先生なんて呼ばないで 11-2 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。









Side S








「み、見に行ったの?」


ニノはこくんと頷いた。その手がぎゅっと握られているのを見て、俺はごくっと唾を飲み込んだ。


「どうだった…?」


「一人で見て…ごめんね…」


ニノはぼそっと呟いた。


と思うと、次の瞬間、にこっと笑った。


「受かってたよ!」


「なっ…」


意味がわかったと同時にへなへなと力の抜ける俺に、ニノは飛びついてきた。


「おまっ…ウソつくなよっ」


「ふふふっ…俺、ウソはついてないよ?」


ニノは俺の体を抱きしめて、キラキラした瞳で俺を見上げた。さっき青白く見えた頰にはピンク色が差して、唇もつやつやと見えて、俺は恐る恐るニノを抱きしめた。


「受かったよ?先生、何か言って?」


「…おめでとう!」


ぎゅっと抱きしめると、ニノは甘えるように顔を俺の胸に寄せた。


「おめでとう…ニノ」


「先生の…おかげ」


ニノは顔を上げてふふっと笑った。



やっべ、かわいい。



このまま、連れて帰りたい…



「あーっ、翔と幼なじみくん!どうだった?」


突然、声が上がってそちらを振り向くと、クラスメイトのケイタとケイコ…


「受かりました」


ニノが俺の体から離れながら笑って答えると、ケイコは破顔した。


「おめでとう!」


「そっか~めでたいなあ。これでお前さんもここの学生だね」


ケイタは俺の方を向いてニヤッと笑った。


「春が来ましたなあ」


「うん…よかった…まあニノが頑張ったからだよ」


「違うって、お前にも春が来たなって」


「は?」


ケイコも手を口元に持って行ってふふっと笑った。


「2人、ぎゅうっとしてたよね~こーんな公衆の面前で」


「そっ…それは…嬉しくて…つい…」


「さっき、声かける直前、お前鼻の下超伸びてたぞ」


「のっ…伸びてないわっ」


恥ずかしくて、ニノの方を見られない。


「じゃあ、そろそろ行くね。幼なじみくん、名前なんだっけ?」


ニノはにこっと笑った。


「二宮です。それでニノ」


「そっか、覚えとく。今度会うときは後輩だな」


「ニノ、バイバーイ」


2人がテンション高く行ってしまってから、ニノは俺を見上げてまたにこっと笑った。ゆっくり俺の顔に手を伸ばす。


「鼻の下…」


そう言って、ニノは俺の鼻の下、唇の上にそっと触れた。


「の、伸びてないだろ?」


「わかんないよ」


片手で口元を覆ったまま、ニノはころころと笑っていた。