こんにちはキメてる

 

早いもので終幕から1週間が経過しました。早すぎる。

役との向き合い方が変わるとこうも余韻が変わるものかと、いつもと違う失恋の仕方に心が追いついておりません。

スピード感あふれる作品でしたので、皆様の記憶が薄れてしまう前にマジで早く振り返ってくれとは思っていたのですが、腰が重い重い。

やっとこさ奮起して振り返りしてみたいと思います。

 

さて、改めまして。

『きのうが来た町、あしたが来る町』

無事8公演が終演いたしました。

応援してくださった皆様、ありがとうございました。

 

毎年恒例のように関わらせていただいている11月の加藤作品新作の座組ですが、毎度加藤さんから挑戦状をいただいております。

今作で加藤さんから私に与えられた試練は、

「考えるな、感じろ」

だったのかなと思います。

 

ひたすらに対話をして、考えを巡らせて、分析して…というのがいつもの私のお役との向き合い方。

 

そしてそれをよく知っていていつも許してくださっている加藤さん曰く、

「こういう役をやらせたらどうするのか見たくて」

 

おお丸腰。武器とられた。

 

そしてご感想でもいただいておりました、

「こういう子見たことなかった」

「ずっといるね」

「喉無事?」

 

ええ、わたしも台本を初めて読んだ時から思っておりましたよ。

すんごい喋るじゃん。

ハケてもすぐ出るじゃん。

若い子らしいエネルギーってすごい。

 

次々と空気を変えていくお役にはいつかは挑戦してみたいと思っていたものの。

何より最初に悩んだのは、

「とっかかりが掴めない」

ことでした。

 

だってさ、先輩にも言われてるけどさ、ほんと猪突猛進なんだもん。コハル。

なぜそういう思考になった?!って場面が山積みで、本気で台本の読解能力が下がったかと思って凹みました。

 

血迷った結果、

「レトロ好きってなんぞ」ってレトロ探しして探ってみたり。

何かヒントはないかと、お寺行ったり、バックボーン色々書き出してみたり。

 

いつもの方法に逃げてみたわけなんですけど。歯が立ちませんでした。

「なんか掴めなくて、居心地悪いままいてしまってて」

なんてアホみたいな助けを求めたりもしました。

 

そんな中で、一番印象に残っている言葉が

「どれだけセリフを華麗に捨てていけるかじゃない」

 

聞いたことないわけじゃないんです。むしろよく聞いてると思うんです。

けど、今回コハルを演じていく中で一番しっくりきたというか。

 

考えてないわけじゃないけど、考えてないんです。

うへー難しい。

 

ところが、その分析とやらを思い切ってやめてみたところで私に残ったやるべきことは1つ。

「心のドアを全開放する」

おお、得意分野。

そして、プラスして。

「コハルのちょっとした衝動にもドア全開にする」

はい、あとはやるだけ。

 

これがまあ、「考えるな、感じろ」です。

稽古を重ねますと、あんなにつまづいていたはずなのになんか見えてきた気がするんですよね。

分析しても具体的には表せないんですけど。

 

というわけで、確信的な道筋がたった訳でもないけど一心不乱に進める準備はできた、みたいな状態。

この作品の本筋に乗っかってしまったら、また違ってしまう。

私からすると、お客様が感情移入しやすい子ではないので、この作品をどんなふうに受け取ってもらえるのか、コハルを演じている私からは想像できない。

 

だからこそ、お客様の終演後の反応が本当に光でした。

面白かった、楽しかった、見れてよかった、もう一回見たい。

コハル視点だと、涙されるのは予想外でしたし。

 

心のドアを全開放したところで、飛び込んでくる諸々がなければ今回のやり方は成り立たなかった訳ですから、毎度丁寧に投げ込んでくださる共演者の皆様には本当に感謝ですし。

やっぱりご一緒できてることありがたいことだなと思うし。

 

毎度私が苦戦することを知ってて、それでも任せてくださる加藤さんには本当に頭が下がるし。

 

感謝の気持ちと、無事に終わったんだなという安堵にはもちろん包まれているのですが。

いかんせん、いつもと仲の深め方が違ったもので。

「失って 初めて気づく 大切さ」

と言わんばかりの謎の喪失感に苛まれております。

あー、ちゃんと向き合えてたんだなあ・・・って今更。

 

