こんばんはうさぎ

公演情報のブログどころか、新年明けてから一度も書いていなかったこのブログをようやく動かそうと、久々に開いております。
お願いだから出演情報更新しようね・・・。


さて。
先日、
『タナトスの棲む町』


無事に全公演が終了いたしましたスター

足を運んでくださいました皆様、応援を届けてくださった皆様、ありがとうございました照れ

今作で私が務めさせていただいた「凪」という女の子・・・?オンナ・・・?


あまりにも稽古序盤での解像度が悪く、とんでもなく苦労していたと言うのに、本番が終わった今、「気持ち分かるよ・・・」まで染み込んでいったこの子の私なりの考察をつらつらと書いてみようかと思います。

ひとまず、現状に至るまでに、毎晩寝る前に「四宮さん」と「お兄ちゃん」と呟いてから寝る習慣づけをしていたことは、お伝えしておきますね真顔

 

 

そもそも今回の企画を知ったのは、星良さんのXの投稿をたまたま目にした時でした。
ご縁があったとはいえ、まさかお声がけいただけると思わず・・・。
いただいた台本を読んで「エンタメというより芸術」を感じたそうです、当時の私。
とにかくこんな触れたことのないタイプの作品に出られる機会を逃したくはない、と思ったことは覚えています。

同時に配役もこの時お聞きしておりました。
そうです、凪ちゃんとの出会い。

はてさて、恋愛のれの字もかなりご無沙汰な、その上こんなディープな愛なんぞ知らん私に、果たしてこの子の隣を歩く技量なんてあるのか・・・。
率直にビビりました。
が、出演をお願いする返信までたった1時間。

『ネバーランド』でみた星良さんのあの熱量以上のものが目の当たりにできるかもしれない。
あの時感じた、私にないものを今度は盗みに行けるかもしれない。
私にこの子を任せようとしてくれているということは、私の知らない何かに出会えるのかもしれない。
怖気付いて、この機会を逃したくはない。

えい一歩。

踏み出して良かった、と思っています。



そうして歩き出したのはいいのですが、懸念は2つ。
1個目。
本当に凪ちゃんやれる?

2個目。

こんな初めましてばっかりの現場久々じゃない?


・・・・・・うん。


さ、私なり凪ちゃん解釈の変遷をお伝えしてまいりましょう。
まず最初の印象は「友達にはなれないな」でした。


前提として私には「裏切る行為」に対する異常な嫌悪と、「嫉妬って大変」という謎の尊敬心があります。
察してください、登場人物がまず好きになれるのか不安だったのです
詰め合わせお得セットみたいな人物関係ですから。

自分の選択が間違っていないと信じ込むこと。
不安を見て見ぬふりをして、けれど抱えていることを忘れられないこと。
幸せを求めて足掻くこと。
振り返ってみれば、私自身が身を守るために放棄してきた感情たち
でも、いざ向き合ったとしても、私自身がたどり着くだろう道とは全くの別ルート。

へ、苦戦しておる。

スルッと飲み込めるようになったのは『四宮教』のワードをいただいてからでした。

心酔とか、洗脳とか、その類。
私自身が向き合ったあの時、寄りかかれる先があったら。
むしろその寄りかかれる先を探していたら。

あーなんか分かるかも知れない。

そうして私自身の洗脳を始めてみるわけです。
「四宮さん」「お兄ちゃん」と呟いてから寝るというアレです。
で、無駄に日中もつぶやいてみたりするわけです。
洗脳って簡単、こわ。

そしたら、ピースがはまっていくんです。
空っぽ。
ああ、見えてこないところってそういうことか。とか。
孤独。
そこまで説明するのってそういうことか。とか。

延長線上に、凪ちゃんがまといたい不気味さのモデルも発見しました。
宗教勧誘に来る、あの感じです。
幸せオーラなのに危うくて、近寄りがたい感じ。

ここまでくると、「恋に浮き足立ってる17歳くらいのキラキラ」とか「表向きいい子」なんていうオーダーにむしろ苦戦し始めるわけです。
凪ちゃんっていうあるようでない軸の中で、どこまで振り幅が許されるだろうか、なんてところまで考えてみたり。

