低収入で暮らしている私。
副業ができたらいいなとは思う。
3月15日に放送されたドラマ「不適切にもほどがある」#8の中で出てきたキーワード「コタツ記事」が刺さりました。
私、Webライターとか、動画編集とか、モノにできたらいいなぁ。と思って、在宅で、隙間時間で、なんて考えながら試しにクラウドソーシングに登録してみたことがあります。
子育て、料理、美容、旅行、健康、家電、ファッション、などなどいろんなジャンルの中から得意なジャンルを選ぶと、そのジャンルのWeb記事(コラム)執筆の案件が掲示板に表示される。
旅に関するジャンルのWebライターを一件やってみました。
応募して仕事をもらう。
依頼主とダイレクトメッセージで、どんな内容でいつまでに何文字くらい、どんな文体(きっちり丁寧にとか、ポップな軽い感じとか)で記事を書くのか、要領を伝えてもらう。
私が日頃からこのブログで書いている「まち歩き大好き」のように、おすすめのお出かけスポットを紹介する記事を書くというものでした。
単価は安いけど、数をこなせばいけるかな。だけど、交通費など取材の経費が一切出ない。もちろんカフェの飲食代も出ない。
問い合わせると「自分の持っている写真やフリー素材でいい」という返事。「観光施設やショップに許可を取りたいので、記事が掲載されるWebの詳細を知りたい」と問い合わせたら、教えられないという返事。
呆れた。
その対応を知った上で世の中に溢れているコラムを読み返すと、浅い記事が多いことに気づく。
Web検索で調べた範囲で記事を書き、ライター自身が行ったことがあるのかどうか怪しい記事がゴロゴロある。
クラウドソーシングのWebライター募集の案件の中には「過去の記事のリライト」と明記している募集もある。
パクるという行為を依頼しているのか?
これって、信憑性のないゴミ情報を撒き散らす行為なんじゃないだろうか?
きちんと足を運んで取材先とコミュニケーションをとり、裏をとって足で稼いだ情報を書くのがライターの仕事ではないのか?
編集者の端くれ(と勝手に思っている)の私には、そのパクリ記事を書く行為が気持ち悪くてしょうがなかった。
私は古いのだろうか?
紙媒体とWebは違う?
Webならいいのか?
そのクラウドソーシングは、一件納品したあともう手を出すことはやめた。
ドラマ「不適切にもほどがある」の中で、ネット炎上のプロセスを取り上げていました。
Web上でネガティブな噂がどうやって拡散するのかを説明する時、事実がどうなのか独自の取材をせずWeb上でみたコメントや記事を、さも事実であるかのように語る記事が量産されるという。
「こたつ記事」という言葉を初めて知った。
自分で取材をしないので、こたつの中にいても書ける記事という意味らしい。
あー、私がクラウドソーシングの中でみた依頼は「こたつ記事」だったのね。
私がやりたい仕事はそれじゃない。
経済系の話題などは経済誌や証券会社や金融機関のサイト内に掲載されている記事のように、確かな知識や独自インタビューや取材で確かめて書く、そういう信憑性のある記事が書きたい。
実際、リアルに知り合ったライターの中には、精力的に取材をして読み応えのあるWeb記事をバンバン世に送り出している人がいます。聡明で素敵な人です。
Webライターといっても、雲泥の差があることを薄々感じていたけど、それが量産されていることに気づきました。
注文通りの記事を書くことは難しいけどやれると思う。だからクラウドソーシングが悪いのではなく、クラウドソーシングの中にある仕事を選べばいいんだけど、見極める目が要る。
もちろん自分で直接アフェリエイトを稼ぐ方法もあると思うけどアクセス件数を伸ばすために躍起になる変な営業活動は嫌い。
「こたつ記事」を違法とは言わないけど、私がやりたいことはそれじゃない。
気がついてよかった〜
危うくWeb上でゴミを撒き散らすところだったわ。
副業はしたいけど、私はWebであっても紙の仕事と同じ熱量で働きたい。
私の得意ジャンルはなに?
技術もだけど、知識や感性を磨かなきゃ。
本業でやってきたことの中にきっとヒントがあるはず。
焦らない焦らない。