コメディ要素の強いシーンも、開幕から約1時間全速力フルスロットルでいく怒涛の台詞回しも、始まってしまえばなんのためらいもなくその場で文字通りイキイキと生きられたのは、気づいたらコハルちゃんが背中をぐんぐん押しながら並走してくれていたからなのかな。

 

それとも先輩が頼もしすぎたからかな。

思ったより、アキラさんへの「なんかいや」がエンジンだったのかな。

映像を見返してしまったら、しなくていい分析が始まりそうでまだ見れていません。

 

だからこそ、その目で見てくださった皆様に、「今」を全速力で走っているコハルちゃんが少しでも残っていてくださったらいいな、なんて思ったりしています。

 

さて一息。

ここからは、裏話〜飛び出すハート

 

プリン個人的に嬉しかったこと。

昨年離れることとなったものの、今年も何度かお世話になっているGフォースプロデュースさん。

の主宰、後藤先生と初めて芝居を交わせたこと。

実は共演はあったものの、同じシーンで板の上に立つのは初めてだったのです。

ちょっと、緊張した。

 

いつものおなじみメンバーとはいえ、なかなか目が合わなかったり、会話が成立しなかったりなお役が多かったので、ちゃんと芝居を交わせるのが初めてな方は他にもたくさん。

昨年の本番終わりに「次は人と話させてください!」って訴えておいた甲斐がありました。

 

コーヒー毎度恒例の衣装のこだわり。

コハルちゃんには、どうしてもオレンジのイメージがあったこと。

”レトロ”とか、”小春”っていうワードから、なんとなく華やかな花柄とかチェックのイメージがあったこと。

そしてなぜか、「絶対にストレートなヘアスタイルではない」という謎イメージが最初からあったこと。

 

そこに、諸々の事情が加わって。

 

タイムスリップを繰り返している間は白パーカーに”緑”のパンツスタイル。

実はこの時の髪飾りはお花を模したものだったりします。

”緑”なのは、少しだけ、ハツさんとのつながりを意識して。(という偶然の産物)

 

ガラッとイメージ変わって、後半は薄いベージュのスカート。

髪クルクルなイメージなのに、スカートはヒラヒラしてたら違うよね、っていうこだわり。

髪飾りは衣装チェンジと同時に3つのパールが連なったものに。

これもさ、なんか暗示してるみたいだよね。(っていうこじつけ。しかも元台本だと、ハツさんには寺を継がされた兄がいます。)

なかなかイメージがまとまらなくて、何度もチャッピーにカラーパレット作ってもらってました。

色の名前詳しくなった。

 

 

爆笑いつか白状するねって言ってた話。

ここまでコメディ要素が強くて、かつそこにメインで関わっている作品て初めてで。

アキラがさ、ドッキリマンシールのね、熱弁するシーンがあったでしょ。

と、その前後の先輩の顔芸。

稽古場で笑わないようにするのが本当に大変で。

顔芸に関しては見えてる訳じゃないのに。

「慣れたいので稽古させてください」っていう期間が最終稽古直前までありました。

頑張って慣れるじゃない。

で、劇場入りして場当たりするじゃない。

慣れたのにさ、今度は背後のその先輩のワタワタが全部視線の先のセットに影として見えるようになってしまってる訳ですよ。

そういえば私ゲラだった。思い出した。

その節は本当にご迷惑をおかけしました。

 

 

とまあ、こんな感じ。

気心しれた諸先輩方とたくさん意見を交わしつつ。

毎日の自撮りに写り込んでくれる、影ではめっちゃ努力家の愉快な先輩は相棒として心強すぎて。

今回も学びと、一歩次の景色をもらうことができました。

 

タイムスリップし続けるのは結構体力が必要でしたが。

皆様のご感想と、あの拍手と、あのお顔を受け止められたことが本当に幸せです。

 

改めて、足を運んでくださった皆様。

応援してくださった皆様。

ここまで、この垂れ流し振り返りを読んでくださったあなた。

 

そして、関わってくださった全ての方々。

 

本当に本当にありがとうございましたスター

2025芝居おさめたぞ。

 

 

 

 

 

今後の情報は随時告知してまいります。

来年こそラストイヤーかななあれとか・・・。

 

今後もどうか見ていてください音符

 

ではでは。