2019年3月4日、北野天満宮から歩いて10分、千本釈迦堂に参拝に行きました。5回目くらいかな?ここのお寺が好きなんです。初めて行った時、宝物殿があって中に快慶作の十大弟子の仏像があったんで驚きました。思ってもみなかったし、その作品が精巧ですばらしくて、ずぅーと「何でここにあるんだ!」と叫んでいたのを良く覚えています。だから、去年トーハクで展示会を行ったのには驚きました。

 


【沿革】

千本釈迦堂は鎌倉時代の安貞元年(1227)に義空上人によって開創されました。
国宝・本堂は創建時のまま残っています。したがって京洛最古の建造物です。
京都にあって、鎌倉時代のままの建築物とは、貴重だと思いました。

 

 

【境内】

入口の石柱です

 

山門です

 

本堂前のおかめ桜(右)です。春に咲いた時はきれいでしょうね

 

千本釈迦堂は、おかめ信仰発祥の地でもあります。夫のために命を預けた献身的な”おかめ”さんの物話が心に残りました。きっといつまでも参拝者が絶えないと強く思いました。
東の壁沿いには”おかめ塚”があります

 

ちなみに”おかめ落雁”というものを売っています。昔なつかしの甘い和菓子で、いつも買います


 国宝の本堂は承久二年(1220)に義空により仮堂を建立、貞応二年(1223)に起工され、安貞元年(1227)に上棟されました。その後、幾度の修理は行われ、延享十五年(1745)から大掛かりな修理を行っています。また昭和十六年から二十九年にも解体修理が行われ、創建当初の姿に復元されています

 

斜め横からの本堂です。正面24.3m、側面28m、屋根は桧皮葺き、寝殿造です。格子がきれいでした

 

御本尊は重文・釈迦如来像です。快慶の高弟巧匠行快唯一の作で秘仏です。そのため厨子の扉は閉まっていました。参拝者の方に遠くから呼ばれて「あれはいつも閉まっているのですか?」と聞かれました。ただし去年のトーハクでは公開されていたようです。
本尊厨子と天蓋は国宝になっています。また、本堂板壁仏画も国宝になっています。剥げていましたが、元のきらびやかな様子は想像できました

 

柱には応仁の乱(1467-1477)の刀槍のきずあとが残っていて歴史の深さを感じます

 

 

【霊宝殿】

本堂の西に、貴重な仏像などを展示している「霊宝殿」があります

 

宝物殿は撮影禁止なので自分で配置図を作成して、簡単な解説表を作りました(一部横線消えていますw)。これらが三方の壁の前に豪華に並んでいます

特に快慶作の「十大弟子」がすばらしくて、しばしうっとりしました。細かい描写、写実的な生きている人間のような作品に心をうたれました。快慶は、やはり違います。そのほか、定慶の六観音像、銅造釈迦誕生仏なども魅力的です。いやもう全部です。

 

 

【御朱印】

普段授与している六観音の御朱印です

 

また特別に御本尊釈迦如来の御朱印も授与させて頂きました。こちらは『新西国三十三ヶ所』の印はありません

 

 

そんなに広くはないお寺ですが、見どころがぎっしり詰まっているし、快慶の作品が随所にみられ、とてもすばらしいお寺で大好きです。