こんにちは。
大晦日です。
一体全体いつになったら振り返りブログをあげるんだってうだうだしていたら、晦日です。
きっと、大切なお知らせすらもう情報公開されているのでしょう。
さすがに年越してから振り返るわけにもいかないので、2024最後の大夜ふかしで書き進めております。
さて。
もう記憶も薄れている頃ですが。
『そこに居るひと』
全8公演が無事に終演いたしました。
ご来場いただきました皆様、そして応援してくださいました皆様、ありがとうございました。
今回のブログを書きあぐねていた理由。
それが、今作の苦労というか、演じるにあたっての気づきだとか、
「あまりにも集大成すぎた」
というのがありまして。
当日パンフレットを読んでいただいて、感想にもあげてくださっていた方もいらっしゃいましたが、
『そこに居るひと』という題名の作品でありながら、『そこに居ないひと』を演じておったわけです、私は。
という時点で。
話の根本なわけです。
毎度毎度、振り返りブログを上げていた私ですが、今回ばかりはもう、お客様に解釈はお任せしたい。
私がいろいろ書くのは野暮なのではなかろうか。
というぐるぐるのもと、書けずにおりました。
という言い訳です。
何を書いても蛇足、いらないかもな・・・と書いては消してをしておりました。
というわけで、番外編も番外編。
もはやご覧いただいた方にも伝わるか謎の、私の「気づいた人がいたらいいな」のコーナー
お話冒頭から参りましょうか。
まず、みんながいるシーンの私のモットーは
「いかに一緒に板の上にいるみんなに我慢させるか」でした。
ので、まあご覧いただいた通りになったわけですが。
演出さんからは特に止められることもなかったので好き勝手やっておりました。
作家の卵イチノワリの紹介シーンとか、めっちゃ細かく反応してみたり。
隣のクラスのケンタロウの衝撃の告白の前後、とか。
怒涛のサエさんトークの一部始終、とか。
喋ってない時間の方が忙しい。
個人的お気に入りは、実は目線はカスミちゃんだったんだよ〜ってとこ。
と、「聞かざる」のポーズですね。
続いてかつての想い人ホリオカと、シホちゃんの登場シーン。
稽古場では眉間に力入りすぎて、一回冷えピタ許可いただきました。
結局しなかったけど。
本番中も、本当に頭痛くなって眉間擦ってる回もあります。
場当たりかな、最終稽古かな。
一度も失敗してなかったあの椅子からの飛び降りで椅子が滑りまして。
無事着地してたので怪我はしてないのですが、本当ヒヤッとした。
ので、あれは奇跡の連続です、元バレー部の跳躍力様様。
怒涛の場面展開を経て、ミナヨ先輩とホリオカの大事なシーン。
本性をチラ見せするホリオカのセリフの中で唯一、
「そこにいて当たり前」
この言葉だけに心動きまして。
多分ソファの影で見えづらいのですが、そっと指輪を撫でたりしています。
当たり前を、叶えてあげられなかったこと。
・・・ね。
そして、私たちの一番大切のシーン。
の直前の、静かな時間。
あそこはなーんにも決めてません。
どの回も、きっと今やっても、毎度違うものが出てきます。
心配、安堵、期待、不安、裏切り。
突き放してみよう、見守っていよう、目を離したくない、もしかしたら、やっぱり。
歩き方も、速度も、距離も、詰め方も、止まり方も、目線も、指先も、力の入っているところも。
生だから、多分、きっと、届いていたと思います。
劇場の呼吸が浅くなったり、詰まったり、流れたりするの、バシバシに感じてましたから。
総じて言いますと、こんな重たい、役柄として悩みそうな役やりながら、めためたに楽しかったのです。
ちょっと息しやすすぎた。
で、役の特性上、すごくお客様と共鳴できた。
生の舞台の、楽しさってものを存分に楽しんだ!
って感想です。
その上で、嬉しすぎる感想がたくさんいただけて、お客様が受け取ってくださった表情を見ることができて、なんかもう本当に幸せだったのです。
だからもう、苦戦してたこととか、悩んでみたりしたこととかなんでも良くなっちゃった。
ありがとう。
少なくとも
「死んでしまっているから」
では片付けられない、『そこに居る』ことを早々と経験させてもらってしまったような感覚。
もろに「生きていること」を実感させていただきました。
そこにいるだけだったら。
そこに『居る』ってことは。
当たり前ではなくて、日常としてスルーしてはもったいなくて。
そんな一つ一つに引っかかっていける。
役者って、そんな素敵な職業なんだな、なんて。
発表させていただいた通りの岐路に立っている私には、ずしんと刺さって。
そんな作品にこの役柄で参加できたことを誇りに思います。
三十路の妻と聞いた時は戦慄しましたけどね。
さ、結局長々と書いてしまいましたが改めまして。
本作に関わった皆様。
仲の良すぎるキャストの皆様。
足を運んでくださった皆様、ご感想・応援の声を届けてくださった皆様。
大変遅くなりましたが。
本当に本当にありがとうございました
コンノチアキ 阿部雪音