恋するのに、難しくも易しくもありません 2 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ



























Side N







「レ・ミゼラブル」


「…相変わらずのしりとり偏差値だなっ」


台本を目で追いながら、セリフを言う。特殊なシーンでもないし、大野さんはちゃんとセリフを覚えていて、特に何の問題もないように思えた。



…はあ…何してんだろ…



…なんで、好きな人のラブなドラマの練習相手なんか…



『世界一難しい恋』を地でいく俺じゃなきゃ、メンタル崩壊だよ。



「くちづけ」


「警戒態勢」



…ん?



この流れって…



「…接吻!」



え?



台本に目を落とすと、「キス」のニ文字が見えた。


「…キス…すんの?」


俺が聞くと大野さんは気まずそうに、台本に視線をやった。


「ん…するみたい…」


「へえぇ、大野さんがついにねぇ」



…って、



特殊なシーンって




…キスシーンなの⁉︎





大野さんの『特殊なシーンだから、ニノに一緒にやってもらって』という言葉が脳裏をよぎる。



それって…



どういう意味なんだろ…



「えっと…キスも…練習…する?」


さりげなく聞きたい、と今まで以上に思ったのに、顔が熱くなるのが自分でもわかった。



なんてこった、『最も秀でた男』が…



「ニノが…嫌じゃなかったら…おいら、そんなシーン、初めてだから…」


大野さんは、珍しく赤くなって目を逸らした。



そっか…



初めてのキスシーン、相手役に迷惑かけたりする前に、



気心知れたメンバーで練習させてもらいたいってこと…



「俺で『練習』したいんだ?」


「そっ…ぉかも…しんない…けど…練習とかって…言い方あんだろ」


「でも練習だよね?」


慌てる大野さんが可愛くて、俺は少し拗ねたように言った。


「ん…」


大野さんは気まずそうに何度も首元を自分の手でさすった。



練習でもなんでも



やりますよ。



だって、しょうがないじゃん…



それでもいいって思うほど、好きなんだもん。



…まいったな、やっぱり、フツーの人は…メンタル崩壊するよ。



「いいよ。もっかい最後のしりとりのとこから」


大野さんは唇を尖らせてこくっと頷くと、一瞬社長の顔になる。


「…本音」


「寝癖」


「接吻…あっ…『ん』だ、俺の負けだ…」


大野さんは、目を白黒させてオロオロする演技をした。

そして、俺に向き直って、俺の顔をじっと見つめた。

自分の唇に、大野さんの視線を感じて、抑えようとしても、胸がドキドキ鳴り始める。

大野さんは片手をソファについて、顔を俺に近づけた。



息のかかる距離でこの人を見るのなんて、もう何度もあるのに…



これは、練習なんだ、って思いが蘇って、胸が苦しくなった。

大野さんが瞳を閉じたから、俺も閉じる。

ちゅ…と唇が軽く押し付けられて、すぐ離れる。



これは、練習…



自分に言い聞かせながら瞳を開けると、ぎゅうっと眉を寄せた大野さんの顔。


なんて顔してんの、と言いかけた時、大野さんの唇が、もう一度重なった。


「っ⁉︎ 」


今度はすぐ離れていかない唇に、混乱する。


唇に感じる、大野さんの吐息。



動けない…



胸が、うるさい。



離れては、またすぐに角度を変えて重ねられる熱い唇に、酔わされそうになる。



こんな何回も



キスする台本…なんだっけ…⁈



大野さんは、目を閉じたまま、何回か俺の唇を啄むようにキスをした後、はっと我に返ったように俺から離れた。