苦手な方はご注意くださいませ
Side N
潤くんは立ち上がると、ソファに座った俺の前でかがんで言った。
「じゃあ、俺につかまって」
言われるまま首に両腕を回すと、潤くんの力強い腕が俺の脇の下と膝の裏へ入ってきて、ふわっと抱き上げられる。
「な、なな何で?」
咄嗟に、潤くんの首にしがみつく形になってしまって、顔が熱くなった。
「だってほら」
潤くんは俺を寝室へ運びながら、ニヤリと笑った。
「かっこいいのと、かっこよくないの、どっちがいい?って話ですよ」
「Jも意外とバカなんだね…」
「も、って何だ?そんな言ってると下ろしますよ、姫」
廊下で、下ろすそぶりを見せられて、俺は思わず潤くんの首にぎゅっと抱きついた。
「ふふっ…大丈夫だって」
しがみついた俺の胸のすぐそばで、潤くんが笑う気配がした。
どうしよう…
潤くんに頼りきって、
甘えきっている自分に、
少し前から気づいてはいたんだけど…
潤くんが黙ってしまった俺を気にして「ん?どうしました?」と聞いてくれた。
ぎゅ、と抱きしめると、あやすように、ぽんぽん、と背中を叩かれる。
「大丈夫だよ。ニノは智さんのってわかってるって」
潤くんの声が優しくて、俺は潤くんの首筋に顔を埋めたまま首を振る。
潤くんは俺を抱きあげたまま、寝室のドアを開けてベッドに俺を横たえた。