Sakura 20 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ













隣の部屋にすら、帰したくない。智は乱れた布団の上で和を背中から抱きしめたままじっとしていた。和もまた、このままここにいたいと思っていたが、 口に出たのは正反対の言葉だった。


「戻らなきゃ…」


「ここで…寝ろよ」


もぞもぞと動き出した和を智はぎゅっと抱き込んだ。和は寝返りを打って智の方を向いた。


「明日は大変な一日になるんだから…ゆっくり休まないと…」


「ん」


和が頬を撫で、智の髪を梳いてくれるのが、智には心地よかった。


「大丈夫…お前と一緒の方が…眠れる」


「大野さん…」


(ほんとは俺も、大野さんと一緒の方が…)


と言いかけて、和は先ほど最中に智にねだったことを思い出して急に恥ずかしくなって、智の胸に顔を埋めた。智は自分の胸に顔を埋める和を抱きしめながら、迷っていた。和の言う通り、間違いなく、明日は大変な一日になる。


(でも、それが終わったら…)


「あの、さ…」


「ん?」


「明日…奴を片付けられたらさ」


思いつめたような智の顔つきに和は眉を寄せた。


「大野さん、そのことだけど」


「へ?」


和から出た言葉に智はびっくりした。この想いは、告げる前に打ち砕かれるのかと、智ははらはらしながら和を見つめた。


「あの…明日、本当に無理しないでね」


「ああ…」


そっちか、と智は内心ほっとした。思わず和をぎゅっと抱きしめ直す。明日のことに思いを馳せると、脳裏に七右衛門の、悪事を極めつくしたような尖った顔つきが浮かんできた。


「やっと見つけたかんな…逃すわけにはいかねぇ」


自分を抱きしめる智の腕に、智は知ってか知らずか、力がこもっていくのを感じて和は不安になった。


「あのね、大野さん…明日、そいつをやれなくても…生きてさえいれば、仇を討つ機会は必ず巡ってくるよ」


和はまた智の頬を撫でた。


「生きててね」


そう言って微笑む和の瞳は、朝の眩しい太陽に照らされた波打ち際の水のようにきらきらと澄んでいた。


(すげぇきれいで…簡単に、壊れちまいそうだ…)


智は自分の頬を撫でる和の手を取って、ぎゅっと握りしめた。


「口ん中に毒仕込んでる奴に言われたかねぇよ」


「ふふ…それは仕方ない」


和はなんでもないことのように微笑むと、目をとろんと細めながら言った。


「ね…明日生き抜くために…今日はもう寝よ?」


「ん…」


そのまま、和は智の胸にまた顔を埋めた。智は、


(今は…明日の…目の前のことだけ…)


と思い直し、和の背中を布団の中へ包み、しっかりと抱き寄せた。