f14d36dc.jpg自分がDDTに入ってしばらく経ったくらいの事。
佐藤さんから、
「今メキシコに行っているやつが帰ってくるから、DDTで使ってくれないか」
という話をもらいました。
佐藤さんの薦めなら間違いないだろう、と、大社長も即決し、その子はウチに上がるようになりました。
初めて見たその子は、自分の想像よりも背が低く、野暮ったく、あか抜けない印象でしたが、「おやっ?」と思わせる技術を持っている選手でした。
しかし、その頃はまだ彼は自分の中で、“佐々木大輔とやら”でしかありませんでした。

彼はその後も大きな活躍の場こそありませんでしたが、与えられた仕事を確実にこなし、徐々に周囲の信頼を得るようになっていきました。
親戚がDDTに上がっていた時期は姿を消していましたが、その後戻ってきた彼は髪が伸び、体も大きくなり、実に堂々とした佇まいを身に付けていました。
自分が、自分の大会で飯伏とのシングルが見たいと思うほど、彼はいつの間にか魅力のある選手となっていました。
“佐々木大輔とやら”はもうどこにもおらず、そこには“佐々木大輔”がしっかりと存在していました。

8/29後楽園で、佐々木はHARASHIMAの持つKO-D王座に挑戦します。
大阪大会で佐々木がHARASHIMAをタッグで下した際、佐藤さんは
「これは勢いじゃない。佐々木の実力だ」
と言いました。
確かにその通り。
今の佐々木は、HARASHIMAに勝てるだけの力を付けてきていると確かに感じます。
しかし。
後楽園のメインのシングルというのは、自分は聖域だと思っています。
限られた人しか上がれない。
限られた人しか到達できない。
そんな聖域だと思うんですよね。
ウチでも、佐々木より遥かにキャリアがあっても到達できていない人はたくさんいます。
そんな中、彼がどんな戦いを見せるのか?
HARASHIMAという巨大な壁に、押し潰されてしまうのか?
それともブチ破ってみせるのか?
どちらにしろ、彼の今後のレスラー人生を左右する、重要な一戦になることは間違いないと思います。
ただ、彼なら何かをやってくれるんじゃないか、という期待は自分の中に結構あったりするんですよね…。
何はともあれ次の日曜、後楽園大会、メインイベント、KO-D無差別級選手権試合、是非注目していただきたいと思います。
…ま、彼はウチの所属じゃないですし、ここでコケてもどうなっても、その時はその時ですけどね!

さて、明日から札幌に入ります。
10/10(日)15:30からの札幌テイセンホール大会の営業です。
一年ぶりにお会いする方がたくさんいるので、非常に楽しみです!