君の青空、僕の太陽 26 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。







Side S






エレベーターを降りた智くんは、すぐさま廊下のはじに位置する楽屋へと走り出した。その背中を追いかけながら、慌てて言う。


「待って…智くん、いきなり乗り込んじゃだめだよ」


なんで?って言ってる目で智くんが一瞬振り返る。


「ほら、何が起こってるのかわかんないから。ちょっと様子を伺おうよ」


智くんは走りながら短く頷く。

長い廊下を走って、ようやく「リリティ様」と書かれたプレートのかかった部屋の前にたどり着いた。廊下ではたまに数人とすれ違うくらいで、はじの楽屋のあたりは誰もおらず、しんと静まり返っていた。


俺は智くんに向かって「しぃ…」って人差し指を唇に当てる仕草をしてから、耳をドアに押し当てる。まだ若手に割り当てられることの多い小さな楽屋の薄いドアの向こうから、かすかに声が聞こえた。

智くんも俺にならって耳をドアに押し付けたとき、人の声が聞き取れた。


『あの人の名前を出すなって言ったのは、二宮さんですよ?』


リリティの太い声が聞こえた。


何してんだ…


ニノは中にいるんだろうか…


そう思った瞬間、かすかながら聞き覚えのある声がした。


『んやっ…ヤダぁ…大野さぁん…』


ぴくっと智くんの身体が揺れて、ドアに手が伸びた。

俺は咄嗟にその手の前に自分の手を出した。

智くんが、険しい目で俺をチラリと見る。


鍵がかかっていないはずはない…


力ずくの突破は、ニノを危険にさらすかもしれない。


俺は口の動きだけで「待って」って素早くつぶやいて、智くんに俺の背中の後ろへ回るよう手のジェスチャーで示す。


頷いた智くんが俺の背中に回ったのを確認してドアをゆっくりノックした。