Side N
大野さんは目を細めて笑うと、また俺の耳をつまんで親指でなぞるようにした。
「んっ…やっ…」
ダメだ…
さわ られてんのは耳だけなのに…
腰のところがきゅってなる…
「感 じてるでしょ?耳さわ っただけでこんななってるもん」
「あっ…あぅぅ…」
大野さんはいきなり上向いた俺の中 心にさわ った。思わず体がびくっと揺れる。
「松潤にされたときも、実はこうなってた?」
「ちがっ…今だけ…」
「ふふっ…なんで?」
大野さんはにこっと笑って、耳元に唇を寄せる。
「なんで、耳さ わっただけでこんななんの?」
大野さんが耳元で囁くと、温かい息がかかって、また腹の奥が反応する。
「大野さんの…指、だからっ」
反 応する自分の体に恥ずかしくなって、大野さんから顔を背けながら言うと、大野さんはふふっと笑いながら俺の顔を両手ではさんで再び上向きにすると、鼻先を俺の鼻先にくっつけた。
大野さんの、笑いを含んだ瞳が細められる。
「俺の指だと、耳さ わられただけで…濡 れんだ?」
「ぬっ…れてなんかっ…」
と言ったものの…
どうしよ…
ちょっと自信ないかも…
「ぬれ てない?ファイナルアンサー?」
大野さんが俺の髪を撫でながら首を傾げて聞く。
「ぬれ て…ないもん…」
「そうだよね…耳しかさわ ってないもんね…ぬれ てるわけないよね?」
「やっあ、ダメ…ぁん…やぁ…」
両耳に同時に人差し指を突っ込まれて、くりくりと動かされる。寝起きの大野さんの指が温かくて、耳にふれ ているだけなのに、やっぱり体が熱くなっていく。
「確かめても…いいよね?」
大野さんはちらりと俺の中 心に目を走らせながらニヤッと笑って言う。
「ど…どうぞ」
「もしぬれ てたら、嘘つきニノちゃんにはお仕置きすっからね?」
お仕置き⁈
い、いや、正月からあんまりハードなのはちょっと…
「いや、やっぱり、待って!」
「んふふ…何?」
「あの…」
言い淀むと、大野さんは鼻にかかったような声でかすかに笑った。大野さんの右手の親指がゆっくりと俺の耳をなぞ っている。
「ぬ…れてるかも…しれない…わかんない…」
「わかんないんだ?」
「だって…もう…大野さんが…っは…そんな…するから…」
大野さんはふっと笑うと、いきなりがばっと身を起こす。
「あっ…待って!」
大野さんは俺が履いていた短パンの履き口に手をかけると一気にずりお ろした。
「や、ちょっ…」
続いて流れるような動作で下 着に手がかかって、そのままぐっとおろさ れる。
「んふふっ…ぬ れてんね」
太ももで引っかかった下 着を下ろしながら大野さんは嬉しそうに呟いた。
「ほら、ここ…すげぇよ」
大野さんは反りかえ ったオ レの先 端を人差し指でくにくにといじ った。
「やっ…あっ…」
「こんななってんのに…ぬ れてないとか嘘ついて…」
先 端をいじ る指が人差し指から親指に変わって、他の4本の指で包み込まれる。
「あぁっ…んっ…」
どうしよ…
どんどん…
溢れてきそう…
「俺の指だと、ニノは…耳だけでた っちゃうし、ぬ れちゃうってことでファイナルアンサー?」
オレをゆるゆると撫でなから大野さんはにこっと笑った。