「凪ちゃんじゃない・・・」ってよく言ってた気がする。

最後の最後の瞬間まで悩みまくりましたが、お届けしたものが全てだったように思います。
たくさん考えた凪ちゃんの片鱗を、皆様たくさん掬い上げてくださってて泣くうさぎ

そう、そうなんだよって感想を受け取っておりました。

今となっては凪ちゃんって、私のめちゃめちゃ近いところに居たんだなって思います。

私にとって、あの時寄りかかれたのが「賭けでもやってみたかった芝居をするためにもう少しだけ生きてみよう」っていう、か細い覚悟だっただけ。
「いきる」ための逃げ道を、探し続けているだけ。

最後の雑踏。
「きっと凪ちゃんは、四宮さんを失ったとしても、そのまま想い続けて生きていくんだろう。お兄ちゃんの幻想に問いかけ続けて、四宮さんからもらったはずの全部を疑うことなく抱え続けて、そうやってまた生きるために結局足掻きながら、空っぽを埋められる何かを探し続けるんだろう」
っていう、私の見解と、少しの期待がこもってます。
手に持つスマホは、劇場入りしてからのわがままを受け入れていただき、プラスさせていただいたものです。
思えば、私の最終的な凪ちゃんへの贈り物だったのかもしれません



というわけで、結局私は凪ちゃんをちゃんと愛せていた・・・のだと思っています。


それもこれも、共演の皆様のおかげあってこそ。
2つ目の「こんなに初めましての人ばっかりの現場久々じゃない?」に関しては全くの杞憂でした。



まずはシングルキャストのお二人。
紫苑は、ごめんなさい、役のイメージ先行で厳しい方なのかと勝手に思っていました。

もう優しくて、とにかく踊りが素敵で、向き合う姿勢がかっこよくて、是非とももっと絡みたかった・・・って思ってます。
なんだか近しいものを感じていて、たくさん甘えちゃった。

全てを曝け出すあのシーン、強く手を引いていただきました。

茜は、本当に纏っているオーラも可愛い。し、どこまでもまっすぐで、誠実で。
びっくりするスピードで素敵になっていくから、初舞台絶対いいものにしてほしいって思っていました。

力添えできていたらいいな。

絡み合うシーン、とってものせられました。

唯一舞台上での絡みはない東雲さん。
なんだ、ここまで振り切ってできるの羨ましいなぁって思っていました。私がとことん苦手な引き出しをどんどん開けていく感じ…?ポテンシャル万歳です。

今度は是非お芝居交わって学ばせていただきたい。

こちらも絡みは少ないけれど、自主練たくさん付き合っていただきました雨華さん。
一緒のシーン、私の最難関だったのでたくさんご迷惑おかけしました。
パワフルで、超のつくストイックで、気遣いの塊で、人として尊敬してます。

たくさんあったかい空気に巻き込んでいただきました。

お兄ちゃん。
きちんと会話するシーンは一度しかないのだけど、重い重いトリガーをずっと作ってくださいました。何回お兄ちゃんって呼んだか。
「真相についてはどっちを選択しても」と顔合わせの時に言ってくださったこと、実はすごく救いでした。結局意味深に描かれることになりましたが。

それも私たちが翔太と凪の関係性を構築できたからこそだと思ってます。ね、お兄ちゃん。

穹良さん。
本当に、本当に一緒に出来て良かった。
穹良さんが穹良さんだったからこそ、凪は凪だったのだと思います。帰り道、雨の中不安を吐き出しあったりもしましたね。
読み合わせから穹良さんだ!この人とやり合うのか、やばいな!って奮い立たせていただきました。きっと重圧もあったろうに、ムードメーカーでいつも明るくて素敵で、たくさん救われました。私は、あなたが大好きよハート

まあ、最後になっちゃうよね、四宮さん。
かなり自由にやらせていただき過ぎてしまったかなと、今更後悔しています。
普段から四宮さんすぎるので、とっても洗脳が捗って助かりました
けれど、相談する度、相談される度、めっちゃ考えてるなこの人っていう内容がとんでくるので、信頼して身を委ねてもいいんだなってずいぶん甘えさせていただきました。営業妨害だったらすみません。

こんなに自覚するほど役に引っ張られることもなかなかなくて、しかも引っ張られているのが凪ちゃんなものだから随分扱いづらかっただろうに、たくさんお話できて、仲良くさせていただけて、この座組に出会えて良かったなって。

