風邪になるとだるくて、それでいて寝込むほどで

ない時、近くの図書館でじっとして過ごします。

長椅子が書架と対面していて背表紙と対話できるのです。

 

今日は坐ったところが、芸能人の本のところで、

目に付いた高倉健の『旅の途中で』と八千草薫の

『まあまあふうふう。』。お二人とも故人で、そして二冊

とも口語調だから、私に語りかけてくださるようで。

八千草さんの本では病気との向き合い方のことも書いてあって。

 

持ってきた本の石橋義久著『大東流合気道 百十八カ条』は

合気上げ、呼吸法のところだけ見ました。

合気会やら養神館のものでは、こんなに詳しく書いていません

から、できるかどうかはわかりませんが、とても参考になります。

特にびっくりしたのが、独りで合気上げを練習する方法が

書いてあることです。「ひとり稽古」は武道の鉄則です。

これをやらない人、できない人は伸びません。

書道や茶道も大事なことは独り稽古の時ではないかと思います。

いずれにしても、やってみるのは、風邪が治ってから。

 

午後は、王子の北とぴあで、中央フィルハーモニア管弦楽団の

定期演奏会へ。その前に王子稲荷と王子神社にはお参りして、

まだ時間があったので、同じ建物で開催されていた彫刻展を

拝見。日展入選作ばかりなのと、彫刻家の方がモデルを前に

して粘土で作る過程を実地解説していました。プロの芸術家

ですから、みんな熱心に聞いていて、通り過ぎたのは私だけ

だったようです。

 王子に来るので持ってきたのは、ドリアン助川の『太陽を

掘り起こせ』。不思議な本なので読むのに時間がかかりました

が、風邪になるとすっと読めるものですね。

帰りの電車で読み終わりました。

演奏会は、ブラームスの交響曲第二番。前から6列目だったし、

元気の良い曲なので寝ずに終わりまでゆっくりしました。

 

 

昨日は午前中、静坐会で午後はジムそれも引き締めとトレーニング

でスクワットだのレンジだのをやったあと、体幹トレーニングで

ボールを使ってかなりハードなものだったし、その前に筋力トレ

ーニングをやって、都合2時間。思えば朝から風邪をひいていた

ようです。

 

静坐会の道すがら、白いとっても華やかな花が咲いていて、

そんなことに気を取られて風邪のことは忘れていたようで、

夜になって、あっこれ風邪だよね、ということになったわけです。

 

少し、自分の体と相談しつつ治るまでの時間をおとなしく

過ごしたいと思います。

そう、風邪の効用とは外に向けていた心が内面に向かうことです。

ポジティブな思いだけでなくネガティブもやってきます。

身体が思うに任せない分、逃げることができない。

逃げずに向き合うというのも一年に数度は必要だと思います。

静坐などしない人でも、こういう機会を大事にしたらよい

のではないかと思います。