アシュトンマニュアルは減薬速度
が早すぎるという意見が多いよう
です。

確かに段階ごとの減薬量やステイ
期間から考えるとハードな内容と
言えます。

しかし、一つだけ見落としている
点があります。

それはアシュトン教授が







イギリス人だということです。
そして教授が運営するベンゾジア
ゼピン減薬クリニックでの臨床試
験に協力した300人以上の患者も
概ねイギリス人といえます。


これはアルコールに対する身体の
代謝能力が西洋人と東洋人とでは
格段の差があるのと同様にベンゾ
ジアゼピンを受け入れる為の身体
的・精神的特性や受容体の先天的
密度についても日本人は遥かに劣
っていて減薬の回復過程にも恵ま
れてはいない体質と考えるのが適
切です。







「とりあえずビール」といった低
アルコールをチビチビと飲んでは
「ヘベレケ」になる大和文化と、








店に入るなり
「スコッチをダブルで」煽るよう
な鍛え上げられた肉体精神の英国
伝統とが同じ土俵に立つこと自体
が大きな間違いで、ベンゾジアゼ
ピンの減薬だって日本人としての
身の丈をわきまえた控えめな減薬
速度を検討すれば良いだけです。




そもそも日本では只でさえ小さい
薬を半錠や1/4にしてまで処方し
ている現状はその薬が日本人には
強すぎることは明らかで、1錠当
たりの薬の配合成分率がどの国も
同じであることに私は大きな疑問
を抱いています。



西洋でのベンゾジアゼピン服用量
はジアゼパム換算値で30〜40mg
が当たり前なのに、日本人はたっ
た1錠の薬でさえも減薬に行き詰
まるのが通常で、脳への負担が西
洋人とは比較にならないほど深刻
な事実については、殆どの医者が
その過失を認めていません。

アシュトンマニュアルでは減薬の
最終段階におけるステージでジア ゼパム1mgや0.5mgから断薬に
踏み切ることは「驚くほど簡単」
と述べていますが、これを日本人
が真似をしてはいけません。
「驚くほど危険な行為」です。
その大胆な踏み切りにアシュトン
教授は「薬を手放すことの恐怖」
から振り切る為としていますが、
結局は「もしもの時のための」
薬の予備の備蓄をしておくような
補足をしています。
それほど薬に対する国や人種によ
る適応力の違いがあるようです。




「女王陛下は永遠に」



それは狩猟民族という長い歴史で
培われた健剛で「マッチョ」な
肉体が摂取した1錠のベンゾジア
ゼピンと




「日出処の天使」



農作物によって神の国として栄え
た「平たい顔」の脆弱な種族が摂
取した1錠とでは

その薬に対する効果と耐久力の違
いは比較するまでもありません。


何れにしても、ベンゾジアゼピン
薬の離脱という最も困難な作業を
減薬という「漸減と時間」による
革新的な回復方法を確立したのは
アシュトン教授でありその成果を
如何に有意義に活用できるか否か
はそれを実行する日本人次第だと
思います。


それをどの国も同じと考えること
自体がその論文を本当には理解し
ていないのかも知れません。

そして、自分に合った減薬方法を
知っているのは世界にたった一人
しかいない自分自身であり、経験 
に勝るマニュアルは存在していま
せん。



以下はアシュトンマニュアルの原
文ですが、私は減薬が終わるまで
の自分に対するルールと誓って何
回も復読しています。



22ページより

【急減薬をした場合】

早すぎた減薬による離脱症状に耐
えられなくなり、もう一度再服薬
して、より緩徐な減薬スケジュー
ルをやり直したなら、減薬はもっ
と上手くいくだろうと考えます。
しかし残念ながらそう簡単にはい
かないのです。理由は明らかでは
ありませんが(おそらく最初の減
薬の経験により、既に神経システ
ムが過敏になり、不安レベルが跳
ね上っているからでしょう)当初
の薬量では二度目には効果がない
ことがしばしばあります。

―――――――――――――――――――
(私見)
これは脳への負担についての解説
ですが、減薬に向き合う意識も二
度目の方が減退してしまうことも
加えると、やはり減薬を始めたな
らばどんなにその進捗が低迷して
いたとしても、その機会を最大限
に活かすための計画と達成するビ
ジョンを明確にすることが大切と
なるようです。

―――――――――――――――――――

同22ページより
【減薬途中の増薬】

減薬途中での困難な状況に直面し
た場合には、減薬スケジュールを
再開(増薬)する前に、同じ容量
を長期間維持(ステイ)すること
で、この問題を克服することが可
能です。すなわち待ち望むプラト
ー期(安定期)が来る前の増薬は
得策ではありません。(中略)
真の回復とは薬が身体全体から抜
け出して初めて、本当にスタート
するのです。

―――――――――――――――――――



23ページより
【栄養補助剤(サプリメント)】

(アシュトン教授はベンゾジアゼピ
ンの減薬に係る栄養補助剤の有効
性については殆ど否定的です)

ビタミン、ミネラル、アミノ酸な
どの栄養補助剤がベンゾジアゼピ
ンの減薬に有効なエビデンスはあ
りません。中には過剰に使用する
と有毒なものや、ベンゾジアゼピ
ンそのものと変わらない有害作用
を持つベンゾジアゼピン類似の物
質を含むものさえあります。
また、ベンゾジアゼピン離脱がビ
タミンやミネラルなどの欠乏をも
たらすことを示唆するいかなるエ
ビデンスも存在しません。

何か特定の欠乏が存在するという
明確な根拠なしに、栄養補助剤を
使用するべきではありません。
(中略)
ベンゾジアゼピン減薬中の人は、
バランスのとれた普通の健康的な
食事をとるべきです。
結局のところ普通の健康的な食事
とは「天然」な物質からなり、そ
こには身体にとって必要な成分が
全て含まれているのです。

これまでに人々が試してみたとこ
ろ、精々が無益、最悪の場合有害
と分かっていた製品としては以下
のものがあります。

①ミネラルビタミンサプリメント
②ヴァレリアン(西洋カノコ草)
③セント・ジョーンズ・ワート
(西洋オダギリ草)
④ガバガバ
⑤メラトニン
⑥レスキュー・レメディー
(パッチフラワー)
⑦BeCalm'd
⑧コリン
⑨ノニジュース
⑩5htp
その他:Same(サムイー)
GAVA等々

―――――――――――――――――――

ということになっています。

これは2011年の論文で現在では
もっと多くの「減薬を妨げる」
ための魅力あるサプリメントが
減薬者を誘惑しています。

一度は医者に騙されたのなら
二の舞いを踏むことがないように
気をつけたいものです。


私は以上の論文の一部を頻繁に繰
り返し読んでは減薬に行き詰まっ
た時の励みにしています。

今まさに、苦行の真最中であられ
る減薬アスリートの全ての方々が
その窮地から乗り越えられること
を心から祈っています。



Never・give・up

Never・say・never・again
もう減薬を諦めたいなんて
二度と言わないで





「実は私もイギリス人です」
「減薬ミッションの成功を祈って
います」


「Good・luck!」




元日を襲った能登半島地震での
被災地の方々へ
心よりお見舞い申し上げます。
一日も早く復旧されますことを
祈っています。