「松井、お前はレフェリーだろう?
レフェリーは真面目にやれ!」
ムチャクチャ当たり前の言葉なのに、やけに響いてきた。
今だから言うけど、京平さんが来た時点で俺の心は折れていたと思う。
あの人が登場してから俺がヴァンパイアを離れるまで二ヶ月あったけど、五月のホールに姿を現した時点で俺が負けるのは時間の問題だったのかもしれない。
やはり、あの人の存在は俺にとっては特別なものなんだろう。
七月の時に師匠が俺をかばってボックスを食らった時には、頭が真っ白になった。
あの状況で
「お前が叩け!」
と言われたら、俺には三つ叩くしか選択肢は残っていなかった。
ずっと意地になって、
「おい京平!」
って言ってたけど、思い返すと冷や汗ものだ。
かわいい弟子が少しだけ非行に走ったと思って、許してください。
散々悪さをして嫌われまくった結果ケツをまくって、一体何だったんだと思っている人も多いと思う。
岸和田おやぶんからも、
「マイナスにしかならんのちゃうか?」
と言われたものだ。
確かに、よそ様にレフェリーで呼ばれる際には敬遠されただろうし、何より、自分で興行をやる身としてはファンを敵に回すのはマイナス以外の何物でもないだろう。
でも、仮に一時はマイナスだったとしても、それもこれも試合をしたことも含めて全てが、最終的には自分の糧になると思っている。
京平さんにも、七月の後楽園の試合後に
「これからレフェリーとしてやっていく際に、役立つ事もあるだろ」
と言われたし。
だから、ヴァンパイアでやっていた事を今さら否定はしません。
そういや、試合もしたなぁ。
嫌な事を思い出してしまった。
これだけは消したい過去だ。
まぁ、どっちにしろ素人が試合をしたという汚点は消せない訳だから、どうせだったらちゃんとしたレスラーにボコボコにされて、今までとは別な角度からレスラーの凄さを感じてみたかった、という気持ちは3%くらいある。
もう絶対にしないけど。
試合に関しても、これはもういい経験だった、という事にして消化するしか仕方ない。
うん、いい経験だった。
という訳で、和田京平師匠の存在に完敗を喫し、悪の道から足を洗いました。
これからは、師匠に追い付け追い越せを目標に、レフェリー道を邁進していきます。
今まで好き勝手やってきて、不快な思いをさせてしまったレスラー、ファンの皆さん、どうも。
若干の反省はしていますが、後悔はしていません。
なので、少ししか謝りません。
これからも、DDTをどうかよろしく。
ごめんね。
※このシリーズ終わり。
レフェリーは真面目にやれ!」
ムチャクチャ当たり前の言葉なのに、やけに響いてきた。
今だから言うけど、京平さんが来た時点で俺の心は折れていたと思う。
あの人が登場してから俺がヴァンパイアを離れるまで二ヶ月あったけど、五月のホールに姿を現した時点で俺が負けるのは時間の問題だったのかもしれない。
やはり、あの人の存在は俺にとっては特別なものなんだろう。
七月の時に師匠が俺をかばってボックスを食らった時には、頭が真っ白になった。
あの状況で
「お前が叩け!」
と言われたら、俺には三つ叩くしか選択肢は残っていなかった。
ずっと意地になって、
「おい京平!」
って言ってたけど、思い返すと冷や汗ものだ。
かわいい弟子が少しだけ非行に走ったと思って、許してください。
散々悪さをして嫌われまくった結果ケツをまくって、一体何だったんだと思っている人も多いと思う。
岸和田おやぶんからも、
「マイナスにしかならんのちゃうか?」
と言われたものだ。
確かに、よそ様にレフェリーで呼ばれる際には敬遠されただろうし、何より、自分で興行をやる身としてはファンを敵に回すのはマイナス以外の何物でもないだろう。
でも、仮に一時はマイナスだったとしても、それもこれも試合をしたことも含めて全てが、最終的には自分の糧になると思っている。
京平さんにも、七月の後楽園の試合後に
「これからレフェリーとしてやっていく際に、役立つ事もあるだろ」
と言われたし。
だから、ヴァンパイアでやっていた事を今さら否定はしません。
そういや、試合もしたなぁ。
嫌な事を思い出してしまった。
これだけは消したい過去だ。
まぁ、どっちにしろ素人が試合をしたという汚点は消せない訳だから、どうせだったらちゃんとしたレスラーにボコボコにされて、今までとは別な角度からレスラーの凄さを感じてみたかった、という気持ちは3%くらいある。
もう絶対にしないけど。
試合に関しても、これはもういい経験だった、という事にして消化するしか仕方ない。
うん、いい経験だった。
という訳で、和田京平師匠の存在に完敗を喫し、悪の道から足を洗いました。
これからは、師匠に追い付け追い越せを目標に、レフェリー道を邁進していきます。
今まで好き勝手やってきて、不快な思いをさせてしまったレスラー、ファンの皆さん、どうも。
若干の反省はしていますが、後悔はしていません。
なので、少ししか謝りません。
これからも、DDTをどうかよろしく。
ごめんね。
※このシリーズ終わり。