Side O
俺の与える刺激に眉を寄せて何度も熱い吐息を漏らすニノは可憐で、俺は時折意地悪しながら、下へ、奥へ、進んでいった。
「あっ…っはぁ…もう…」
切羽詰まった声に促されて、体を左右に大きく開いていくと、ニノは目をぎゅっと閉じて顔を横へ向ける。
「やっ…恥ずいから…早く…来てよ…」
懇願するような声を漏らす口元が可愛くてしばらく見惚れる。瞳も、体も、中心も、全てが熱く潤むニノの、全部が愛しかった。
「ね…もう、無理…」
ニノは俺に膝裏を掴まれたまま、もどかしそうに体を揺すった。
ああ、おいらだって、無理だよ。
いちばん、近くにいくから。
もう、待たさねぇから。
体をひとつに重ねてゆくと、ニノは俺をせがむように、手を伸ばした。
「…好きにしていいとは…言ったけどさ…」
ぐったりとシー ツに頬をつけて、目を閉じて呼吸を整えていたニノは、ゆっくり目を開けた。
「ごめん…」
完璧に唇を尖らせてしまったニノを抱き寄せる。
「何回シてんのよ…」
ニノは横になって自分を抱きしめる俺を恨みがましい瞳で見つめた。
「ごめん…」
あやすように背中を撫でて、頰も撫でて、髪を梳く。ニノの表情がだんだんと柔らかくなっていって、俺はほっとした。
あからさまにほっとした顔をしていたのか、ニノは一瞬、ふ、と笑って、俺の片腕に自分の体を巻き付けた。
「勝手にいろいろ迷って、勝手にどっかに行ったら…許さないから」
拗ねたようなニノの声に、心の底から、温かい、ふわふわした気持ちが出てきてくすぐったくて、俺はくふふっと笑った。
「勝手にいろいろ迷って、勝手にどっかに行ったら…許さないから」
拗ねたようなニノの声に、心の底から、温かい、ふわふわした気持ちが出てきてくすぐったくて、俺はくふふっと笑った。
「あなたが勝手にどっかに行ったら、俺だってすごく困るのよ」
ニノはふふ、と笑っている俺を呆れたように見つめた。
「何うすら笑ってんの…わかった?」
「ん、わかった」
「ホントにわかってんのかね」
いつのまにかまた尖っていた唇にキスを落とすと、今度はニノの方から唇が近づいてきた。
-終-