無我夢中。
って、こういうことを言うんだな…
俺はベッドの上に四肢をついて、大野さんの唇を塞ぎながら思った。
って、こういうことを言うんだな…
俺はベッドの上に四肢をついて、大野さんの唇を塞ぎながら思った。
大野さんの「好き」ってたった二文字の言葉が、千の文字を尽くされるよりも、たちまち強く、俺の胸の奥の嵐を呼ぶ。
唇を重ねたまま、角度を変えていくと、大野さんはかすかに唇を開く。舌を さ し込むと、大野さんは俺の背中に腕を回して、俺を支えた。その手に安心して、彼の熱い唇をむさ ぼる。
「に…の、ちょ…待って…」
「ヤダ…」
待って、と言う割には大野さんの、俺の背中に回っていない手は、俺の髪や頰をゆっくりと、愛おしむように撫でた。頰の涙の跡をなぞって、親指でそこをそっと拭いてくれる。
「にの…この…まま…だと…俺…」
「ん…」
舌を彼のに絡 めていくと、深くなる口付けに大野さんが戸惑いを感じたのか、肩をかすかに押された。しぶしぶ唇を離す。
「そんな…されたら…俺、何かしちゃう…」
「へ?」
大野さんは、俺の肩を押して距離を維持しながら、真っ赤な顔でそっぽを向いた。
「お前…マルいんだろ?こんなの…したら、俺、お前に何かしちゃうから…」
「は?」
…マル⁈
キョトンとして大野さんを見つめると、大野さんもキョトンとしてこちらを見つめた。
「マルって言いました?今」
「だって…お前、マルと抱 き合ってた…写真見たもん」
俺の脳裏に、マルの体温と後輩達の顔が蘇って、シャッター音が鳴り響いた。
…あれかー…
よくあれだけで、そんなとこまで妄想できんな…
「あれは…ちがうよ。なんというか…別れの挨拶的なやつ」
安心させようと、おどけた感じで言っても、大野さんはまだ不安な顔をしていた。
「俺は…だいぶ前からずっと…あなた一筋だよ」
大野さんは目を丸くした。
「マジか…え?…」
「ホント」
「だって…めっちゃマルとぎゅってしてた…」
まだ信じられないという顔で大野さんは俺を見つめた。
「に…の、ちょ…待って…」
「ヤダ…」
待って、と言う割には大野さんの、俺の背中に回っていない手は、俺の髪や頰をゆっくりと、愛おしむように撫でた。頰の涙の跡をなぞって、親指でそこをそっと拭いてくれる。
「にの…この…まま…だと…俺…」
「ん…」
舌を彼のに絡 めていくと、深くなる口付けに大野さんが戸惑いを感じたのか、肩をかすかに押された。しぶしぶ唇を離す。
「そんな…されたら…俺、何かしちゃう…」
「へ?」
大野さんは、俺の肩を押して距離を維持しながら、真っ赤な顔でそっぽを向いた。
「お前…マルいんだろ?こんなの…したら、俺、お前に何かしちゃうから…」
「は?」
…マル⁈
キョトンとして大野さんを見つめると、大野さんもキョトンとしてこちらを見つめた。
「マルって言いました?今」
「だって…お前、マルと抱 き合ってた…写真見たもん」
俺の脳裏に、マルの体温と後輩達の顔が蘇って、シャッター音が鳴り響いた。
…あれかー…
よくあれだけで、そんなとこまで妄想できんな…
「あれは…ちがうよ。なんというか…別れの挨拶的なやつ」
安心させようと、おどけた感じで言っても、大野さんはまだ不安な顔をしていた。
「俺は…だいぶ前からずっと…あなた一筋だよ」
大野さんは目を丸くした。
「マジか…え?…」
「ホント」
「だって…めっちゃマルとぎゅってしてた…」
まだ信じられないという顔で大野さんは俺を見つめた。
「ふふ…愛されてるから、ワタシ」
いたずらっぽく微笑むと、大野さんはやっとかすかに笑った。
「マジか…俺一筋なのに…他の男にあんな…ぎゅってされてんだ…」
「ふふ…ま、そんな夜もあるでしょう」
「お前、さては小悪魔だな…」
大野さんは、言い終わると真剣な表情になって俺の肩に手を添え、ぐっと引き寄せた。顔が近づく。
「知らなかった?」
「…知ってた…かも…」
次の瞬間、大野さんの唇で俺の唇が塞がれて、瞬く間に侵入された。