1夜目「かずみ」
2夜目「まぁじん」
どっちも島唄と島料理の店でした。
奄美の三味線は蛇皮を張った蛇味線です。
演者さんは観光ガイドもされる人で、島唄の中の島言葉を解説してくれます。
ここであなたに会えたことが嬉しいという気持ちとか、愛しい「かな」に会うためなら峠を越えることも苦ではないとか、愛がいっぱい詰まった唄の意味を教えてくれます。
「かな」とは娘だったり妻だったり母だったり愛しい女の人を指す言葉です。
カウンターの中にいる女性、かずみさんは島唄の第一人者。
奄美出身の元ちとせさんも、この店のかずみさんの歌に育てられてデビューした一人。
料理を盛り付けながら、カウンターの客とおしゃべりしながら唄う声がすごい。
話す時と全然違う喉の使い方なのにスッと転がるような裏声を響かせています。
元ちとせさんも綺麗な裏声を響かせて歌いますが、師匠や長年歌い続けてきた先輩方の声はもっと響きます。
演者さんの向こうにふらっと入ってきた地元のおじさんがいるのですが、普通のおじさんなのに、なんともいえない美しい裏声を使って島唄を披露してくれました。
演者さんはその歌声をベタ褒めして解説してくれました。
「今、この方と初めて合わせたのですが、即興で、この場の皆さんとの出会いに感謝するという意味の唄を歌ってくれました。島唄はその場で(アドリブで)自由に唄うことがよくあるのですが、この方のように堂々と歌い切る唄声に、演奏を合わせるというのはとても気持ちいいです。」
え?なんにも打ち合わせもなく、即興で演奏ができちゃうの?
生まれる前から人々に染みついている島唄文化の凄さを感じました。
私たち観光客も聴くだけではすまないです。
「太鼓叩いてくださいね〜」
「一緒に踊りましょう」
と誘われます。
私も太鼓を叩いたし、手にティッシュを挟んで花に見立ててヒラヒラさせながら踊ったりしました。自然に隣のテーブルのお客さんともおしゃべりします。
巻き込まれたくない人はこの店に来てはいけません。
楽しい島唄ライブを満喫しました。