夜8時ヤクザの組長が指定したいつもの寿司屋

 

今晩は。

 

「ははん、不動産ってのは案外簡単だな。」

 

「話しは決まった、ただし条件がある購入価格を後5億乗せてくれ、それとわしの手数料は2億にしてくれれば、明日にでも決まる。」

 

社長それは無いですよ、全体で120億の現場で最高利益が12億そこからまた7億曳かれて弁護士費用が数千万、そして7社の地上げ屋で分けたらいくら残りますか。

 

「あぁ~ええよ、じゃやめとこうか。わしゃ金に苦労しとらんから」

 

ちょっと待ってくださいよ。

とりあえず乾杯。ところで20億はだれが言い出したんですか?

「甥っ子」

やっぱりなぁ~(これは篠田から聞いた話で本人は15億で納得している、叔父さんは、自分の取分を増やしたいから言い出したのだ)

処で社長どこかに赤字会社もってませんか?1億も2億も領収証無しでこちらが払うとガッポリ税金が来ます。そしてあのご夫婦にも売却価格の他に税金分をみてあげます。(予算は5億ある多少オーバーしても決めてしまうのが先決だ)

 

「う~ん、あるけど使えないな。我我の業界も厳しいから今警察はまず税金から入ってくる。そしてなんだかんだで刑を増やしていく。だからわしの手数料は現金の裏金でさっともらうしかない。」

 

実は社長我々はあのご夫婦の税金も裏金ではらわなければならないのです。そうすると、原価取得が5億円で15億で売却します。

すると課税対象金額が10億ですから少なくともざっくり2億が税金です。旦那の方は事業用資産買い替えで支払期間が伸ばせますが、奥様の方は丸っきりかかってきます。マンションでも一棟購入してくれれば伸ばせるかもしれませんがいづれにせよいつか払う税金です。旦那さんが全部売却して財産分与で奥様に現金で渡せば奥様には10円も税金は来ません。逆に物件を半分づつ分け合って奥様が売却すると原価の半分の2億5千万にも税金がかかってきます。(此処は適当で本当はもっと安い)つまり税金分の2億を帳簿外で払った上に社長の分までとなると我々業者の利益は完全になくなります。私の会社や弁護士事務所まで入れると8社はいります。1っ社4千万~6千万がよい処でしょう。これが一日に同時に契約できるなら住友が全額出してくれますが全部の地権者、テナントの立ち退きまで「同時」と言う訳にはいきませんから、我々業者がたとえ1千万でも手付を入れて固めてしまわなければなりません。これじゃリスクがあって無理です。

社長の取分は1億5千万にしてください。しかも支払人はあの奥様です。この話はもうしてあります。旦那のお医者さんじゃ危ないです。いつバレルか分かりません。我我からはもちろん無理だと分かりますよね、商売できなくなるかヘタしたら、刑事罰です。

 

「分かった、さすがユキオさんは頭が切れる、じゃぁその話しで行こう。」

(やっぱり1億5千万円で話が付いた、予算の5億以内で話が付いたから私の取分は少し増えた)

 

じゃ今夜はどっか飲みに行こうかもっと話を煮詰めよう。

(接待の強用である、ヤクザらしい)

 

分かりました、銀座に小ざっぱりした店がありますから出かけましょうか。(小ざっぱりとは安い店の事ククク)

 

若いものに運転させて銀座まで着く。

 

私がよく利用する、小さなクラブ。

 

こんばんわぁー。

 

「あらユキオさんしばらく、どうしてたかと思っていたわ。」

(こんな時代に毎晩銀座で飲める不動産屋は一人もいない住友と外資系ファンドぐらいだ)

 

はい、今日は仕事の話でね。

 

そうですの、だったら若い子つけるわね。

入ったばっかりの20歳のこがいるのよ。

(こんなのどこのヤクザの女か分からない、社長も判って居て30分ばかり二人にしてくれないかと言い出す)

 

「あらそうでございますか、分かりました大事な話があるのね。」

 

(さてここからつめの話しだ)