デートしてきました。
結論から言えば、秀さんに対してちょっと冷静になりました。
今回はお酒の入るデートでした。
日暮れに待ち合わせをして、JAZZのライブハウスへ。
ピザやウインナーとワイン、ウヰスキーと音楽を楽しみました。
秀さんにとって、私が誘ったBIG BANDのライブハウスは入った事のない空間だった様子です。
バンドメンバーはプロとアマチュアの混在メンバー。オーソドックスなJAZZだけでなく、アレンジの効いたロックやポップスもあります。常連客との掛け合いも多くて盛り上がります。
秀さんも手を叩き、喝采の声を上げて楽しんでいました。
ピザやウインナーもサラダも美味しくて、ワインやウイスキーのお酒も進みます。
ゲストボーカルとして歌っていた女性に、私は見覚えがあり出番のあとで声をかけました。
私は異業種の人と出会うパーティーで遊ぶことにハマっていた時期があります。異業種交流会ってやつです。
とにかく友達を増やしましょうという趣旨のパーティーに参加しまくって、名刺交換の代わりに互いのSNSをフォローし合ったのですが、会わなくなってもSNSでつながっているので、その後の活躍を知っています。
そのうちの一人とバッタリ出会ったのです。
このライブハウスを知っている理由も、ここをパーティー会場として貸し切ったことがあったためです。
異業種の人との人脈、そこから広がる話題の広さ、秀さんにはカルチャーショックだったようです。
秀さんは同じ職種の同じ役職の人の集まる研修後に飲むということが多いらしい。
そうすると共通の話題=仕事の話題ですね。全然視野がちがいます。
そして、ウヰスキー。
私には元彼のBARを手伝いながら仕込まれた知識があります。
2軒目に行ったBARで、最近入手が困難だといわれて見かけなくなったボトルを見つけました。
店の人に「ウーガダール、久しぶりに見ました」と声をかけて注文をすると、「これウチの店では最期の一本です」と嬉しそうに、ちょっと多めの量をグラスに注いでくれました。
「ウーガダール???」
秀さんが不思議そうな顔をしたので、ちょこっとウンチクを披露してみました。
「世界5大ウヰスキーの1つで、スコットランドのアイラ島にあるアードベッグ蒸留所の銘柄の1つです。秀さんはさっきの店でバランタインを注文していたでしょう?あれもスコットランドのウヰスキーです。でも、スコッチとアイラは全然ちがう薫りがします。特徴があるウヰスキーなので、初めて飲む人は嫌いになるか好きになるかはっきり好みが分かれるんですよ。」
うっとぉしいオヤジみたいな私
「ストレートでほんの少し口に含んで、高いアルコールの刺激をピリピリ感じながら少し待っていると、唾液が混ざって少しずつ味わいが変化するのがわかるんです。それをゆっくりゆっくり飲み込む。飲み込んだ後も口を開かないで、待っていると鼻にかけて薫りが広がってきます。それを楽しんだ後息を吸う。そしたら、口いっぱいにスモーキーな薫りが広がる。ここで、終わりじゃないです。チェイサーをちょこっと飲んでみてください。もう一回薫りが復活するんですよ~」
私がバーテンダーのまねごとをしていた頃のお客さんへのトークです。
言われたとおりにじっくりとウヰスキーを飲む秀さん。
「うぁ~!ほんとだ。すごい薫り!こんなウヰスキー初めて飲んだ!これ好きだ。
スゴいですゆきンこさん、普通に飲むより味がはっきりわかる!知らなかったらハイボールで注文して、この味に気づかなかったかもしれない」
もちろん、好きな飲み方をすればいいんですよ。トークとして私の飲み方を話しただけですから。
秀さんは、別れ際の電車のホームで
「今日も新しいゆきンこさんを発見した。会うたびに違う面が見られてうれしい」
とテンション高いまま、私の乗った電車に手を振っていました。
そのテンションと裏腹に私はちょっと「やらかした」と反省の気持ちになった。
私、いつも思う。
もし私が男性だったら、彼女を大満足させるデートをいっぱいしてあげられるのになぁ。
でも私は、エスコートをしたいのではなく、して欲しいのです。
また、私の提案のデートを繰り返すのかなぁ。
レノさんが全然デートの内容を考えてくれないって不満を募らせた時の二の舞をやらかしそう。