砂町の現場を、やっと確定できた。

この現場は、地権者6名であるが、4名は借地権で兄弟3名と従兄1名で交渉上相手は、一人の弁護士を入れてきた。

つまり、6名の地権者のうち4名は同一人物になる。

すると、実質の地権者は3名になるが、そのうちの一者は、「江東区」で払い下げの「交渉」はなく物理的手続きだけである。

交渉相手は、4名の代理人弁護士と個人1名になるため2者との交渉だけに絞られてきた。

そのうえ、4名の親戚同士の交渉は、「弁護士」を入れてきた為「売らない」という話ではなく「価格」の問題だけだ。

結局「売る、売らない」の交渉は、1名だけとなる。

これはやりやすい。

さっそく、昨日一番の難敵「売る、売らない」の地権者「細川」さんとアポイントを申しでたら、「明日お会いしても良い」という、承諾を軽く得た。

今日の夜8時に約束したのだが、連絡が入り「大雪で電車が動かないので日を改めて欲しい」という。

気象予報では、明日の方が今日より大雪が降るという予測の為、明後日以降しか多分お会いできないと思う。

しかし、リスケの連絡をわざわざ入れてくれるのは、「売る、売らない」の「売らない」と云う話ではない。

問題は、価格の問題とその他の取引条件を細川さんは、望んでいるのだ。

この現場も「主」になる「種地」を、最初の地上げ屋が購入して5年間で3回転がって決着がついていない。

それを、私の仲間の「地上げ屋=三波さん」が、現在の所有者である「地上げ屋」に貸し金の返済ができない為担保をつけて半ば取り上げたも同然で取得しようとしている。

「ユキオさんが受けてくれるなら、完全に本登記を移して(現在は所有権移転予約仮登記)取得するけど、自信ありますか?」と、相談してきた。

わずか三日で、受けましょうと返事をして、今日に至った。

これほど簡単な話はない。

地上げの難しさは、「売らない」と云い続ける地権者に「売ります」と言わせる事が最大の難所であるが、相手は「高く売りたい」というだけの事である。

高く売りたいと言う地権者の心理は当たり前だが、そこには常識という問題がある。

つまり、我々の利益が出るか、出ないかだけの事だが自分からリスケの連絡をしてくるという事は、相当焦っている。

三波さんは、金額が小さい為、ほったらかしにしていたのだ。

この現場は、2か月で勝負がつく。

ただし、江東区の3坪の土地の払い下げがある為、仕上がりまで1年かかる。

単純計算で2か月の作業で、1年後に私の取り分が1千万か3千万。

三波さんは、6千万の貸金のうち3千万円分を、この現場取得費として取り上げようとしているから、3千万上乗せしてあげれば、OK。

投資家を使わないとしたら、最低4千万の利益を出せればこの話は成立する。

(ククク、実際はもっと利益が出る。それは今までの地上げ屋は細川さんに対して、「売れ」の一点張りだった)

ところが、私はこの現場の角に移動してもらい現在築45年のボロ家を「新築」にしてあげますと言う条件を昨日電話で提示したのだ。

この一発で乗ってきた。(本当は、まずその条件で納得させ次段階として近くの代替え地を探し、完全移転させる目標だ)

40坪の新築の「家」など、我々業者からしてみれば、1坪40万で建てられるから、たった1600万の上乗せだけ。(エンドユーザーに対する請け負い価格は2400万以上)

あとの、4名親戚は「弁護士」を入れて借地権の買戻し交渉だが、弁護士というプロを入れてきたから、これまた「常識の最高限度額」で収まりがつく。

なぜかと言うと、「弁護士」は、着手金と成功報酬の世界で生きている。

着手金はせいぜい30万円、それに対し成功報酬は取引価格の10%を上限として、弁護士報酬価格が決められている。

つまり、弁護士は成功させれば数百万になるが、交渉決裂だと10円にもならない。着手金の30万で終わり。

私にしてみれば、相手側の弁護士に「嫌なら別に今の借地権のままでいいですよ」と、半年くらいほったらかす。

どうせ「江東区」の払い下げに1年間は掛かるから、相手側の弁護士は焦って4名親戚の説得に回らなければならない。(これで、理論上は、決まったも同然)

今日は雪でする事が無いから、電話で三波さんに早くも取り分の約束をした。三波さんが、60%。私が40%。

 

ここまで、くれば動くのもアホらしいから、こちらも弁護士に残りの作業をさせ、ただ待つばかりにしようか?(弁護士費用は利益の中から、経費で差し引いて残りの40%が私の取り分だから50万くらい弁護士に払ってこの現場はお仕舞い)

それとも、借地権の「買戻し費用」を、投資家に出させて必ず儲かる現場になりつつあるから、投資家の点数稼ぎに回そうか?

 

(三波さんが、細川さんの事を、今知ったら怒るだろうなぁ!)

 

: たまにこのような、楽勝な現場も発生する。三波さんが悪い。自分の持ち物だから「責任感」が湧かないのだ。地上げは、絶対に自分の金を打ち込んではならない。三波さんは、自分が10億くらい10年以上前から借金をして、利息に追われ、未だに元金の3割も返済していない。

(民事は5%、商事法定利息は年間6%=毎月500万が利息分)

だから他人に貸した全部で数億の返済金も回収できないでいる。

三波さんは、このような細かい現場は放置している。

中規模で、数か月で完成する現場に時間を取られ「億単位」の利益ばかり追求している。

ところが、この現場は、私の計算上9千万は最低利益が出せる予定だ。

どんなに間違っても4千万の利益は確定。活動日数は、2か月で10日間。

今年は、年始めからついている。

細川さんの電話一発で勝負あり!このラッキーは、現在の登記名義人が貧乏で、弁護士を雇う金もない。

だから数年間動かずの放置プレイだった。

現場の地権者達も粘るどころか、あきらめムードだったのだ。

そこへ、三波さんが弁護士を入れた為、噂を聞いた細川さんもやる気が出てきた。

「六本木の地上げ」のあのお医者さんと同じように、タイミングの問題が、地上げ行為には大きく左右する。

私はこの世界で腕が良いという評判を頂いていて、どうしようもない最後の「現場」だけ依頼が来る。

ところが、腕が良いのでは無く「期が熟して」いて、単純にタイミングが良いだけなのだ。わはは!