そして逆班の皆様も。


逆班の稽古を覗かせていただくつもりが、ガラッと違う皆様のお芝居に刺激やら学びやら、時に悔しさやら、たくさんたくさんいただいてしまいました。
場当たりもゲネも、台本を読み込んでいる私たちがまた一味違う気持ちで本番前にこの作品に触れられるのって贅沢すぎて。
だからこそ、劇場入りしてからやりたいこと増えちゃったりして。
そんな皆様といつかお芝居が交わせたらいいな、って思っております。

スタッフの皆様。
ひとつの現場でこんなに仲良くさせていただいたスタッフさん、もしかしたら初めてです。
より、一緒に作ってるんだって実感してとてもとても心強かった。
今後もご縁がありますように。

そして。
星良さん。
この人って、やっぱりすげーんだなって思いました。
だからこそ、それでこそ。って。
星良さんが私にみた「凪ちゃん」が望んだ形になっていたのか、もはや怖くて聞けませんが。
凪ちゃんに出会えたこと、この作品に出会えたこと。
挑戦したい、星良さんのもとでなら挑戦できるかもしれないと思わせてくださったこと。
素直に感謝しています。
なんか悔しいので、幸せになってやるからみててください。


最後に、ここまで読んでくださった皆様。
きっと、応援してくださった皆様。
ありがたすぎるお言葉がたくさん届いております。


好きになれるかすら心配だった凪ちゃんのことまで、一緒に愛してくださって嬉しい限りです。
主宰が「賛否呼ぶかも」なんてポストしていたのと同様に、凪ちゃんも「嫌われても一興」って思ってました。むしろ、嫌がられたら勝ちって思ってたかも。
私自身も凪ちゃんのことを愛せて、ご覧いただいた皆様にも興味深く考察していただけて、阿部は幸せでございます。
幸せすぎて怖くなって、一旦寝付けなくなったりするくらい幸せです。
高校時代からの友達に、
「こういうシーンがあって、私のイメージはどうしてもバックハグなんだけどさ、やり過ぎかな、てかバックハグなんてやったことないし、え、体勢の正解なに?」とか血迷った相談してたあの頃の私に、とりあえず落ち着けって大丈夫って微笑みかけられそうです。

娘とか三女を通り、彼女とか奥さんまでレベルアップしてみたり、新人から班長まで昇格してみたり、人間じゃなくなったり、がむしゃらに生きてみたり、死んでみたりしてきた私ですが、今回は間違いなく新境地。
挑戦できたこと、そしてそれを見届けてくださった皆様がいること
変わらず恵まれた環境に身を置かせていただいているなと、改めて噛み締めています。

どうか頭の片隅に、「凪」の一文字が棲みついていてくれたら。
この作品の印象が、ふっと胸をなでる瞬間があったら。

心から嬉しく思います。

改めまして、劇場に足を運んでくださった皆様はじめ、この作品に関わって出会ったくださった皆様。
本当に本当にありがとうございましたハート

 

 

凪ちゃん。

私に、もう一度向き合う機会をくれて、違う道を見せてくれて、ありがとう。

私ももう少しだけ、足掻いてみます。

 

 

そしてそして。

Xではたびたびポストしておりましたが。

このブログを投稿した翌日。

2025年4月26日(土)12:00より。

 

本作、『タナトスの棲む町』全4バージョンの配信がスタートします目がハート

 

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藍星良produce番外公演

『タナトスの棲む町』配信版

 

◆配信期間

4月26日 (土) 12:00~ 5月10日 (土)23:59

*ご購入は5月10日 (土)20:59まで

 

◆販売公演

ピンク音符Lycoris cast/松澤香奈

ピンク音符Lycoris cast/藍星良

 *以上2ver 阿部出演公演*

ブルー音符Viola cast/松澤香奈

ブルー音符Viola cast/藍星良

 

◆視聴券

各公演2,500円

 

◆ご購入

 

 

*キャスト別扱いでのご購入が可能です。

阿部扱いにしてくださったら嬉しいな・・・花束

 

*特典で全公演に本公演のテーマ曲のデータがついています拍手

Google上でのダウンロードとなりますので、Googleアカウントをご用意の上、ダウンロードをお願いいたします。

 

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前代未聞の文字数でお送りしているブログをご覧いただけばお分かりの通り、私にとってとっても大切な作品です。

出会えてよかった存在で、これから先もきっと大切にしていくであろう子の一人です。

 

エンタメ、というより芸術です。

たくさん考察して、噛み砕いて、感じたものをどうか抱えて。

 

また会ってくださる方も。

まだ出会えていない皆様にも。

たくさんの方に届きますように。

 

 

 

ではでは。