竜に拐われた姫 - 能恵姫伝説
今から500年以上前にあった話として地元に伝わっている伝説。
秋田県には竜に纏わる伝説が多く
八郎潟の主の八郎太郎の話 田沢湖の竜になってしまった娘の辰子の話 そして湯沢には竜に拐われた姫の話である能恵姫伝説が秋田県の三大竜伝説と呼ばれている。
能恵姫は湯沢市の北端に位置していた小野寺氏の支城の岩崎城の城主小野寺河内守道高の娘として誕生した。
何時も泣いていて両親も心配する程だった。
その頃 姫の世話をしていた侍女が庭の松の根元で姫をあやしていた時玉子ソックリの綺麗な白い石を見つけて姫に持たせると 直ぐに泣き止んでニコニコしだした。
城主にその事を伝えると父は大層喜んでその石を 玉子石 と名付け能恵姫の守り石にするよう命じた。
ジジイが若い頃岩崎の青年団が能恵姫の伝承を確かめようと城内にあった井戸の底をサラッた事があった。
驚くべき事に井戸の底の泥の中から伝承通りのたまご型の石が数個発見され地元紙にも取り上げられていた。
その後 能恵姫はすくすくと育ち皆を安心させていた。
幼い能娘姫は毎日用便を侍女に抱かれ庭の片隅でしていた。
何時ものように姫が用を足していると小さな白蛇がその様子をジッと見ている事に気がついたがその時はそのままにしていた。
ところがそれから姫が用を足す度にその小さな白蛇が何時も出て来てはジッと見ている事に気づいた。
ある日 何時ものように出て来て見ている白蛇に侍女がからかう様に言った。
「お前が姫のしたモノを片付けてくれたら姫サマが大きくなったらお前のお嫁さんにあげるよ♪」
するとそれ以来 姫の用便は何時もキレイに消える様になっていた
そんな事があって能恵姫は美しい姫に成長した。
十五になった能恵姫に縁談話が持ち上がった。
相手は川連城主の息子の小野寺圭之助という若さまだった。
能恵姫は嫌だったが父の決めた事には従うしかなくとうとう婚礼の日を迎えた。
その日は雲一つなく晴れ渡った日で能恵姫を乗せた輿が岩崎城の下を流れる皆瀬川を渡っていた時だった。
それまで雲一つなく晴れ渡っていた空が突然真っ黒な雲に覆われたかと思うと辺りは激しい雨と風で真っ暗になり川の流れは荒れ狂った。
姫を乗せた輿を担いでいた人夫も荒れ狂う波に翻弄され必死に向こう岸を目指していた。
すると今までの嵐が嘘のように先程までの青空が戻りホッとして輿に乗っている筈の姫を見上げると姫の姿が何処にもなかった。
慌てて川の中や岸を探しても見つからず大急ぎで城に伝えに走った
城主は驚き直ぐに村人まで集めて川の下流まで探させたが姫を見つける事は出来なかった。
事の次第を川連城主に伝え 婚礼の日を延ばして貰うようにお願いした。
その後も姫の所在は杳として判らないままだった。
冬が間近になった頃 家臣の一人が城から川に下りる斜面で芝を切っていた。
その時 家臣が持っていた山刀を手を滑らして深い淵に落としてしまった。
家臣は山刀を拾おうと直ぐに川に飛び込んだ。そこは栄淵と呼ばれる深い淵になっている場所だった。
落ちていく山刀に漸く追いつき手にした家臣が自分の周りに水が無い事に気がついた。
見ると前方に大きな洞穴の入り口が有りそこから薄明かりが漏れているのが見えた。
不思議に思って近づいて中を覗くとなんと能恵姫がハタを織っていた。
驚いて近付こうとして家臣は立ち止まった。
能恵姫の側に白い大蛇がとぐろを巻いて眠っていた。
そんな家臣に気づいた能恵姫が静かに家臣の側まで来ると家臣に「私は昔の因縁でここから戻る事は出来ません」と言うと着ていた小袖の袖を切り髪を家臣が持っていた山刀で一握り切ると「これを私の形見として川連の圭之助さまに渡してください」
と言うと早く帰るよう促し再び奥に戻って行った。
家臣は直ぐに城に駆け戻り城主に姫から預かった小袖の袖と髪を渡しその事を伝えた。
話を聞いた両親は驚き大いに悲しんで城内に水神様を祀る社を建立し姫の菩提を弔った。
この事は川連の圭之助にも伝え姫の髪と袖を渡した。
圭之助は麓の村に能恵姫を弔う寺を建立し袖と遺髪を寺宝にして菩提を弔った。
寺の名前は竜泉寺といい初めに建てられた場所から移され今は我が家も檀家になっている。
小袖の袖と姫の遺髪は今も大切に護られている。
その後 住処にしていた栄淵に上流の鉱山から毒水が流れ込む様になり新たな住処を探して皆瀬川を遡ったが 既に竜が住み着いていたりしていたので 成瀬川を遡りそこで赤滝という場所に住み着いたと謂れている。
この赤滝は日照りの時に雨乞いをすると霊験あらたかだと遠くは仙北地方からもお参りに来ていたという。
この話には後日談もあり 我が家の集落から姫の侍女として務めていた家に伝わる話として 能恵姫は実はブ男だった圭之助に嫁ぐのは絶対にイヤだと駄々をこねて父親を困らせていたらしい。
困り果てた父親の岩崎城主は窮余の策として小野寺氏と親しい越後の上杉家を頼った。
上杉家では姫を側女にしたか家臣の誰かの妻とする様にしたかは定かではないが密かに越後に行った と話していたらしい🤣
美人だったと云うからその後は幸せに暮らしたのだろう♪
哀れなのは若君 圭之助で何故か川連城から少し離れている私の集落に圭之助を祀ると云われている台座から3mもあるお地蔵様が我が家の近所にある。
振られた圭之助様こそ
『Feel Like Making Love』だったんじゃないの〜✌️😁