ニノちゃん、もとい、二宮さん、キネ旬主演男優賞おめでとう!
ニノちゃんのアウトプットが評価されたと思うと1ファンとしてすごく嬉しいです。
で、妄想は…バレンタイン、大宮で何か書こうかな?と思ったけど結局、華麗に(?)スルー(^_^;)
メッセージ、「櫻宮好き」も「大宮多め希望」もいただいてます。
どちらもめっちゃ嬉しいです\(^o^)/
ありがとうございます!
大宮は…もうちょい待ってくださいませ♡
櫻宮、なんやかんや長くなりました(;´▽`A``
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Side N
「今日、車あるけど、乗ってく?」
「え…」
「親父のだけど…今日、借りてきて、こっちにあるから」
翔ちゃんは照れくさそうに笑いながら言った。
「乗りたい!…もしかして、俺の発表あったから?…な、わけない…か」
「…バカ。お前の発表あったからだよ」
翔ちゃんはふいっと目をそらすと、スタスタと早足で歩いていった。
「ま、待ってっ…ありがとっ…」
俺が焦って追いかけて、また隣に並ぶと、翔ちゃんは俺をちらりと見てふっと微笑んだ。
「ん…今日だけな。入学したら、ないから」
「うん!」
正門を出て、駅方向に伸びる道を翔ちゃんは途中で右に折れた。ほどなく現れるマンションの角の部屋を指で指すと、「あれ、俺の部屋」とつぶやいた。
あれが翔ちゃんが一人暮らししてる部屋…
中層マンションの3階に位置するごく普通の部屋だった。ベランダの方から、カーテンのぴったりしまった窓が見える。
「ね、翔ちゃん…翔ちゃんの部屋行ってみたい」
「ダメ。今日は早く帰って親御さんに報告しなさい」
「さっきメールしたもん」
「ダメだって。また今度」
翔ちゃんが怒ったような顔でむすっとして言うから、俺は諦めた。
「ちぇ…じゃ、今度絶対だよ?」
「…ん」
翔ちゃんは考え込むように前を見つめたまま答える。
マンションから2分ほど離れた左手に駐車場があった。
「これね」
白いセダンの前に立ち、翔ちゃんはドアを開けた。
こういう場合、助手席でいいんだろうか。
一瞬迷いが頭をかすめたけれど、ぼーっとしている俺に翔ちゃんが「ニノ?」って声をかけたから慌てて助手席に乗り込む。
「ニノ、結構車酔いするタイプだったよね?」
「ん…最近はマシになってきたよ?…運転にもよるし」
「そりゃプレッシャーだな…」
翔ちゃんは苦笑すると、エンジンをかけて、ゆっくりと車を出した。
翔ちゃんの運転は、酔うどころかむしろ快適だった。俺はすっかり安心して助手席に深く身を預けた。
「…寝てていいよ。疲れただろ?」
「大丈夫。発表見ただけだもん」
「俺をだます演技もしたじゃん」
翔ちゃんが間髪いれず拗ねたような声でツッコミを入れるから、俺は思わずふき出した。
「翔ちゃん、怒ってる?」
「怒ってる」
車は信号待ちで静かに停止する。
「翔ちゃんも演技するんだね。怒ってる演技」
俺が言うと、怒ったようにむすっとしていた翔ちゃんはぶっとふき出した。
「ったく、お前は…」
ふふっと俺が笑うと、翔ちゃんも笑った。
信号が青に変わって、翔ちゃんは落ち着いた様子でまたゆっくりと車を走らせた。
「…ニノ。やったな。」
「うん…」
「おっかさん、喜んでたでしょ?」
「ん…今晩ハンバーグだってさ…子供みたい…」
さっき来た母親からのメールを思い起こしながら呟く。嬉しいけれど、なんだかくすぐったかった。
「子供なんだから、しょうがないだろ?」
くっくっと笑いながら、翔ちゃんは目を左右に走らせて安全を確認し、ハンドルを切って左折する。
ぎゅっと胸が痛くなった。
翔ちゃん…
俺もう、大学生になるよ?
子供じゃないよ…