慰行為をしていた(多分バレていたであろう‪𐤔𐤔‬)。
ボーイさんはと言うと、ギターを片手に自分の音楽の世界に浸っている模様だった。
どれくらいの時間が経ったのか、全く覚えていないけど、帰りはタクシーで無事に家に帰れた。

だけど、エロス様はご機嫌で、その時付き合ってた男が、たまたま私の家にいたので
「もう、したくてしたくて、たまんなかったの♥️」
と、なんともバカ正直に打ち明け、エロス様のご機嫌伺いをしてもらったが、その男では、満足できなかった。

私は男性経験が豊富なのにも関わらず、どんな男性が相手でも、逝くことが難しかった。
膣でイッた事なんてなかったし、クリニングスされてもほぼいけない、今まで1000人できかないくらいの男たちと、性行為を行ったが、いまいちピンと来るのはなかった。
もしかして「不感症かしら?」なんて少し落ち込んでたね。
でも、自分でやったらクリではイけるんだよね。
この頃は「寝る前の自慰行為」が定着してたね(笑)
だって、誰にもイかせてもらえないんだもの、自分でするしかないでしょ?タダでさえ、性的ストレスの溜まる職場なんだから。

それから3ヶ月くらいの間、ボーイさんからパケ1つ1万円で買っていた。

でも、3ヶ月くらいたった頃、シャブを打って自慰行為してもイケないし、仕事サボってまで、自宅に篭もりっきりで、自慰行為をしている自分に腹が立った、情けねぇ〜、金もねぇ~じゃ、やってらんねぇ~!!とやめる事を決意!!

その当時、付き合い始めた彼は「薬とか錠剤系は絶対に許せない」って人だったので、それから断薬をする事は、意外と容易でした。

でも、シャブを覚えてからの私は、本当に人が変わってしまいました。
それまで何も考えず
「悩みがないのが悩み!!」
だなんて言ってたのに、人とどうやって会話したらいいのか分からなくなってしまったんです。
人とどうやって距離を置いたらいいのか分からなくなってしまったんです。
今まで考えないでも、できていたことが出来なくなりました。

シャブ特有の「勘ぐり」って奴が入るようになってしまったり。
今まで過剰なまでに出ていたであろう、脳内麻薬、それをバランスよく受け取ってた受容体。
シャブを使用した事により、その絶妙だったバランスは、脆くも崩れさり、それまで明るかった私は、いじめられていた頃の、陰鬱な人間になってしまったのです。